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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【恒例掲載】読書週間、イメージキャラは「更級日記」の菅原孝標女。イメージソングは…?

※以前の記事の再掲載。



10月27日から読書週間が始まっています。

読書週間の歴史

 終戦まもない1947年(昭和22)年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているなかで「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ機関も加わって、11月17日から、第1回『読書週間』が開催されました。 そのときの反響はすばらしく、翌年の第2回からは期間も10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)と定められ、この運動は全国に拡がっていきました。
 そして『読書週間』は、日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。
 いま、電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、かたちづくるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。
暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚での「本とのつきあい方」をとりいれていきませんか。

 『読書週間』が始まる10月27日が、「文字・活字文化の日」に制定されました。よりいっそうの盛りあがりを、期待いたします。
www.dokusyo.or.jp


読書週間には、たまにそれに合わせた面白いアンケート結果なんかが発表されることもあるけど、どこかにあるのかな。
こんなのは見つかったけど。




で、以降は恒例。

昔の読売新聞「編集手帳」より。

 夢にまで見た「源氏物語」五十余帖をようやく手に入れた。
「后(きさき)の位も何にかはせむ」。
何物にも代えがたい幸福感を、菅原孝標女(たかすえのむすめ)は「更級日記」にそう記している
 
◆「昼は日ぐらし、夜は目の覚めたるかぎり灯を近くともして」読みふける。自分はまだ器量もわるいが、いずれ女の盛りになれば「夕顔」や「浮舟」の女君のように…。
物語の世界に我が身を重ね、空想にふける乙女心がほほえましい
 
◆知識を蓄え、言葉を磨き、自分を見つめ直して…と、読書の効用は様々に語られる。
そう堅苦しく論じるまでもあるまい。平安時代の十三歳の少女が書き留めた、ぞくぞくするような胸の高鳴りこそが、何にも増しての醍醐味だろう
 
◆ひと月に一冊も本を読まなかった児童生徒が小学校で10%、中学校で44%、
高校では67%もいた。
国学図書館協議会の昨年五月の調査である。活字離れが止まらない
  <中略>
◆江戸幕末の歌人、橘曙覧(たちばなのあけみ)に読書の歌がある。「たのしみは そぞろ読みゆく書(ふみ)の中に 我とひとしき人を見し時」。秋の夜長に書物を開き、もう一人の自分に出会う人もいるだろう。


表題にあるように、更級日記の作者・菅原孝標女さんは、読書週間のイメージキャラクター足りえるのではないか、と思っている。

平安のオタク物語 「更級日記」、そして源氏物語評価をめぐる”オタ論争”? - Togetterまとめ
togetter.com

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読売新聞「編集手帳」のコラムは,上の回だけでなくしばしば、現代的な感覚の少女として更級日記を紹介。ある意味このコラム子が「物語」の意味や楽しさ、読書の魅力を語るとき、「準レギュラー」として何度も更級日記を引用しているのである。

frkoten.jp

はしるはしるわづかに見つつ、心も得ず、心もとなく思ふ源氏を、一の巻よりして、人も交じらず、几帳の内にうち臥して、引き出でつつ見る心地、
后きさきの位も何にかはせむ。
昼はひぐらし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、これを見るよりほかのことなければ、
おのづからなどは、そらにおぼえ浮かぶを、いみじきことに思ふに・・・・・・



胸をわくわくさせて少しだけ見ては、(物語の筋を)理解できず、じれったく思っていた源氏物語を、
一の巻から読み始めて、誰とも合わず、几帳の内に寝転んで、引き出しては読む心地は、
后(=皇后・天皇の妻)の位も(源氏物語と比較すると)何になろうか。(いや、何にもならない。)
昼は一日中、夜は目が覚めている限り、灯火を近くにともして、これを読む以外他のことはしなかったので、
自然と(物語の文章や人物を)覚えていて頭に浮かぶのを、素晴らしいことだと思っていると…


ただ…、菅原孝標女および「更級日記」って、「本を読んで物語の世界に遊び、教養をつけたので幸せになれました!!」って話じゃ全然ないんだよな(笑)。というかむしろ、その正反対(笑)。
それは時代の制約であったようでもあり、時代を超えて普遍的なもののようでもある(笑)。
だが、そんな不幸せも上等で耽溺する、堕ちていくのが読書ってモンだ、という開き直りの書としてむしろ読みたい(笑)。

どこが読書週間のイメージキャラクターなんだ(笑)。


むかしはある意味で、突飛な結び付け方だったのかもだけど、今となっては、「菅原孝標女 オタク」や「更級日記 オタク」という見立てはふつーのものになりつつあるね。

https://www.city.ichihara.chiba.jp/maibun/sarasina2/1000kinenn_1.html
菅原孝標女生誕1000年記念特集
更級日記座談会 第1回 『更級日記』と上総

http://www.bb.banban.jp/s_3leaf-clover81/kobun.html#genjino
……源氏物語の「若紫」の巻を見て、その続きを読みたく思うが、家族はみんなまだ都になれていない頃なので、人にお願いすることもできず、自分で見つけてくることもできない。
とてもじれったく、読みたくてたまらないので、「源氏物語を第一巻からすべて読ませてください。」と心の中で祈る。母親が太秦(うずまさ)の寺にこもっていた時、私も母と一緒にいたのだが、このことだけをお祈りして…
(略)
私のおばにあたる人の所に行く機会があった。おばは、「とてもかわいく大きくなったわねぇ」などとほめてくれ、私の帰りぎわ、「何かおみやげにあげようと思うのだけど、実用的なものはあんまりでしょう? あなたがほしがっていると聞いているものをあげましょう。」といって、源氏物語の五十余巻が木箱に…(略)…それをもらって帰る気持ちのうれしいことといったらない。
 今まで少しずつ断片的に読むだけで前後のつながりがわからずじれったく思っていた源氏物語を、胸をどきどきさせながら、第一巻から、人も入れず几帳の奥で横になって、何度も何度も引き出しては読む心地といったらもう、誰もがうらやむ皇后の位でさえ眼中にないほど……
(略)
源氏物語のことだけで頭の中がいっぱいで、「今は見かけもよくないけど、年ごろになったら超美人になって髪の毛もとても長くなるだろう。そして、光源氏に愛された夕顔の君や、宇治の大将、薫に愛された浮舟の君のようになるだろう。」などと考えていた心は、いやもう実に幼く、あきれたものだった。ああ、恥ずかしいこと‥

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第二部「読書」のイメージソングさがし。 fhána「いつかの、いくつかのきみとのせかい」など

「読書」というより、本あるいは文化、文明を礼賛するような、そんな歌っちゅうのが、ラブソングやスポーツソング、あるいは酒などを歌う歌と同様にあってもいいんじゃない……と言う問題意識をゆるーくもって探し続けてはいるんだけど、そう滅多にはみつからないね。
といいつつ、多少なりとも動きがある。というのは、そういう「文化」を前面に出した物語、ドラマ、アニメ自体が肌感覚的に増えている気がするので。
ただ、物語のテーマがそれなら、そういう主題歌になるかというとそうでもない。
そんなこんなで、数年前に暫定的に選んだこの歌が、いまなお読書週間のイメージソングとしてはぴったりであるような気がしています。

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外は雨が降りしきってるけど 嫌じゃないよ 安らげる場所
まだ知らない日々を迎えては 新しいページをめくるよ

(略)
いつかの きみのセカイ 僕にも見せてよ ほら今
何気なく紡いだ仕草に 思わず胸が締め付けられる
また明日 何を話そう?  物語の 続きを見に行こう

この歌は、アニメ「僕らはみんな河合荘」主題歌。この作品は本や文化が主題ではないけど、ヒロインが内向的で読書が大好きな本の虫、という設定があり、それと関連付けているのでしょうな

いつまで見られるかわからんけど、OP映像もあるな
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この話は、以前にも記事にしました。
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その時に得られた情報を含めて、そのほか…
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こんど、カラオケ店に行く機会が有ったら、検索で「図書館」とかの単語で、どんな歌があるか調べてみよう。


おまけ 読書に関する、マンガの名シーンもろもろ

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これ、あとでもう少し補足したいな…少しづつ採集しているので。

最後に中島敦「文字禍」へのリンクが張られるべきである

字の霊れいなどというものが、一体、あるものか、どうか。
 アッシリヤ人は無数の精霊を知っている。夜、闇やみの中を跳梁ちょうりょうするリル、その雌めすのリリツ、疫病えきびょうをふり撒まくナムタル、死者の霊エティンム、誘拐者ゆうかいしゃラバス等など、数知れぬ悪霊あくりょう共がアッシリヤの空に充みち満ちている。しかし、文字の精霊については、まだ誰だれも聞いたことがない。
 その頃ころ――というのは、アシュル・バニ・アパル大王の治世第二十年目の頃だが――ニネヴェの宮廷きゅうていに妙みょうな噂うわさがあった。毎夜、図書館の闇の中で、ひそひそと怪あやしい話し声がするという。王兄シャマシュ・シュム・ウキンの謀叛むほんがバビロンの落城でようやく鎮しずまったばかりのこととて、何かまた、不逞ふていの徒の陰謀いんぼうではないかと探ってみたが、それらしい様子もない。どうしても何かの精霊どもの話し声に違ちがいない。最近に王の前で処刑しょけいされたバビロンからの俘囚ふしゅう共の死霊の声だろうという者もあったが、それが本当でないことは誰にも判わかる。千に余るバビロンの俘囚はことごとく舌を抜ぬいて殺され、その舌を集めたところ、小さな築山つきやまが出来たのは、誰知らぬ者のない事実である。舌の無い死霊に、しゃべれる訳がない。星占ほしうらないや羊肝卜ようかんぼくで空むなしく探索たんさくした後、これはどうしても書物共あるいは文字共の話し声と考えるより外はなくなった。ただ、文字の霊(というものが在るとして)とはいかなる性質をもつものか、それが皆目かいもく判らない。アシュル・バニ・アパル大王は巨眼縮髪きょがんしゅくはつの老博士ナブ・アヘ・エリバを召めして、この未知の精霊についての研究を命じたもうた。
 その日以来、ナブ・アヘ・エリバ博士は・・・・・・・(略)・・・・
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