幕府とは何か 東島誠
発売予告と前書き、目次だけで2回記事書いちゃった。
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まず最初に思ったのは、 一般 啓蒙書とは言え、 歴史 解説する本で、ほかの研究者をこんなに挑発する ブレイキング ダウン みたいな本は少ないんじゃないか、と(笑)
それは余談。ここから、自分用のぞんざいなメモ。けっこう議論が、一直線に進むような本ではないので。
Q 幕府とは何か?
ぶっちゃけと言えば 成り立ちとしては大都市であり、 周辺地域からの米の輸送がなければ たちまち 飢餓が発生する京都に、 きちんと 年貢米を納めさせる実力 組織。
いわば 都市 王権。
平安時代、 「私鋳銭」、 すなわち 勝手に 貨幣を定めることが大逆 となり、 関所を襲って流通を止めるものも同様の国家反逆とみなされた。
こういうのを強制的に止めさせる武力、 そこから平家政権の正当性が生まれた 。
鎌倉幕府の成立は、本質的には1180年。御家人統括機関の侍所が設置された年。
つまり、個人的な親分子分の関係を超えた権力が生まれたこと。
最近、鎌倉武士はこんなに野蛮でヒャッハ―だ、という話が流行ってるが、それは当たり前。武士というのはそういうもの。むしろ幕府=武家政権とは「そういうヤクザな集団と言うだけでは権力、政権足り得ない」を武士が気付き、学習する過程なのだ。
そして1183年、寿永二年10月宣旨が発される。
これは要は…上の話で、源平争乱が拡大し、京都に各地の年貢が入らなくなってきた。
なので朝廷が「東日本の、そういう滞りなく年貢を徴収するには頼朝に頼れ」とした、ということ。頼朝にしてみれば「東日本の年貢米が来なくて京都が飢餓?それはお困りでしょう。私どもが解決しますので権限をください」…
時に学問の世界では
六波羅幕府
福原幕府
奥州幕府(構想)
安土幕府
堺幕府
鞆幕府
・・・・・・・・・等の用語・概念が提案されている。
逆に鎌倉幕府は「鎌倉幕府」と呼んでもいいが、室町幕府は「幕府」とするのは不適切、という主張があり、東山氏も「との結論に逢着し得る」としている(この本の第三章を「足利将軍家の時代」としたのはそれ。)。
実際、論者の中には「室町政権」と言い換える人も。