放送前に告知出来て、仕事できたなー、おれ
とはいえ、テレビ番組は放送後に、やっと報道されて反響が伝わることもあるのは、これは仕方ない…
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、NHKに対し、教団の信者勧誘の手口などを扱った番組「危険なささやき」の放送中止と謝罪を求めて抗議した。NHKは教団側が問題視した番組のタイトルを一部変更し、予定通り放送した。教団が放送前の番組に中止を要求したのは異例で、識者はメディア側の萎縮を狙った可能性を指摘する。
mainichi.jp
ちなみに、最初に番組自体の感想を書くと、どこにでもある詐欺事件のドラマ再現のようで、目新しいことが無かった。
というか、自分の一番の興味は「どこからが『マインドコントロール』と呼ばれるもので、どこからが『(自由な意思と判断力の下で)間違った「思想・情報・教義」に賛同する』になるのか」だが、実はもとより西田公昭氏の論は、その区別が判然としない。
当然、人間というのは例えば他から見れば愚か極まりない思想、イデオロギーをよしとして活動することもある訳だが、それを自由な個人として選び取ったのか?それとも「マインドコントロール」されたので仕方ないのか?これを切り分けないと、その人物が加害者か被害者かも反転する……
だが、この議論はまた別の機会にしよう。
今回、語りたいのはこちら。鈴木エイト氏のコメント。
教団の問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は「番組は裁判資料からファクトを拾い、教団側が放送中止を求めるような内容ではありません。教団の抗議活動は解散命令請求が取り沙汰されるようになってから一層激しくなっており、今回の動きもメディア側に『この団体は面倒くさいから触らないでおこう』と思わせる狙いがあったのでしょう」と話した。
江川紹子氏も語る。
裁判で明らかになった事実で構成され、人々の注意喚起を促す良番組。事実を「誹謗中傷」と言い募り、「批判」を「侮辱」と言い換え、不都合な番組を中止させようとする教団の対応からは過去への反省がまるで感じられない⇒旧統一教会、NHK番組に異例の放送中止要求 | 毎日新聞 https://t.co/XtG4rxrXx8
— Shoko Egawa (@amneris84) September 26, 2023
実はこの話、いわゆる「貴の乱」、日馬富士が引退にまで追いこまれた暴行事件のドキュメント漫画を読んで思ったのだった。
m-dojo.hatenadiary.com
https://www.amazon.co.jp/dp/4800281024
という本がことし2月に出たのですが、なんとこの中に、あの原田久仁信氏の劇画
「モンゴル・コネクション 鳥取の惨劇」という劇画が収録されているので、ご報告いたします。
内容的には、別に新事実があったとかじゃない。というか逆に「日本相撲協会 中間報告」に基づいて描いている、と明言し、そこからは一歩も出ない。これは、こういう再現ノンフィクション劇画の「事実認定」を巡っての法的問題を一気に解決する一つの手ではある。そこに不満が出るかもだが…。
(略)
そう、メチャクチャにセンシティブだったり、
気に入らない表現があったらクレームをつけるような団体・勢力があった時も
「裁判所の記述に、完全に基づいています」は無敵、無双なんよ。
このやり方なら、どんな大事件、センシティブな事件でも描ける。
・・・・で、見た人ならわかるけど今回の番組、すげー製作費安かったでしょ?一種の会話劇というか独白劇というか…(笑)
それを一歩進めて、裁判所の記録の中で、ある事件について印象的なところ、象徴的なところをいっそ「読む」だけでコンテンツになるんじゃないか?と思うのですよ。
少なくとも、…たとえば地上波番組は持たなくても、わんさとある動画で、そういう「あの大事件の判決文、重要なところを声に出して読んでみた」な コンテンツは、それなりに視聴がなされ、ビジネスとなるんじゃないでしょうか。
もちろん、興味本位が横行するような…たとえば性犯罪のものとか、あるいは政治的に左右両方が、反対勢力を貶めるようなものとか、そういう裁判所判決の朗読コンテンツがあると、世の中に寄与するとは言えない…のだが、たとえばそういうものであっても、裁判所の判決文から一歩も出なければ、おそらくは何の違法性もない。
そういう「裁判所の判決に完全に基づけば、どんなセンシティブな事件の描写も無敵である」という気付きを知った…厳密には2018年にそう気づいた、その事実を思い出したのでここにしてみました。
ついでに、江川紹子氏のツイートを読んでこういう連想もしちゃった(苦笑)
この番組が「裁判で明らかになった事実で構成され、人々の注意喚起を促す良番組」であることに異論はないけれど、一言付け加えるなら
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2023年9月26日
「例えば故西山太吉記者と情報漏洩事件への評価も『裁判で明らかになった事実で構成』されるべきか?」と。https://t.co/DEGtZLlASh