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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

朝日新聞「WEB論座」終了に、思う事。

朝日新聞社は15日、運営するインターネット上の言論サイト「論座」を7月に終了すると発表した。「新たなオピニオンサイトを今春をめどに開設する予定です」とコメントしている。

朝日新聞社は平成7年にオピニオン総合誌論座」を創刊したが、20年に休刊した。22年にネット上に「WEBRONZA(ウェブロンザ)」を開設し、後に改称。これまでに2万本を超える論考を発信してきた。
www.sankei.com

webronza.asahi.com


うーーーん、かなしいね。さびしいね。
というのは、元は「月刊Asahi」だったかな、そういうのを出してて…元は「朝日ジャーナル」もあったわけだけど……それがリニューアルされて、論壇雑誌としての「論座」が始まったのも覚えてる。実家にいけば、結構バックナンバーが保存されてると思うよ。
当時は「諸君!」「正論」も毎月出ていて、ぶっちゃけそれに対抗するような意識を持って作られていた。だから敢えて諸君!や正論の関係者にインタビューしたり、そういう特集を組んだりしたことも覚えている。


で、「正論」は残ったが、そもそも「諸君!」も休刊した。2009年だね。同サイズの総合誌としては「ダカーポ」「宝石」「現代」「This is 読売」………いやまさに総合雑誌の「最後の時代」でありました。

そんな中「雑誌は毎月、紙に印刷して書店に運ぶから、耐えきれない赤字になるんで、論考を専門家に頼んで原稿料を払って、それをWEBに載せて有料会員を募るんなら、収支は一応取れるか、耐えられる程度の赤字になるんじゃね?」と思うていたんですよ。


その実験場が、まさに「WEB論座」だった。
天下の朝日新聞が、そういう紙媒体は最初からあきらめて、ネットに有識者の時局論文を乗せるだけの「WEB総合誌」を試みて、それでも「この赤字なら、まぁいいだろう」にはならなかったというのは、ひとつの実験結果で・・・・・・・


そしてぶっちゃけ、いまの生き残ってる「総合誌」、単体で利益を出して存続余裕ですよ、という雑誌があるんかいな?「文藝春秋」ぐらい?

あ、Hanada とか WIll はどうなんだろうな…?



ほかはどこも、母体の会社が「これはわが社の『軍旗』である。赤字黒字は関係ない、これを掲げるのだ!」という覚悟の元に赤字を流しつつやっているのだろうよ、と思う。
そこから連載が生まれてヒットすれば採算が取れるから……なんて言い訳できる雑誌すらひとつもないだろうよ。

「g2」もそれ(この連載から単行本を出す、そのヒットで採算をとる)といいつつもかなわず、2015年に終わったんだっけな。


朝日の「journalism」休刊も合わせて(これは世論調査の裏側とか、興味深い記事多かった)、さびしいねえ。

しかし「執筆陣のチョイスが、WEB論座はアレだったね」といえば、まさにそこは問題だった…

WEB論座朝日新聞社)の大胆な「執筆者選考基準」に、ついに注目が集まる。
m-dojo.hatenadiary.com


問題はアカウント名寄稿ではなく…朝日「WEB論座」は『Dr.ナイフ』氏に、文春オンラインは『cdb』氏に依頼した現状。
m-dojo.hatenadiary.com


「2021年のAERA.dot(&論座)/朝日新聞出版」というのを読みたくありませんか?
m-dojo.hatenadiary.com

タイトルがなんか端的になった(笑)


やはり、雑誌はまず「誰に寄稿を頼むか」で、そのクオリティや方向性が決まるものであり、WEB論座はそのチョイスがあまりにも独特だったのでは、と思わざるを得ないところが。
togetter.com


ぶっちゃけ、新しいオピニオンサイトを作るなら、「WEB論座」を引き継いで名前だけ変えたりリニューアルする方式もあったのだから、現在の執筆陣を切る方便じゃないかえ?と思ったりもするのでした。



どこかで関係者が「WEB論座風雲録」を書いてほしいものだ。