理不尽な「アベ批判が暗殺を呼んだ」との非難を機に…『犬笛』なる概念の欠陥に気付き、捨ててはいかがか

今は、あまり派手に議論や批判の応酬をすべき時でもあるまい・・・・・・だが、出来る限り避けつつ、いちおう書いておこう。

いくつかのところで、…要約すると「今回の安倍晋三暗殺は、激烈で乱暴、下品な安倍批判が（間接的に？）生んだものだ」という、意見を目にした。

それに対して、要約すると「それは政治・政治家への批判や風刺であり、今回のように直接的に安倍晋三氏を殺害すべきだ、という意味ではなかった」との反論も目にした。

あーここか

反省すべきはネット上に無数にいたアベカー達だよな。そいつらに犯人は洗脳されてたようなもんだ。 https://t.co/XEhRBGVfW5
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) July 8, 2022

これへのブクマ。批判多数
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自分は、いしいひさいちの漫画を愛好するように、政治家・権力者には相当な風刺や皮肉、批判があってもいいと思っています。ぜんじろう氏の「〇〇、XX、▽▽（ある国の指導者幹部）が乗った飛行機が墜落した？生き残ったのは誰か？／答え　その国の国民」なんてのが、氏のオリジナルではなく、よく使われる定番のジョークである（というか凡庸）、というのも、そもそもその通りだ（だがそれがウケるかどうかは、まぁ力量の問題だね…）

ただし。
「犬笛」なる珍妙な理論、概念を持ち出していいなら、一転してそういった政治批判・風刺に対しても「その批判が、安倍氏を直接的に攻撃していいとの『犬笛』になった！！」という理屈を立てて非難することが可能になるんだよ。

だから、この事態を受けて、よく考えて…「犬笛」という理屈を認めたら、自分たちのこれまでのアベ批判が、安倍氏暗殺の『犬笛』になり得たことになっちゃう！！！　と思い至っていただき、「犬笛理論」全体を廃棄するのにしくはなし、と思います。

そもそも、それは2019年に、竹田やしゃごさんの講演が中止になったことでわかってたでしょうよ。
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あるいは東京五輪を巡って開催反対の立場から「選手に出場辞退せよ」、「なぜ五輪に出るのか」と、かなり抑圧的に要求する運動があり、開催反対に一番熱心だった宇都宮健児氏までたしなめるという一件があり…その宇都宮氏に対して「お前の開催反対運動が、アスリートを圧迫して出場辞退せよっていう動きを生んでるんだよ！」という（俺からしてみれば理不尽な）声があがった。

現在東京五輪代表に内定した選手に出場辞退を求める声がネットで溢れている。だが五輪中止を求める相手は選手ではなく、主催者であるIOC、IPC、国、東京都、組織委である。当然のことながら選手にはいっさいの非はない。見通しの立たない辛い状況に置かれている選手をこれ以上苦しめてはならない。
— 宇都宮けんじ (@utsunomiyakenji) May 8, 2021

このツイートに「犬笛」と関連してブクマした。宇都宮弁護士を、弁護するために。

宇都宮けんじ on Twitter: "現在東京五輪代表に内定した選手に出場辞退を求める声がネットで溢れている。だが五輪中止を求める相手は選手ではなく、主催者であるIOC、IPC、国、東京都、組織委である。当然のことながら選手にはいっさいの非はない。見通しの立たない辛い… https://t.co/Ytb3m4u9cc"
ほらこれな。「犬笛理論」を肯定すなら、確かに『宇都宮健児氏の犬笛で選手攻撃が起きた』となろう。ただそもそも「犬笛理論」自体がちょっと無理がある理屈なんだ。だから宇都宮氏を、そう責めるのは不当です
2021/05/08 20:03

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もっと遡れば、そもそもこの種の珍妙な理屈は、最近その老害っぷりへの批判が「あちら側の陣営」からも（やっと）上がってきた佐高信氏らが「時代の空気を作った責任だ！」という、この犬笛のお仲間理論を語ってたりしてた。
それが珍妙なのは、靖国神社が「被害者」のテロ事件―たとえば放火未遂など―も多数あったが、じゃあ靖国批判派は、靖国神社に放火していい「時代の空気」を作ったのかよ、と。

加藤紘一宅放火事件に「小林よしのりや小泉の責任だ」との声があった。では、靖国神社への放火は…
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当ブログは一貫して、
こうやって実際に発生した放火や暴力的街宣の責任を、その対象に批判的な言論の責任とするのはおかしーだろうと言ってきたが…。
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それはいわば、今回のような「靖国神社への放火（未遂）」が発生したとき、「靖国神社批判をしていた言論人やメディアが、『時代の空気』を作り出した！！！」と攻撃されないようにするために論じていたんだよ（どや顔）。

いや、もし佐高さんが、「たしかに私が靖国に放火してもいいんだという『時代の空気』を作ってしまった。私はこれらの放火事件（2011年にもあった）、放火未遂事件に責任がある」ということなら、賛成はしないが首尾一貫性は認めるが。