旗振り通信の実験では、山の緑を背景にした状態で赤い旗を使うと、向いの山から視認できなくなった(緑色に同化するらしい)ので、遭難時のためにお薦めされてる赤色の服も過信はしない方が良いかもしれないです。https://t.co/f27w4UCLV9
— 巫俊(ふしゅん) (@fushunia) January 19, 2022
江戸時代から大正時代まで、米相場を通信するために使用されてた「旗振り通信」は、背景によって赤い旗と白い旗を使い分けることで、新幹線より速い速度で大阪・江戸間に高速通信を送ってました。高速化が可能になったのはオランダから伝来した望遠鏡を使ったからです。
— 巫俊(ふしゅん) (@fushunia) 2022年1月19日
旗振り通信は、相場の変動で利益を得る商人が組織してたもので、大坂などで高騰した米相場を他の商人より先にキャッチすることで、地方の相場が変わる前の安いうちに米を買い占めることが目的でした。
— 巫俊(ふしゅん) (@fushunia) 2022年1月19日
当初は非合法の存在で、幕府が禁令を出して取り締まってもいましたが、利潤が大きいためにネットワーク化が進んでいて、幕末に兵庫沖に出現した英仏蘭の軍艦を、旗振り師がいち早く京都所司代に通報したことから、禁を解かれたとされてます。同業者が山にひそんでて旗の情報を盗んだりとかもありました
— 巫俊(ふしゅん) (@fushunia) 2022年1月19日
うちの近所の山々にも「相場山」「旗が峯」「旗振り台」なんて名前が残ってますね@岡山 https://t.co/CfuzGPsPnI
— お猿さん@轟驫麤 (@mamachari3_Jpn) 2022年1月20日
連ツイを書いた人の自己プロフィールはシンプルだが,面白情報が多いのでフォローをお勧めする。
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旗に限らず狼煙のリレーとか、理屈は分かるんだけど、見逃したりの失敗とかないんだろうか。狼煙とか、どこかが凄い強風で煙を出しても飛んで見えなくなったりとか……でも「新幹線以上に早い」ってのはすごいね。
世の中、リアルタイムで情報を知ることができるかどうかは、やはり戦争となるとまるで意味が違ってくる。
逃げ上手の若君解説ページで本郷和人氏が言ってたが、片方に無線あり、片方に無線無しで模擬戦争をやってみたところ、無線無しが数倍の兵力でも、無線有に勝てないとか…
無線に先立つ「電信」が、ちょうど南北戦争のころに戦争でも使われるようになり、日本では西南戦争の際に活躍した、つうことでいいのかな。
それが無い時は「伝書鳩」ってすごく強力な軍事兵器だったんだろうね
m-dojo.hatenadiary.com
無理に使われるとあざといが、けっこう泣かせる話が多い。文中に出した筒井康隆の作品、分かる人がいたら。 / “軍用伝書鳩、68年目の「任務完了」/「やり残したことをXX年後に達成」の物語を思い出してみる - 見えない道場本舗” http://t.co/aUVx2iGC
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) December 30, 2012
(´・ω・`)「朝日新聞社が伝書鳩の飼育をやめたのは昭和36年5月。屋上の鳩舎にいた約200羽は、その月のバードウィークに都内や近県の希望者に無料で配った。」
— king-biscuit (@kingbiscuitSIU) July 18, 2014
@tsundokulib @kingbiscuitSIU 新聞社の伝書鳩は文春新書の「伝書鳩-もう一つのIT」に詳しいですね。「事件記者」のドラマのオープニングも伝書鳩がパァッと飛ぶシーンがありましたね
— いなばさがみ (@bannai07) 2014年7月18日
世の中、無線もない時代だと、恐らく2000年か3000年ほどは、伝書鳩がもっとも早くて遠方から届く通信手段だったんだろうなあ。もし伝書鳩のある文明と無い文明が闘ったら、前者が圧倒するレベル。@bannai07 @tsundokulib @kingbiscuitSIU
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2014年7月18日
“移動鳩の実録や訓練法等は、古い書籍でのみ、かいま見ることができる。しかし現在では、その高度な技術やノウハウは殆ど失われてしまった。”
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) June 24, 2015
ロストテクノロジーなのか。
伝書鳩がある文明が、無い文明と対峙したら「ゲート」の自衛隊並みに圧勝だろうな。数百キロ先の軍隊の動きが1日で伝わってしまう。知らない側にとっては、ほとんど魔法のようなものだ。@MyoyoShinnyo
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2015年6月25日
もう古代エジプトやシュメールでは使われたんだって。パピルスならともかく、粘土板を足につけてたりとか(笑)?ないない
にしても、考えたやつ天才。日本には江戸期、やはり米相場関連で使われたとか……
ja.wikipedia.org
異世界ものでも、戦争の仕方が変わってくるので「無線」相当の通信手段を、魔法で代用する例が多々見られる。
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逆に、無線電信の情報の早さを逆手に取った人為的なタイムラグを起こして、それで儲けようという1930年代の詐欺師が、某アカデミー賞獲得映画「S(イニシャルのみ紹介)」に出てきた(※正式にはその狙いは二転三転する)
話し戻して、とにかく旗の情報をリレー形式で伝えて、「江戸の高速通信」を実現したわけだけど、そういえばこれも江戸期っちゃあ江戸期か!フランスでは「腕木通信」なるものがあったそうで。「ナポレオン獅子の時代」で知った。
1793年にフランスでクロード・シャップによって発明された。シャップは機構開発に当たり、腕木機構の複雑な動作を可能とするために天才的な時計師、アブラアム=ルイ・ブレゲの協力を得ている。
原理は大型の手旗信号とも言える方式で、腕木と呼ばれる数メートルの3本の棒を組み合わせた構造物をロープ操作で動かし、この腕木を別の基地局から望遠鏡を用いて確認することで情報を伝達した。夜間には腕木の端部や関節部に灯りをともして信号を送ることも試みられたという。
原始的な方式ながらも伝達速度は意外に速く、1分間に80km以上の速度で信号伝達された。また、腕木の組み合わせによってそれ以前から存在した手旗信号よりも精密かつ多彩なパターンの信号を送信できるため、短い文書を送れるだけの通信能力があり、基地局整備によって数百km先まで情報伝達することができた。シャップの考案した1799年以降の改良型では腕木だけで92パターンの動作を示すことができ、理論上は2つの符号を送ることで92の2乗の8,464パターンを形容できた。しかもブレゲの着想により、腕木を操作する信号手手元の操作レバーと、塔屋上の腕木は相似形で、てことロープの動きで自在な操作ができた。
シャップの提案に対し、当初はその有効性に疑念が抱かれたが、1793年7月にパリ近郊3地点25kmの間で実施された公開試験では28語を11分で伝送して可能性の高さを示した。フランス革命期に政治家としても活躍した軍人・科学者のラザール・カルノーの後押しで通信網整備が開始され、ほどなく軍事上の価値を認められて急速な整備が開始された。フランス革命期からナポレオン時代にかけ、フランス国内で総延長600kmが整備された。ナポレオンも腕木通信の活用に熱心で、国内を中心とする幹線通信網の整備に取り組んだ。この結果、1819年の記録によれば、フランス国内を縦断する551kmのルート(パリ・ブレスト間)を通じ、8分間で情報伝達することを可能にしたという。
モンテクリスト伯にも出て来るそうで
流転
腕木通信はデュマの「モンテクリスト伯」に結構重要な小道具としでてきますね、通信員を買収して債券市場に混乱を起こさせるシーンが印象的でした
ふむ、ニセの情報か…現実にものろし台などを奇襲して制圧、信号を途絶させたりニセの狼煙を流してウラをかいたりってのもあったのかな。
しかし、腕木通信…こんなもん現実主義の勇者だか天才の王子だかが、異世界でその国に導入したら無敵じゃん。(しかしまどろっこしいから、だから魔法で無線や電話を代行するほうが小説的には書きやすい。現実の事例も使えるし)
というわけで、電信・無線時代前に「いちはやく情報を入手する」「情報を広く拡散する」ための工夫や制度って、個人的にもすごく好きな話題です。
近くに「相場山」とかがあったら、ロマンを感じてください。(了)