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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「生涯一度でも棄権した人間は、それ以降は一切の政治的発言をするんじゃねえよ」という議論を考えてみました。

これは再論なんだけどね。基本、タイトル通り。
『選挙権を得てから、地方選挙を含めてどの選挙でも一回でも棄権したことがある人(※温情で病気や事故など、やむをえざる理由がある人はゆるす)は、それ以降、政治を語る資格は(法的にはともかく、倫理的・道徳的には)一切無い。』

と、いうこと。




これは別に、根本のところはよくある議論。たとえば小沢一郎氏も言ってる

「棄権者は全面信任だ。それをしたひとは政治に物申す資格が無い」という議論がある。政治家本人ですら言っている。

 民主党小沢一郎代表代行が高知市内で街頭演説し、「皆さん自身の一票一票で、皆さんの政府をつくることが出来るというのが民主主義の仕組みだ。自民党に投票しておいて、今の政治に文句を言う資格はありません。また、自分が投票に行ったってどうせ変わらないと、棄権している人たちにも今の政治に文句を言う資格はないんです」。

www.asahi.com

最初の黒字部分も、法哲学的にかなりの問題発言なのだが、後者のほうもまた剣呑ではある。


ちょっとSNSで検索してみるか。
twitter.com


これを、ちょっと厳格化しただけ。
なんでこんなことを語るかと言うと、こういう倫理基準を作れば「自分にとっては有利」だからだ。

『棄権した人は、政治を語る資格はない』という議論は、論理的倫理的には間違っている…という話は、過去にいくつか書いた。
こちら参照
m-dojo.hatenadiary.com



だが…冒頭に書いた自分のことを振り返り、ふと思いついたのである。この意見、『自分にとっては』有利だな、と。
そして、一歩進めて(いや八歩ぐらいか…でも、すぐ近くにある議論だろう)、こういうテーゼを考えた。

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前もかいたけど、有名人では小田嶋隆呉智英東浩紀浅羽通明中森明夫押井守……らが、過去に棄権したと公言している。



さて、地方議会、地方首長の選挙なども合わせて、「選挙権を得てからこれまで、(急病などやむを得ざる状況を除き)一度も棄権をしていません」はどのくらいいるだろうか?さすがにはてなブックマーカーでは一人もいないよな?


結局これは、選挙というものに対しての「人工的な『神聖化』」なのだろう…というわけです

じゃあ何ゆえ選挙にはいくべきとされるのか
※1、2は(略)。興味ある人はリンク先参照


【3】・あと、世の中においては何かの公的な活動に対して「神聖なものである」という虚飾をまとわせなければいけないことは多い。
納税もそうだろうし、もし今徴兵制度があったらその徴兵もそうだろう。裁判員制度への参加も、国民保険の加入や保険料の負担、(各国の)国旗や国歌の尊重・・・・・

これらは、スムーズに行うために、ただ単にやりなさいと国が権力で命じるのにプラスして「すっごく神聖なものなんです。国民たるものやらなきゃいけないものなんです」というプロパガンダをしているのです。だからある意味、リンク先の方はこの国家の総力を挙げたプロパガンダに洗脳されておらず、こちらは洗脳されているのかもしれない(笑)。
よく、「適当な候補者がいないなら、白票であっても投票すべきだ」という意見がある。
これは「白票があると、ああ全候補者者が信頼されていないんだな、と反省を迫れるから」という論理的な帰結の末に投票する人もいるだろうが「候補者がいようといまいと、その『投票』をすること自体になにごとかの精神的な意味、神聖ななにかがあるんだ」という、宗教的感覚を持つ人もいるだろう。
そういえば最高裁裁判官の国民審査は、ぎゃくに分からんよという白票はイコール信任だっけ。
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そう、なんというか、棄権を減らすには、論理的に語るよりも(棄権してはいけないのかを論理で詰めるとぼろが出そうな…)、「なんか、とにかく神聖な行為なんだよ!投票というのは」「投票しないとばち当たる」「投票所には それはそれはキレイな女神様がいるんやでだから毎選挙で 投票したら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで 」
www.youtube.com

という”宗教的神聖化”に頼るしかないんじゃないか、ということですな。

その一環として「棄権した人は政治を語る(批判する)資格はない」というのはあっていいかもしれない。そして、その超厳格派、小乗選挙教??として「選挙権を得てから一回でも、その権利を行使しなかったものは、以降永久に政治を語る資格を失う」という、新教義を広めてもいいのではないか(いや、よくないよ)。

その反対の議論も抑えとく(笑)
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