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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

『「戦力の逐次投入は愚策」とか軍事を医療とかのアナロジーに使うな。てか、それ自体も19世紀の古い用兵思想』(「独ソ戦」著者・大木毅氏)

…緊急事態宣言発布や給付金交付の遅れをみては「戦力の逐次投入は愚策」と批判し、さらにはコロナ対策はウィルス相手の「戦争」であり、「戦略」を以て対さなければならぬと唱える。平和な日本のどこに、これほど多くの軍師が‥‥…(中略)右に挙げた「戦力の逐次投入は愚策」というようなアナロジーは、兵力の集中運用によって決戦に勝ち、戦争終結をもたらすといった十九世紀までのモデルにもとづくものであろう。だが、ウィルス相手の「決戦」など在るはずもない。どこかに持てる医療リソースのすべてを投入し、そこで感染を止めて終わりなどということは夢想でしかないのだ。余談ながら付言しておくと、用兵思想の研究においても、そうした「決戦」により戦争を終結させることは十九世紀後半以降困難になったという認識は、大方の一致するところである。

以上、

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

著者が語る。


※赤木毅/大木毅は、ジャンルによって使い分けているとのこと
https://twitter.com/akagitsuyoshitwitter.com



ひとつだけ「逐次投入」が当てはまるとするなら、指数関数的に増えるウイルスは、ある時期に集中してかなり厳しい隔離を行ったほうが、緩やかな隔離を長期にわたって行うより効果的で、そのために様々な資源を集中的に行うことが結果的に犠牲も少ない…という主張がある。「逐次投入を避ける」というアナロジーに関しては、まあそこに関して言えばセーフかもしれぬ。