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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

E・P・ミッチェルー透明人間や時間旅行を『ウエルズより先に』書いた男がいた【創作系譜論】

お馴染み、カスガさんのツイートから。
同氏のプロフィル
twitter.com
過去の活躍
togetter.com


※「創作系譜論」は一種の準タグです。この言葉で検索すると関連の記事が見つかります




自分のSF史的な知識(というかSFへの興味そのもの)は筒井康隆が書いた永遠の名著「SF教室」によるものが多い。

筒井康隆コレクションI 48億の妄想

筒井康隆コレクションI 48億の妄想

  • 作者:筒井康隆
  • 発売日: 2014/11/30
  • メディア: 単行本

だが、その本でもはっきり「タイムマシン、透明人間、マッドサイエンティスト、反重力物質、星と星の衝突など、今に受け継がれるアイデアをH・G・ウエルズは次々と創案した功労者」みたいな話を描いていた。

実際、タイムマシンも宇宙戦争も、今読んでも面白い作品だから文句ない。宇宙戦争、映画にもなったし、いまコミック化の真っ最中だし。

宇宙戦争 1 (ビームコミックス)

宇宙戦争 1 (ビームコミックス)

宇宙戦争 (吹替版)

宇宙戦争 (吹替版)

  • 発売日: 2015/09/21
  • メディア: Prime Video
宇宙戦争 (創元SF文庫)

宇宙戦争 (創元SF文庫)

宇宙戦争 2 (ビームコミックス)

宇宙戦争 2 (ビームコミックス)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

透明人間 [完訳版] (偕成社文庫)

モロー博士の島

モロー博士の島


で、あったとしても。
それより先に、そういうアイデアで小説を書いた人がいた、というのは、あまりにもすごいことだ。
イデア自身は、別に権利で保護されるわけではないのです。そしてすぐれたアイデアやガジェットは、そもそも追随者がいたからこそ「ジャンル」になるのです(これがとり・みき先生が提唱した「ジャングル大帝ものの法則」だ。)
それでも、先に考えた人が報われないのはちょっとつらい。
「ゾンビを捕獲する公務員がいる」というアイデアを先に漫画に描いていたのに、原作扱いされずにアイデア拝借のドラマがつくられた、とかどころではないのだ。
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しかし、昔だったらこの人について調べることも不可能だったろうけど、いまはすごい。ウィキペディアの日本語項目はないみたい(英語は存在)だけど、いくつかのページがある。
dic.pixiv.net

en.wikipedia.org

stonewashersjournal.com

彼は1927年に亡くなり、長らく存在すら知られていなかった作家でしたが、それから半世紀近くを経た1973年に『The Sun』紙に掲載された彼の作品が一冊の本にまとめられました。埋もれていた彼の業績はそこでようやく人々の知るところになり、今日ではSF小説の先駆者の一人として知られています。

E・P・ミッチェルの作品について
彼の作品に際立つものは、その卓抜した先見性です。1881年に発表した『The Clock that Went Backward』では、H.G.ウェルズの『タイムマシン』に先んじてタイムスリップをする機械について書いている上に、同じく1881年に発表された『The Crystal Man』では、これまたH.G.ウェルズの『透明人間』よりも先に、科学の力で透明になる人間の話が書かれています。H.G.ウェルズが、『The Sun』誌の彼の作品を見て着想したと言われても誰も疑いはしないでしょう。

他にも1879年の『The Ablest Man in the World』ではサイボーグを、1877年の『The Man without a Body』ではテレポーテーションを扱っています。1879年に発表した作品『The Senator’s Daughter』で、彼は1937年の60年後の未来を描き、作中では電気ヒーター、FAX、コールドスリープ、国際放送などの登場が予言されており、彼が如何に先進的なSF作家であったかが理解できます。

読み捨てられたり、無署名記事だったり、本人が作家としてではなく、編集者としてその後を歩み、自分の作品の再評価に恐らく興味がなかった……という事情があるらしく、別にウエルズがパクったわけでもないらしい。

H・G・ウェルズが各種の「元祖」扱いされるのは、第二世代の有力者が彼を「開祖・神様」扱いしたから??

なぜに、ウエルズが透明人間や時間旅行の「創始者」あつかいなのかといえば
手塚治虫が漫画の神様と言われるのは、藤子不二雄がリスペクトし「まんが道」を書いたから、というのと似た構図があるらしい。
togetter.com

これも「すごく先進的に、未来の科学技術を予測した(かなり多くが現実に登場した)」ことで知られる(作品自体はあまり評価されてないかも…)ガーンズパックというひとが、とくにウエルズ愛好者で、その時点でひと昔前の作品だったウェルズSFを再録した、ということもあるようだ。





ではあるが、けっきょく評価とか顕彰とかは他人が、自己満足でやるものだ。
これだけの業績をあげた、「栄光なき天才」であるE・P・ミッチェル、皆さん覚えて持ち帰ってください。

余談 はてなtwitterを埋め込むと、リプ形式の場合リプ元が「必ず」表示される形式をなんとかしておくれ。

並べると、連続して読むのが妨害されるんじゃー。

自分は、…複数にわたるツイートを埋め込んで、連続して読ませたいんですよ。だが、リプ形式のツイートはリプ元を表示する親切設計のせいで、かえって連ツイを読ませにくくなっているんです。
決して、元の形式がダメなんじゃなくて、それが便利の時もある。できれば、「リプ先を表示しますか?」を選択できればと思う。
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