まず、最初はその議論をtogetter的に読んでもらうとしよう。
何度も言いますが、ライトノベルなどのエンタメ小説の過去作品が、気軽に手に取れる環境は大切だと思うのです。新刊書店で手に取れるのが一番ですが難しいですよね。なので古本屋が踏ん張ります。量と質を整えて、魅力を発信する。そのことで少しでもラノベの過去作品が手に取りやすくなればいいなあ。 pic.twitter.com/9msPyh3BrW
— 大吉堂(10代の心を刺激する古本屋) (@toyritz) 2020年11月7日
と同時に旧名作のどこが名作かを語り継ぐことが必要なんですよ。諸々の作品は継承の上にあるんですが、なぜ名作がリスペクトされていたのかは、忘れられがちなので。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月9日
そして出来るならそうした再評価を、実作者である小説家やクリエイターがやってくれると、作品って忘れられないんですよ。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月9日
旧名作をただの懐古趣味で扱いたくないです。僕は若いころ、お気に入りの作家さんが過去に読んできた本について書かれているものを読み、夢中になって追いかけて楽しみました。それこそ古本屋で必死に探しました。その楽しさや喜びを、今の若い人にも伝えたいです。そして旧名作が復刊されますように。
— 大吉堂(10代の心を刺激する古本屋) (@toyritz) 2020年11月9日
私は昔から、作品巻末の解説やあとがきで、その作家が勧めておられる本を覚え、探して読むという事をしておりました。自分が好きになった本の作者が影響を受けた本なら間違いないだろうという思いもありました。
— 重田龍佑/水波流(ARTCOMPLEX) (@ryu_minami) 2020年11月9日
SF小説では今でもスタンダードな手法ですが、他のジャンルだとどうなんでしょうか……。
ミステリでそれをやっていまして、膨大な過去作品の中から読むものを選ぶ切っ掛けにしていました。
— 大吉堂(10代の心を刺激する古本屋) (@toyritz) 2020年11月9日
そうです。新本格ブームの時にミステリ作家の方々がそうしたことに積極的でしたね。ミステリやSFの傑作が読まれるようにライトノベルや少女小説の傑作が読まれ続けていくようになれば良いなぁと思います。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月9日
ミステリでそれをやっていまして、膨大な過去作品の中から読むものを選ぶ切っ掛けにしていました。
— 大吉堂(10代の心を刺激する古本屋) (@toyritz) 2020年11月9日
考えてみれば、ライトノベルでは作家が自身の身近なことを語って読者との距離を近くするような後書きは多くても、作品の創作や相互の影響について語られる解説は付かないので、過去の名作を辿りにくいと言うのはあるかも知れない。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月9日
SFやミステリは系譜や前提作品が多いので、作者や解説者が本作が何に連なるのかをわかりやすくする意図でも書いてくれたのでしょうが、ライトノベルではその必要性は薄いですものね。作者が影響を受けた古典作品を巻末で(参考資料の羅列ではなく言葉で)書いてくれると読むきっかけは増えそうですね。
— 重田龍佑/水波流(ARTCOMPLEX) (@ryu_minami) 2020年11月9日
ライトノベル本体に組み込むことが難しければ、ネットや雑誌(今は専門誌少ないですが)などの作家インタビュー記事で紹介してくれるのもいいと思うのです。でも作品を読んだ時に、その流れでたまたま目にするから心に留まることも多く、わざわざ読むのとは違うかもしれません。
— 大吉堂(10代の心を刺激する古本屋) (@toyritz) 2020年11月9日
『ライトノベル完全読本』で、作家の方から評判の良かった記事の一つがこちらなんですよね。他の作家が何に影響を受けたのかわかったとか。こういうのをもっとネットに拡散して広げる必要はあるなと思いました。 pic.twitter.com/hSKNiQM1y5
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月10日
「BSマンガ夜話」は
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2020年11月9日
番組内容としても非常に質が高かったが、「ああいう『枠』が継承されるべきだった…今の漫画やエンタメ雑誌の中で、古典の映画や漫画を紹介・啓蒙するコーナーが設置されるべき(ビッグコミックやアクションで、そういうコラムが最近設置されていました)https://t.co/srHuG75qqY
素晴らしい! SW外伝のマンダロリアンが大傑作なのですが、それはSW789が旧作の表面を真似してるだけに対して、旧作の素となった西部劇や時代劇の傑作群を参照&リスペクトして作劇されてるからなんですよ。精髄を受け継いでるのです。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月9日
そういえば、「上の世代の漫画に若者が興味を持つか?」論だけど。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月8日
こうやって幼児の頃に、友達の家の親や兄姉が持ってたりして読んだりするじゃないですか。でもその頃には財力がなくて自分では買えない。
そういうのって、バイトとかして財力が充実し始めた頃に買い漁ったりしませんか?僕はした!
18、9あたりで大学に入りバイトもして動かせるお金が格段に上がった後にやっと『火の鳥』『ブラック・ジャック』などの手塚治虫作品や『バビル2世』、あと『釣りキチ三平』『銀河鉄道999』『ルパン三世』とかもかな。多分上の世代が読んだような本買いあさりましたね!ちょうど文庫で出たりしてたし。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月8日
1stガンダムや1stヤマトちゃんと見れたのもこの時期だよ。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月8日
(ビデオレンタルでTVシリーズが見れるようになったのがこの時期だったのもあるけど。)
周りもそうだったのか、大学の同級生でちょっとした1stガンダムブームになったな。(世代としてはF91やポケ戦世代なんだけど)
お話の流れの、関連資料として。
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2020年11月9日
漫画の”古典”は継承されるか?(正・続)https://t.co/IfT3hcQSQQhttps://t.co/wTq8J95XGE
あ、これ以前読みましたねw
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
ガンダムは小学生の頃、早朝に再放送がやってましてね。
— あてるい (@tamonokouaterui) 2020年11月8日
頑張って起きて見ました(笑)
小学生の頃は僕はガンダムの再放送とタイミングが合わなかったなあ…w
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
私にとっては、「ウルトラQ」などがそれに当たりますね。最近は図書館や大学などでサブカルチャーの古典が見られますが、昔はそう言うことができなかったから。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月11日
今は配信なども充実しましたし、遡りやすくなりましたよね。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月11日
本当にそのとおりです。ただ逆に解説の量が減っている気はしますね、そこはなんとかしないと。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月11日
友達の親兄姉の影響もありますが、市の図書館と中学校の図書室になぜか手塚治虫始め昔の漫画が充実していてので休み時間によく読んだ体験の方が大きいです。
— サボテン好き (@shintenthi) 2020年11月9日
もちろんバイトで自由にできるお金が増えたらちょいちょい買うようになりました。
床屋でゴルゴ、ラーメン屋でドラゴンボールというのが昭和平成キッズの「大人の階段」だったわけだが、令和になってそういう空間も廃れていくのだろうかなあ、と電子書籍をスワイプしながら暮れる夜。
— |Lε: )_ (・ω・;) (@HideSim) 2020年11月8日
( ´ω`)y―~~~ https://t.co/2J8jdIV5wq
電子書籍サブスク(Kindle Unlimitedとか)などで親が入っててタブレット開放してれば、接する機会も出てくるでしょうが…。アニメはそんな感じで見られてるっぽいですよね。あとYouTubeとかで。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
まあ、子供にはタダで見れる機会を作らなきゃだめですよね。 https://t.co/vAiRdpaiCN
横から失礼いたします。
— 過食弁 (@juntaba1) 2020年11月9日
アンリミテッドならアバンチュリエいつでもDLできるのですが、娘に手に取って欲しいと思って紙で1~10まで買って置いておいたところ、「やっぱりホームズよりルパンがカッコいいね!」という小学校2年生に育ちました。
おおお!嬉しいです!
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
(ホームズファンごめんなさい!w)
アバンチュリエは一応青年誌仕様ではありますが、子供が背伸びして読めますよね。僕が子供の頃でも食らいついたと思います。(実際ポプラ社のはハマりまくったので)https://t.co/MUecRfvSFs
購読、読書の履歴を個別に管理できる機能がないと、子供に解放するのは躊躇してしまいます。アバンチュリエは最初Kindleで買い始めてたけど、販路拡大を機にiBooksで買い直しました。
— maru masa (@Jelly_Bird_) 2020年11月9日
街頭テレビみたいなのが廃れても、儂ら子供の頃は電気屋の店頭でテレビ観てましたから街頭タブレットみたいな仕掛けが必要?
— エス・ペリカン (@skanpeli) 2020年11月9日
自分も「めぞん一刻」「うる星やつら」がまさに『親の本棚にあったから読んだ』のですが、今思うと本当に感謝な事だったなと思います。いま実家には自分たちで集めたマンガをたくさん置かれてますが、兄に子どもができたら文化的英才教育になると気づいたので放置することにしてます!(
— いつかみ聖書解説、時々、蛇イさん (@LampMate) 2020年11月9日
良いですね!
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
電子も共有できたらなあ。
家族共有くらいはokしても良いと思うんですけどねw
そうですよね、現状の電子書籍は『次世代への受け継ぎ』はネックですよね…(家族共有は、そう、全然OKだと思います…!)あー、これからはそういう方向性のサービスも現れ始めるのかなぁ………。
— いつかみ聖書解説、時々、蛇イさん (@LampMate) 2020年11月9日
(森田先生のルパン作品がまさしく世代を超えて読み継いでいくのに適した作品だと思います~!)
ありがとうございます!
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
まさしくそういう狙いでなんとかしたいのですが…!(笑)
家は本なら買ってやると、幼稚園の頃に「ドクタースランプ」を買って貰っていました。
— コウ@皆ありがとう☺️❣️ (@Kou_cosxx) 2020年11月8日
写植忘れの漢字見て「家」という漢字を覚えた記憶w
Dr.スランプは僕も買ってもらえて。多分リアルタイムで買えた最初の作品かなーと思いますねw
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
応援してます!
— コウ@皆ありがとう☺️❣️ (@Kou_cosxx) 2020年11月9日
もう散々考えられていますが、電子書籍で子供が楽しめる環境がもっと普及してくれればなぁ……
ですねえ。
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813』篇連載中❗️ (@TAK_MORITA) 2020年11月9日
YouTubeのアバンチュリエ、子どもたちに気がついてもらえないかなあと期待してますwhttps://t.co/yUxd8rKVKV
www.youtube.com
このあたり、本当は新聞社などの報道機関が積極的にやってほしいんですよね。ネット連載&単行本&イベントと展覧会でまとめると収益化できると思うだけれども……。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月11日
それっぽい連載をやっているところもありましたね。
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2020年11月11日
ダヴィンチはかつて呉智英氏が、旬のマンガ(古典マンガも含む)と、文学や学問の古典を共通のテーマでくくって一緒に紹介する、という人気連載を持っていましたが…https://t.co/1heL6mLU4o
そうですね。呉さんのような知識人をオブザーバーに迎えつつ、そろそろインタビューを取っておかねばならぬ大御所からの色んな記録を取らないと。箱物も重要だけど、そうしたオーラルヒストリーなども含めて集めたいんだよなぁ。
— nakatsu_s (@nakatsu_s) 2020年11月12日
漫画は日本の伝統文化としてきちんと向かい合う席が欲しいですね。
— コウ@皆ありがとう☺️❣️ (@Kou_cosxx) 2020年11月12日
テレビ等でも扱われてはいますが、どうにもサブカル臭が抜け切れない。
海外からの視点が援護射撃になってくれるのは期待です。漫画が起こした功績は様々ですが、決して小さいものではありませんしね。
- 作者:呉 智英
- メディア: 単行本
- 作者:呉 智英
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:呉 智英
- 発売日: 2007/05/30
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- 作者:呉 智英
- メディア: 単行本
途中からもリンクは伸びているけど、あらためて関連の過去togetter
社の同僚に「『ポーの一族』を知っているか?」と聞いて回るも、30~40代(女性含む)が軒並み「知りません」。「ベルばら」は知ってるのですよ。やっぱりね、文化伝承の要は二次創作だと痛感するのですよ>宝塚花組「ポーの一族」完璧な再現 明日海りお熱演 https://t.co/IyMmyc45yR
— 丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu (@tanji_y) 2018年2月3日
マンガ史の授業、学生が「知っている」マンガとの接続が図れるのかに腐心するが、年々厳しくなっている。手塚はまだ読んでる学生がいるが、石森はほぼ無理。仮面ライダーの名を使うくらいしか方法がない。赤塚も難しい。『おそ松さん』が使えるのはあと二、三年か。藤子はF先生のみかもしれない。
— 伊藤 剛 (@GoITO) 2018年5月27日
その過去まとめでも、今回でも語っている、当方の持論は
『今の漫画やエンタメ雑誌の中で、古典の映画や漫画を紹介・啓蒙するコーナーが設置されるべき(ビッグコミックやアクションで、そういうコラムが最近設置されていました)』
これは何かというと……
ホイチョイプロダクションがビッグコミックで今年5~月のあいだに連載していた「〇〇見るならこの1本」。
ビッグコミックの10号からホイチョイプロダクションズの映画コラムが始まったから、みんな読んでくれるといいと思うよ。
— ミノハラケイスケ (@Nohara_Kei) 2019年5月10日
内容は、今さらどれを見ればいいのかわからない多作シリーズ映画の中のオススメの1本です。 pic.twitter.com/r77LDGx5eI
#ビッグコミック で始まった #ホイチョイ の新連載『○○ならこの1本』が面白い。映画の人気長編シリーズのなかから「この1本」を選んでオススメ。どれもフラットになってる配信時代ならでは、のコンテンツ。初心者が入りにくい人気大長編シリーズの入口を優しく教えてくれる。 pic.twitter.com/mRQ7uE6gZv
— 菊地(昭和55年生まれ) (@satoshi198006) 2019年5月26日
ビッグコミックの◯◯ならこの1本も最終回。最後はホイチョイが選ぶベスト・オブ・ベスト! なんたって今回は、馬場監督の語る映画評論考が珠玉。荻昌弘サンや双葉十三郎サンらを引き合いに、本当に面白い映画を語る評論とは?を論じてる。結局、この連載はこのコラムを書くためだったんだよね。ぜひ。 pic.twitter.com/3Sb4Si0j1V
— 指南役 (@cynanyc) 2020年9月16日
岩崎夏海氏が2019年ごろに漫画アクションで連載していた「紙風」(なぜ漫画アクションには紙風が吹くのか?)
モンキーパンチ先生、、、ちょうど岩崎夏海の「なぜ漫画アクションには神風が吹くのか?」読んでたとこ。〝ルパン三世には「余白がある」〟なるほど、、、 pic.twitter.com/VMYDrkeeFt
— マチロー (@MachirouMichida) 2019年4月16日
ちょうど今出てる漫画アクション今号で、岩崎夏海さんが「『ルパン三世最大の矛盾とは?」と題しエッセイを書かれてました。簡単に言えば漫画ルパンが大成功しなかったのは余白があったからで、そのためアニメの世界で、自分ならこうするという創造の余地を与えたのではということでした。
— やずみけんすけ (@Kensuke_Yazumi) 2019年4月16日
過去まとめで当方が紹介していたのは夢枕獏の鼎談風単行本「ガキのころから漫画まんがマンガ」。
- 作者:夢枕 獏
- メディア: 単行本
岩崎氏とかホイチョイとかは、拒否反応や否定的なイメージを持つ方も多いかもだけど、読んだ限りでは両方とも面白いし、過去の名作を手に取ろうかと思わせる紹介の役目をはたしていたですよ。
そう、漫画とかだと特に自社製品を売ることに直結するわけだから、うちの過去シリーズにはこんなに面白い作品がある!若い皆さん、読んで!!買うて!かつてのファンも再読して!!!
は臆面もなくアピールすべきなんですわ。
そういう宣伝がないと、どんな過去の名作も埋もれていく。
少年マガジン、今では新シリーズがアフタヌーンで連載中の「もう、しませんから。」は、個人的にも読み飛ばしてた作品、今出ているのに知らなかった作品を紹介してくれて、読者にしてくれた。講談社的にも相当な経済効果をもたらす宣伝マンだと思うけど、これの「旧作・古典版」のコーナーがあってもいいってことです。
ただ「紹介者の名前で売る」ということなら、こういう専門家の専門コーナーもいいけど、いま旬のクリエイターがリレー形式的に「自分が好きだった」作品を紹介していく、というのがいいのではないか。このブログの読者も大好きな「創作の系譜、系統樹」を作るのにも役立つ。
上のまとめに収録した「カスガ」さんが、「1冊の本はすべての文学を内包する」という話をしている。ひとつにまとめる
カスガ @kasuga391
北沢楽天も岡本一平も麻生豊も大城のぼるも読まれなくなったのに、なんで手塚治虫や藤子・F・不二雄や石ノ森章太郎や赤塚不二夫だけが永遠に読んで貰えると思うのか。
もし手塚や藤子や石ノ森や赤塚だけは特別だと思うなら、それは単に現代の中高年が子供の頃に愛読した作家が彼らだったというだけの、身贔屓でしかない。
では、楽天も一平も麻生も大城も手塚も藤子も石ノ森も赤塚も、そして今後現れるであろう無数の漫画家たちの作品も、ただ時代の流れに乗って消えていくだけの虚しい徒花に過ぎなかったのかと言うと、そうではないと思う。
これについては筒井康隆氏が『巨船ベラス・レトラス』で、極めてSF作家的と言うか、興味深い見解を書いている。『巨船ベラス・レトラス』は架空の前衛雑誌ベラス・レトラスと、それを巡る作家たちのやりとりを通じて文学の存在意義や未来について語った小説で、その結末近くで登場人物のひとりが、古典が全く読まれなくなった現状を嘆き、「文学はこのまま失われていくのか」という疑問を述べる。
それに対して、別の登場人物はこう答える。
たとえ文学に無縁の人といえども、一冊の本を読めば、その一冊の作者は千冊の本を読んでいるだろうし、その千冊の本の作者もそれぞれ千冊の本を読んでいる筈だ。
いかなる作品もそういった過去からの継承の上に成り立っているのだから、現在存在する本はどんな一冊であろうと、過去のすべての文学作品を内包しているのである。
だからこそ、我々はそれまで縁のなかった古典に初めて触れたときにも、どこかで出会ったような懐かしさを覚え、古典など読んだことのない作家が書くものにさえ、古典の技法が含まれているのだ、と。
すなわち、すべての本は一冊の本であり、すべての作者はひとりの人間であり、古今東西のすべての作家は、一冊の本を書き続けているに過ぎないのである。
※このエントリへの感想的なツイートをいただいた。
そういや私が海外SFにハマったのも、小学生の頃にウォーロックで読んだ神月摩由璃氏のブックレビューがきっかけだった。
— カスガ (@kasuga391) 2020年11月11日
あれを読まなかったら『指輪物語』も『ゲド戦記』も『夏への扉』も目を通さなかっただろうし、海外SFやファンタジーとは無縁の人生を送っていたのではないかと思う。
第1回が確か『指輪物語』の紹介で、何が書いてあったかはもう忘れたが、「もし全文を『フロド可愛い♥』で埋めてたら規定原稿にぴったり収まった」というネタだけは今も憶えてる。
— カスガ (@kasuga391) 2020年11月11日
あと、Nikov氏の描く神月摩由璃嬢のイラストが妙にエロくて子供心にドキドキしたものよ。 pic.twitter.com/5ba05rhTm1
— カスガ (@kasuga391) 2020年11月11日
この話が、実例的にわかる挿話が、ある漫画になっている。
高橋留美子氏の紫綬褒章受章を受けて、カメントツ氏が高橋氏へのインタビューをした際の自作マンガを公開したやつだが……
togetter.com
カメントツの漫画ならず道 (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
- 作者:カメントツ
- 発売日: 2017/04/12
- メディア: コミック
カメントツの漫画ならず道 (2) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
- 作者:カメントツ
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: コミック
『高橋留美子が「どんなに好きか」をずっと熱く語れるのが、ちばてつや作品』・・・・・・こういうリレー、系譜論があると、やっぱり世代的にちばてつや作品は良く知らないよ、という人も手に取ってみたくなるんじゃないかい?
- 作者:ちば てつや
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: 単行本
- 発売日: 2013/10/18
- メディア: Kindle版
ということで、「文化の次世代への継承」を麗麗とかかげてでも「わが社の倉庫に眠ってる過去作、売り尽くしてやるゼぐへへ」的な商売っけ丸出しでもいいから「サブカルの古典作品(マンガ、ラノベ、アニメ、ゲーム、特撮…)を紹介するコーナー」が、一雑誌にかならず1コーナー載っている、そんなふうな形になることを願っています。
【創作系譜論】
※「創作系譜論」は準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます