INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「AIと冒涜」覚書メモ〜全ての実在人物を基にした『キャラ』と『物語』のために

美空ひばりAiの検証番組、一応見た。ひとことでいえば「好き嫌い」以上のものではなかった、ということ。嫌いなら嫌いでいい。

・ただ、何がどうなって「冒涜」かはわからん


美空ひばりAiが冒涜なら、「足利尊氏英雄論は後醍醐天皇やら日本国体への冒涜」、ぐらいだって成り立ちそうだ。


・上はジャンル違いとしても、たとえば隣接ジャンルとして、「初音ミクに人間向けに作られた歌を歌わせるのは、人間への冒涜」ぐらいは簡単にひねりだせるんじゃないか。
実際に初音ミク用オリジナル曲は別として、発売年以前に作られた楽曲はすべて、人間に歌ってもらうことを想定して作られたもんだろ。それをボーカロイドに歌わせるなんて冒涜で不気味じゃん。おっ、簡単に反ミク論成立した。


ビッグコミックに載っていたコラムで、この「Ai美空ひばりは冒涜」、という論は音楽家山下達郎氏、物書きでは武田砂鉄氏が語っていた、ってんで、後者の方を捜した
cakes.mu
というのがあるが、有料なのでパス。

こっちを見る。

miyearnzzlabo.com

(武田砂鉄)で、僕は去年……一昨年かな? 僕、メタル好きなんだけど、そのメタルバンドでハロウィンというバンドがいて、ドイツのバンドなんですけどね。そこのドラムの人が前に若くして亡くなってしまったんですけど、再結成をする時に「彼のことも思い出してほしい」っていうんでその彼がドラムソロをやってた音源に、今の現役のドラマーの人が音を合わせて、ちょっと合唱みたいな形で合わさるような形でドラムソロを披露するっていうように僕はさぞかし感動したんですよね。

それはなぜ感動したか?っていうと、その当時の死んでしまった彼の音はいじってないわけで。いじってない上に今のメンバーの音を重ね合わせていって、ひとつのハロウィンというバンドの歴史を象徴するっていうことをやる。そのプロジェクトがすごく素敵なことだなっていう風に思った

…さっぱり「こっちはOK、美空AIはNG」な理屈建てがわからん。どっちもあってもいいと個人的には思うが、たとえば「音を合わせるというのは、いま、そこにいる相手に合わせて、相手もそれに反応して、できれば練習の中で何度もコミュニケーションをとってやるのが本来の音。亡くなった人間の残した音源を再生して、あとから生きた人間が合わせるなんて冒涜だよ!!」ぐらいの議論は、AI美空ひばりと五分の論理として十分成り立つと思うが。



・過去記事
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com


・で、過去記事にも、というか一つ前、きのうの記事でも書いたが、これの本質はAiが冒涜とかそうじゃないかみたいな話というより、これを冒涜とするなら「物語の自由」「キャラクターの自由」が大幅に制限されますよ、という話。
正確には、実在した人物を「物語」や「キャラクター」として登場させるもろもろに関してだ。

上の記事では宮崎駿風立ちぬ」を挙げたが、たとえば荒俣宏帝都物語」や、梶原一騎劇画、あるいはもろもろの時代小説まで関係してくる、と思う次第。

天才 (幻冬舎文庫)

天才 (幻冬舎文庫)

高等小学校卒ながら類まれな金銭感覚と人心掌握術を武器に年若くして政界の要職を歴任。ついには日本列島改造論を引っ提げて総理大臣にまで伸し上がった田中角栄。「今太閤」「庶民宰相」と称され、国民の絶大な支持を得た男の知られざる素顔とは? 田中の金権政治を批判する急先鋒であった著者が、万感の思いを込めて描く希代の政治家の生涯。

帝都物語

帝都物語

  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: Prime Video

帝都物語 第壱番 (角川文庫)

帝都物語 第壱番 (角川文庫)


最果ての決闘者

最果ての決闘者

どこを読んでも絶体絶命。
「MOZU」シリーズの逢坂剛が放つ、究極のエンターテインメント!

新選組副長・土方歳三箱館で落命した――はずだった。頭部に銃弾を受け記憶を失った土方は〈内藤隼人〉と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともに米国西部へと渡った。
過酷な旅路、先住民との戦闘、そして隼人の命を狙う女ガンファイターと元・新選組隊士。
絶え間なく襲い来る危機を退け、失った記憶を取り戻せ!

内容紹介
27年間の冷凍睡眠から醒めた力道山が、ジャイアント馬場アントニオ猪木に命令した。「前田日明とセメントで闘いてえんだ。前座はおまえたちのシングルだ」於・東京ドーム。プロレス長編小説。
内容(「BOOK」データベースより)
仰天・プロレス和歌集。リングの上の怒り、哀しみ、ユーモア、ジェラシーをこめて、レスラーたちが和歌を読んだというのは嘘で、本当の作者は愛の仰天歌人夢枕獏。プロレスをこよなく愛する人々に贈るギャグ和歌集。

・てか、ご存知だと思うが、美空ひばりが亡くなったのは1989年、昨年が没30年だったわけだが、同じ年に「手塚治虫」が亡くなっている。
まったく同じ時期に手塚治虫AIという企画が組まれ、作品が送り出されたのは…さておくとしても、そうではなく「物語」の中で、手塚治虫が登場しては、作者の都合に合わせていろいろ語っててな。
ちゃんと記録や記憶に基づいた、歴史的存在としての手塚治虫再現は抜いてもいい。純然たるフィクションだけで、相当な数だ。というか、既に「手塚治虫登場オチ」がひとつのジャンルになっているような気までしている(笑)


いくつかは、名前や似顔絵などをあからさまに出してない、とかのエクスキューズがあるけど、それは猪木マスクを「アゴ」、明石家さんまマスクを「デッパ」で売るようなもんでな。
こんな似顔マスクまで…



美空ひばりは、あたかも生き返ったかのように売り出してるからけしからん!という話には
「実は、亡くなった人は生き返らないんですよ。その後に出された物語やキャラクターというのは、AIも含めて、作り手がその対象者に仮託して、送りだしているんです」ということを『受け手が』わきまえればいいか、と思う。そんだけ。





NHKは4月から「デジタルvsリアル」という、スペシャルのシリーズを開始

https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2020/02/008.pdf