はてブで数日前、話題でしたね。
togetter.com
そのブクマ
b.hatena.ne.jp
について感想を。
これはねえ…このイラストから「女性を殴りそう」と連想した人がまずあっぱれというかスゲーな、だけど、ただ理がある話ではありますわな。
なんでしたっけ、イラストにつけられた台詞。これはまあ、実際に女性に対して発言したら、と想像してみればわかるですが、『このあと何かが起こる』というキャッチコピーと合わせると、”少し、欺瞞的なアプローチを交えた性的な誘惑行為”を、少なくとも連想させ得るようなシチュエーションと考えてもおかしかないだろう。
そこから連想を発展させていけば、「暴力に至るかもしれない」、…そこまでは、かけ離れているようでそれほど距離はない。一歩間違えば、とはいわないが、2.5歩ぐらいか(笑)。
イラストは、そういう内容だったという部分は、それほど意見が分かれる話でもないと思う。
だから、ポリコレに反しているか、いないかでいえば、ポリコレ違反っすよね。これ。
おれにポリコレを語らせたらうるさい。
ただ。
重要なのは、もし、このイラストを描いた方の属性が言われている通りのものだとするなら、
『想像の世界では(この大前提は重要)、そういう形でのアプローチを男性からされることに、一寸した憧憬やロマンを抱く女性も存在するかもしれない』という、ま、そりゃそうだの話だ。
てゆーかそれ、「壁ドン」の時点で周知の事実やん。
これ、この前のハコヅメでやってましたやん。
ここから抜粋して再紹介ね。
m-dojo.hatenadiary.com
壁ドンを警察が「犯罪事実」として描写したら
…47号。解説するより、読めばわかる
あのイラストもすべて、「犯罪事実」として述べられそうじゃありませんか(笑)
そして、「壁ドン」はブームのときから、法律的、論理的に、要は合意なしでの脅迫的、強要的な何かじゃないか、とは言われてました。
そういう話もかいたことあるし、韓国の新聞は「猟奇的」とまで書いている(笑)
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そういうこともあるだろうね。
ただ、それだけなのだ。
それを咎めることもない。
これに関して、約30年前に、呉智英氏が端的に書いている。
そのまま読んでも広い意味で該当するかもしれないが、今回のイラストに合わせるには、「差別」を「欺瞞的、暴力的なものを含んだ性的アプローチ」あたりに単語変換してみてください。
…美であると否とにかかわらず、差別は差別なのだし、差別であると否とにかかわらず、美は美なのである。二つは別の価値観によるものなのだ。とすれば、二つの価値観による組み合わせは次の四つになる。
1:美しくて差別でないもの
2:美しくなくて差別でないもの
3:美しくて差別であるもの
4:美しくなくて差別であるもの。このうち最悪の組み合わせである4は特に擁護する値打ちはなく、 批判されても誰も反論はしないから議論が起きない。最善の組み合わせである1も誰も批判や糾弾はしないから議論が起きない。2も消極同士の組み合わせであるから目立つことがなくやはり議論は起きない。結局いつも3の「美しくて差別であるもの」だけに議論が起きる。
そのため124を含む四つの判断の組み合わせがあること、すなわち二つの価値観の並立こそが議論の本質だということが見えにくくなっているのだ…
あるいは同じ呉智英氏が…このブログではおなじみか、NHK衛星第一で超暴力的漫画「ワールド・イズ・マイン」を論じた時に、引用した本居宣長の言葉の変奏曲ともいえる。
それで一言言うとさ、突然BSから教育テレビに変わっちゃうけどさ(笑)。
これ暴力シーンさっきから出ているでしょ。良識家の人が「こういうのは…」とか言う。(略)大学でこういうのを扱うときもいってるんだけどね、こういう、ある意味けしからんマンガなわけですよ。そういうものをどう考えるかっていうときにね、ふつう言論の自由とか表現の自由なんて言うけど、俺ね、そういうバカなこと言いたくないから(笑)、いつもね俺、本居宣長のこういうのを引用するのね(笑)。
本居宣長の歌論、文化論ですね、うた論。
(歌の中には)
政のたすけとなる歌もあるべし、
身のいましめとなる歌もあるべし、
また国家の害ともなるべし、
身のわざわいともなるべしってんだよね。で、そういうものがあっても人間の真実が描かれているものは芸術であり文化であるって、本居宣長が言ってるんだよね。
m-dojo.hatenadiary.com※追記 原典に関する情報
https://b.hatena.ne.jp/entry/4680321040105233698/comment/nekomimistb.hatena.ne.jp
歌、がイラストであっても、同じこと。
ついでにいうと、イラストの対象が男女反転したとしても同じこと(笑)
現実の世界においては、法的、あるいは道徳的に不適切(な場合もあろう)。
それでも、想像や絵の世界で、「ちょっと悪いたくらみをもって、だますような形でアプローチをしてくるイケメンの男性って(´∀`人)ステキ!!!」と、女性が思って、それをイラストにして悪いことがあろうか。何もない。
※ここで「男性」「女性」としたのは、例に挙げた実例が実際そうだった、というだけで、LGBTその他もろもろを排除する意味ではありません。そちらにも当てはめて結構です。以上、補足。
ついでにいえば、少なくとも俺は、イラストそのものには、基本的に興味がない(笑)
……私は約束しましょう。水も漏らさぬ約束です。
明日も太陽は昇るでしょうし、あなたのティーンエイジャーの娘はすべてを知ったような顔で反抗してくるでしょう。明日、住宅ローンが増えることはありませんし、皮膚病になったり、湿疹ができたりもしません。布団の中からカエルが現れたりもしません。明日も世界はいつものように回り続けます。だから、大騒ぎするのはやめましょう。このイラストは関係がある人には素晴らしいものですが、関係ない人にはただ、今までどおりの人生が続くだけです。
もちろん、嫌いな人はこのイラストが嫌いでいいんだわ。それ、大前提。
ただ、「そういう異性に憧れる」という反ポリコレ認定な趣味、好きの傾向がある女性もいて、実際にそういうイラストを描いていた……というだけで、資料としてここに残す価値がある。で、残しておいた。
以上です。