一つ前の記事とおなじく、さるところで伺った話。
もう9年前の話だけど、こんな記事を書きました。
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これは、
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の「とんでもないやつ」にも関連している。
つまり、貨幣の幻想性というか、虚構性と言うか、そういうフィクションでありながら、それでも実効性を持つという不思議さ…
そんな話の中から、
『いや、実は谷崎潤一郎の「小さな王国」という短編は、まさにそういう話を描いているんだ。ひょっとしたらそのオバQの話は、藤子さんが谷崎を読んでいて、その話が元ネタになっているかもしれない』という。
えええっ!!!!
自分は、谷崎潤一郎は守備範囲外。
2016年正月、谷崎潤一郎と江戸川乱歩が一緒に人類共通財産、パブリックドメインになったときも「祝江戸川乱歩パブリックドメイン化!そして正直、谷崎はどうでもいい」と、ド失礼かつ正直なこと書いてた(笑)
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乱歩はこんな動画も作ったのだっけ。
www.youtube.com
だが、「そういう話」を書いている、となるとがぜん興味がわく。
実はそういうわけで谷崎潤一郎は、もはやパブリックドメインなのだが…
惜しい!「小さな王国」は、今後UP予定には入っているけど、まだまだのようだ。
もっとも、国会図書館デジタルコレクションで画像としては見られる。大いに便利とはいかないが、読めなくはない。
dl.ndl.go.jp
そして、ここでネタバレではあるが、あらすじを紹介している記事がある。これはこれでとても有用だ。
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…貝島がM市に来てからちょうど二年目の春のことでした。四月の学期の変わりめから貝島の受け持っている尋常五年級へ新入生が入りました。
名前を沼倉庄吉といいます。
近頃M市の一郭に建てられた製紙工場で働きに、東京からやってきて職工の息子です。
裕福な家の子供ではないことは、顔立ちや垢じみた服装から見てもあきらかでした。
顔の四角な、色の黒い…(後略)
それらで内容を把握した感想は……たしかにこれは、オバQで描かれた「お金ごっこ」話の原型、元ネタ説もうなずけるけど、ただ、貨幣の幻想性を描くという以上に、「ごっこ遊び、噂、情報、デマなどが暴走していく」という、個人的に好きな一連のジャンル(※ジャンルなんだけど、何のジャンル?と定義するのが難しくていつも苦労しているんだ)の中の傑作だ、と思えたのでした。そして、そもそも貨幣論自体が、その大きなテーマの中に含まれている、細分化されたジャンルなのだ!というふうに、自分で納得したのであったのでした。
過去にこのへんは知恵を絞って、一覧化的な試みをしているのだけど、
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ためしに「ちいさな王国」を知ったうえで
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とかを見てごらんなさい。
青空文庫への収録を待ってられない、という人は、このへん…というか図書館になら、どこにでも谷崎潤一郎全集ってあるかな?
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