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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

磯田道史氏「忍者は歴史学の世界ではつい5年前まで、実在が疑われていた」…そうなの?


ひっジョーに困ることに、以前はどの新聞社も書評欄は本売り上げにつなげるからか公開してたけど、今はどこも会員向けに囲い込みをしていて、しかも毎日新聞は断トツで無料会員への公開範囲が狭い(月5本!)。
ということで、非会員には冒頭しか読めないけど、その記事。

https://mainichi.jp/articles/20170409/ddm/015/070/002000c

歴史学のフロンティア 忍者研究
 忍者の研究はこれまで進んでいなかった。十年近く前に、私が、岡山藩の分限帳(ぶげんちょう)(藩士名簿)で伊賀者(忍び衆)の名前を割り出し、研究をはじめたときには先行研究が本当に少なかった。ところが、ここ数年、急速に進んでいる。

 五年ほど前までは、歴史学も忍者が実在するかで揺れていた。忍者を確固として実在するものとして研究するのではなく、むしろ、実態とはなれた虚像の「忍者イメージ」が近世社会に存在することに注目していた。忍者の虚像イメージが形成される姿を追った藤田和敏『<甲賀忍者>の実像』という研究も出ていて、これはこれで面白かった。

 ところが、去年あたりから研究の流れが変わった。三重大学は・・・・・・・・・・・

磯田氏が忍者の研究をしていることは、中公新書の…どれだったかな、に書いてあって、いまの神宮球場の近くに幕府が雇った忍者集団(伊賀者?)が住んでいたらしい、みたいな話があった。それで知ってた。
あ、タイトルにもり込まれているからこれだ。

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

忍者の子孫を訪ね歩き、東海道新幹線の車窓から関ヶ原合戦追体験する方法を編み出し、龍馬暗殺の黒幕を探る――。
著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発掘。そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を伝えてくれる。同時に、歴史は厳しいものでもある。地震史研究にも取り組む著者は、公家の日記などから、現代社会への警鐘を鳴らす。
歴史を存分に愉しみ、現代に活かせる「歴史通」になりたいあなたへ。


今回の毎日書評では

忍者の掟 (角川新書)

忍者の掟 (角川新書)

一子相伝の史料を本邦初公開!
忍者とは、いかなる人びとだったのか? 何を生業とし、どのような術を使い、いかに生きたのか。甲賀忍之伝を継承する甲賀伴党21代宗師家の川上仁一が、秘密のベールに隠されてきた実像を明かす。

【目次】
序 章 現代に生きる「最後の忍者」
第一章 忍びのこころ―忍者と忍術の神髄
第二章 実践・忍びの術技
第三章 忍者・忍術の形成史
第四章 忍術の活用
終 章 忍者文化の将来展望

忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち

忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち

天下泰平の時代。忍者の末裔は、江戸城大奥で出納係になっていた!?

新発見の古文書には、江戸城大奥に勤める伊賀者の日常が細かに記されていた! 忍者の一家の末裔は、天下泰平の時代をどう生きたのか。江戸の下級武士の生活を細やかに記す、一級資料をとくと見よ!


の二冊を紹介していると。


しかし、あの忍者が、最近まで「実在」を疑われていたとは!!というのはやっぱりおどろきだ。あのままだったら磯田氏が、待望の「学会を追放」されたかもしれん。そして追放した学会に復讐するために、忍者の末裔を駆使し・・・・・・・・・・・・
いやいやいやいや


ちなみに磯田氏はその書評欄で、「江戸期の忍者研究をしていると、結果的に幕府の下級御家人研究が進展する」(大意)という、けっこう身もふたもない指摘もしてる(笑)

本書(「忍者の末裔」)は題に忍者とつくが、むしろ近世中後期の御家人の生活実態を解明した著作として価値が高い。



ニュースサイトで読む: https://mainichi.jp/articles/20170409/ddm/015/070/002000c#csidxbc08fa893ef5f41a44b6ef2733646f7
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