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「著作権の相続税」試論〜一定期間経過後は「更新料」払ったら?/TPPで著作権法違反は非親告罪へ


実現可能性はないだろうけど、ちょっとtwitterで議論したらRTなど反響があったのでメモ代わりに。

Naoki Takahashi ‏@NaokiTakahashi 2月7日
死亡直後に著作権が失われることにしてしまうと、高齢クリエイターの作品が安く買いたたかれる問題が生じる、という意見があって、それはまあなるほど、とは思った。適切な保護期間がどのくらいってのはあるわなあ。

gryphonjapan ‏@gryphonjapan 2月8日
以前からアイデアがあった「著作権相続税」はどうですかね。保護期間は長期でいいけど、10年とか20年ごとに著作権継承者はまとまったお金を払う。それでもペイする作品は続くが、大抵の作品は稼げないので払わないほうが得。結果的に権利は解除されフリーに… @NaokiTakahashi
 
Naoki Takahashi ‏@NaokiTakahashi 2月8日
@gryphonjapan それもいいかもしれませんねー。ペイしちゃう作品のほうがむしろ再利用価値も高そうな気がするので、そこは微妙なところかもしれません。
 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 2月8日
このアイデア、自分もどこで聞いたんだっけ?自分のオリジナル案ではないんだよな。「登録」が必要だという意見からで、『著作権の登録+相続税』だと、いわゆる「孤児著作物」がなくなるメリットもある


だれかがどこかで書いていて、それを参考に自分が思いついたのは確実なのだが、ぞのものずばり的な論考は今ちょっと見つからなかった。

可能性が高いのは【加藤AZUKI】@azukiglgさんだった。ちょっと古いが、自分がリツイートしていた文を。

「超」怖い話 怪顧【加藤AZUKI】@azukiglg
もし準失踪状態の著者がその後「再発見」された場合は、速やかに原状回復。最初に委託する時点で、その団体を「著者失踪時の代理人」に指定しとく、とかはどうだろう。

現行法だと、そういう権利は「遺族」にあるんだけど、著者が遺族に財産(作品が金を生み続ける価値があるのだと想定してw)を残したいと考えるか、そうでないか、でそこらへんに対する考え方は違ってくるとは思う。

ただ、現状で考えると昨今のコンテンツの消費速度はとんでもなく速い。陳腐化も早い。発行点数が多いから陳腐化して旬を終えたものが埋没するのも早く、それらの大多数は再浮上【しない】。後生大事にしても遺族を養えるほどの金を生まない。

著者没後も「名作」として読み継がれ続ける有名作家ならともかく、さほどでもない作家の、年間数百円しか入らないような権利の面倒臭い管理を、遺族に押しつけるのも迷惑だろうと思うので、そういう信託組織があったら是非移管したい。

フリー使用可能なコンテンツの蓄積と知名度から「青空文庫がやるとか」という例えを出したけど、これは青空文庫でなくてもいいし、どっか一社独占でなくてもいい。要するに、「著者の要望として、著者の死後の作品権利の所在をはっきりさせる機関」として機能するなら複数あってもよい。

赤松健@KenAkamatsu

保護期間延長によって「青空文庫」が今後20年停滞(固定化)するとなると、面倒でも権利者の許諾を取って無料公開するJコミ形式が穴埋めできるかも・・・と前向きに考えてみる(^^;)。孤児作品に関しては、裁定制度の一層の簡便化を望む。 http://www.kottolaw.com/column/000155.tml

2011年8月30日 著作権法
著作権者等不明の場合の裁定制度
 〜孤児作品は侵害しながら使う? 使わない? それとも...。」
http://www.kottolaw.com/column/000155.html
 
古い作品であれば、その作品を創作した方が亡くなられ、相続人が誰かわからない場合もあるでしょうし、著作権保有していた企業がいつのまにか倒産していたなんてことも、このご時世、珍しくはありません。
また、当初の(あるいは特定の時点の)著作権者が判明したとしても、著作権は、本来的に自由に譲渡できるものであり、その譲渡は口約束ですら有効であるため、誰が現在の著作権者であるか、正確にたどるのは、至難の業といえるケースもあるでしょう。

このように、利用したい作品の権利者が不明の場合、どうすればよいのでしょうか。

なるほど、むしろいわゆる「孤児作品」を減らすために、子孫=著作権継承者が登録する仕組みが必要だ、というほうが重要な論点のようだ。


で、自分はまあ、保護期間が死後50年から70年になる流れなのは甚だ残念なのですが、ピケティばりに格差社会を修正するため?に、そういうふうにしたらいいと思うのですよ。

著作権という親や祖父の遺産で食って、しかも芸術的センスが無いのにその権利によってそこから生まれる作品世界をコントロールしようというドラ息子やドラ娘が出てくるのはまあしょうがない。
せめてその分、一定の額はお払いください、と。


そして、「読者というものは虱に似ている。死んだものからはぞろぞろと離れる」(山本夏彦)というのは本当に事実で、作者が亡くなってなおも読者を呼ぶ作品は、プロ野球の殿堂入りや、引退後にコーチや監督になるぐらいに難しくまれな存在だ。

5万円だか10万円だか、その更新料の設定次第では「元が取れませんので放棄いたします」という作品がどんどん増えていくだろう。それは経済上の判断だ。
その結果、それが人類共有の財産になればそれはいいことじゃあありませんか。



・・・・まあ、もうそんな制度設計をするのは無理だろうから、これは夢想でしかない。ただ著作権保護期間が作者の死後70年になるとするなら、この孤児作品問題は対策が必要なのだろうね。


という記事を書いたら、ブクマで関連ニュースとしてTPP交渉 著作権侵害は「非親告罪」と。

TPP交渉 著作権侵害は「非親告罪」で調整 NHKニュース http://nhk.jp/N4Hl6S5R
 

…特に著作権の侵害があった場合に作者など被害を受けた人の告訴がなくても起訴できるようにする「非親告罪」とすることを巡ってアメリカなどが賛成する一方、日本は国内でアニメや漫画などをアレンジした同人誌などの創作活動が取締りを受けるという懸念があることから慎重な姿勢をとってきました。
関係者によりますと、これまでの交渉で各国は営利目的などの場合の著作権侵害を原則、「非親告罪」とする方向で調整を進めていることが分かりました。
アメリカなどが柔軟な交渉姿勢を取り、適用範囲について各国が判断できる余地を残す案が示されたことで日本も受け入れる方針です