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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「見えない道場本舗」選定・2013年度漫画10傑

はい、
ぱち
ぱち
ぱち。(テンプレ)
当道場の漫画選です。
 
思えばこの漫画選(賞)は、年末に発表していたが「年末は『このマンガがすごい!』でかすんでしまうし、大晦日は格闘技イベントがあって忙しい(※当時)から」と「年度末」発表の3月末に逃げ、そrしたらそこには書店員が選ぶ「マンガ大賞」と「手塚治虫文化賞」があったのでそこからまた逃げ…フン族に圧迫されて逃げるゲルマン民族的な(笑)

それで、意表をついて1年の半ばである、ここにとりあえず仮住まいをしようと。
というかここでやらないと、たぶんなし崩しに発表できへんような気がするので。

そういうわけで「だいたい2013年度」の漫画10傑を選ばせていただきます。
 
【特徴】
・選んだ10作品の中で、1〜10位の順位をつけることは現在はやめており、順不同。
【重要】過去にランキング入りした作品は、入れるかどうかの選考時に意図的にハンデをつけています。複数年で選ばれた作品は、かなり凄いと考えてください(下に、過去の賞へのリンクがあります)
・その中でもとくに「オールラウンダー廻」「風雲児たち」は、殿堂入りです。
・厳密にこの年度に発表された作品かは、あまりこだわっていません。
・うちは出来る限り、この「10傑」はこの1年で長文の紹介記事を先に書き、その過去記事にリンクを張る・・・という形を理想としています。一本の記事で10紹介すると、どうしても薄味になるので。ただ言うはやすし、行うは・・・で理想どおりにならないことも多い。そういうものがない作品はこの発表をしてから、長文の紹介を書くようなこともしたいです。
・特に「もう連載は終わってる過去作品だが、読んだのが自分にとってこの年だったんだよ」というのを別枠で加えたりも。


それでは発表!!

■「コウノドリ

数本試し読み可能
http://morning.moae.jp/lineup/147
本当に1巻が出たのも2013年なんだね。王道すぎて、ほかの賞とかも取りっぱなしになりそうな気がしてたけど、意外やそうでも無かった。
下の3本を、うちはこの作品がらみで描いているな。

産科医を描く「コウノドリ」は今年の漫画賞取れそう。だけどこういう悲喜劇も… http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131014/p3
 
発売中の「モーニング」は「風疹予防」「嫡子・非嫡子の相続平等」などが描かれてる。「いちえふ」第二話も。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131202/p5
 
コウノドリ」風疹編で再論…「企業、学校が就職・入学の条件に「風疹予防接種済」を入れればいい」 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131208/p2

産科医の仕事は環境的に非常に「法哲学的」というか…ああ、最近はこういう表現が出来るから伝わりやすいな…マイケル・サンデル的な「正義論」が本当に生まれやすい場所だ。だから「事故で助けられるのはお母さんか、赤ん坊のどっちかだけです。どうしますか?」とか「障害を持って生まれてくるのは確実です、どうしますか?」という、なかなか答えの出ない話が出てくる。

こういう台詞も、個人的にはいささか過激、とは思うけどねえ(この後少しの場面転換をはさんだのちに「…という人もいるが、そんな簡単な話じゃない」的な意見となる)。
ただ、全体的には、そこを単純なお涙頂戴やセンセーショナル主義にせず、後味の悪くないまじめな話に留めるのは力量といえましょう。逆に言うと、「常識的な決着に収めず、もっと突き詰めて暴走してみろよ!」という不満を持つ人もいるかもしれないが…。
この作者はよほど医学知識のある、そういう経歴の人かと思いきや、ロックバンドと中華料理の経歴で、マンガは突然その道に飛び込むことを思いついた、という
http://morning.moae.jp/lineup/147
(誇張などあるのかもしれんが)。丁寧な取材もあるのだろうし、ひょっとしたら担当編集者がかなりの傑物なのかもしれないっす。ま、やはりそこは作者のセンス、咀嚼力なのでしょうかね。



■「BIRDMEN」

実は自分もうかつなもので、「へー、うまいし達者だな。実に才能のある大型新人が出てきたもんだ」と思ったら、この人は「結界師」という大ヒット作品をすでに世に出していたんだわ。
その掲載誌を連載中ずっと手にしていたんだが…まあ偶然、ご縁が無かったんですね。
ところがこの「BIRDMEN」は非常に王道で面白い。
ぶっちゃけ、戦隊ヒーローものです。
いやぜんぜん戦隊でもなんでもないけどな、ようは鳥のように空を飛び、その他もろもろの能力を持つ5人が互いに引き寄せあっていく。そしてそのメンツは、誰がなんと言おうと…まあライオンキングとジャングル大帝ぐらいのレベルで「戦隊シリーズ」を踏襲している。
だから当方にもとっつきやすかったのだろう。

んだが、まあ今のところは巨大な敵とかも無いので、どこに焦点が当たっているかというと「異形の能力を得た少年少女の恍惚と不安」という、これも王道の物語。SFは常に、この物語を書いてきた。また、この作品は最近多いのか前からだったか、主人公がけっこう嫌なやつ、というか癖のある子で、思春期の今でいうところの…「ぼっち」問題を大きなテーマにしているのですね。普通はその能力のせいで孤独になるもんだが、主人公はもとから孤独(笑)。あ、一人親友はいるが。逆にこの「BIRDMEN」の能力と、引き寄せあうという特徴は、その仲間たちの連帯や友情も育んでいくが…と。

ああ、いまどき珍しくSFだなあ。「藤子・F・不二雄的」という最高のホメ言葉を使ってもいい。いや実際「BIRDMENは、危機に瀕した人間の精神を感知するからつい助けに…」という、エスパー魔美のメソッドも使ってるし(笑)


■「ギャングース

これはもう、「手口解説」に尽きる。一種の学習マンガ。
ストーリーやキャラクターに正直魅力を感じるには、連中はぶっ飛びすぎていて感情移入もへったくれもない。のだが、次々と進化発展改良をとげ、どんどん精緻かつ芸術的になっていく「おれおれ詐欺架空請求詐欺」や「強盗、窃盗」などなどの手口の解説本としては、実に分かりやすく、「ほう、ふーん」…どころか「こういう連中は、本当に悪の天才だな!」とある種の感動すら感じざるをえないことが多数ある。

ああそうだ、
ひとつ、記事にしようと思ってそのままにしていたネタがある。


もしエレベーターのボタンを手の甲で押す人を見かけたら、それは裏稼業関係者?指紋を残すことを極度に警戒する彼らはこうした習慣が徹底的に…

な?おもしろいっしょ?
「裏社会の人間は、指でエレベーターのボタンを押さない」。

これは本当に裏社会の人を見分ける発端になるかもしれないし、なぜか悪を気取りたい中学生にもウケる。
「おめーマズイぜ、ボタンを指で押すと当局に指紋を渡すようなもんだぜ!だからこう、この部分でボタン押さねーと」
「うわっ、かっけー」
と、ほぼ確実になる(笑)



■「漱石とはずがたり」(※含む前シリーズ「先生と僕」)


はじめはたまたま古書店で前シリーズ「先生と僕」を入手して…基本的に、「坊ちゃんの時代」から続くような流れで、明治の精神史に興味があってのものだった。
だが、もちろんそれにも大いに参考になり、新知識も得つつ、「どうもこの作者の視点がヘンだ」と(笑)。

いや、変といっても批判じゃなくて、たしかにその視点で作者がつくる風景というのは、なかなかに心地よく、楽しいものだったのだ。

そのへんの違和感を含めた楽しさが言葉になったのは、この記事を書いた前後のころでした。

「人物の関係性重視」からBLを再論…そして浅羽通明氏と「どっちがBL向きの青空文庫作品か」対決(笑) -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140104/p4

こっから再引用

ゆうき まさみ@masyuuki
@RASENJIN そうそう、そうなんです。更に言うと、実は「腐女子」に限ったってことじゃなくて、女の人はキャラクターの関係性に萌えるひとが多いので、話を聞くだけでとても参考になります

http://dic.nicovideo.jp/a/%E9%96%A2%E4%BF%82%E6%80%A7%E8%90%8C%E3%81%88
関係性萌えとは、キャラクターとキャラクターの関係に対する萌えである。
概要
キャラクター個人に萌えるのではなく、キャラクターとキャラクターの関係に萌えることを関係性萌えと呼ぶ。
キャラAとキャラBがいる場合に、「AはBを、BはAをどのように思っているか」「AとBは社会的にどのような関係にあるか」「AとBの関係を周囲の人間はどう思っているか」など……人以上の関係や組織・チームの関係も含まれるが、その場合でも1対1の関係が特に注目される。

ああ、なるほどと思ったのは、要は「師弟」の「ほんわかな」「日常」を描く…というのは、あるように見えて類作が少ないんだなあ、とね。
それを「萌え」と呼ぶとはとても思えないんだが、あちらはあちらで受け止め方が違うのかもしれない(笑)。ただ「師弟を流れるほんわかとした日常」という鉱脈をみごとに掘り当てて、それがなんと超有名人物とその周辺の実在資料、記録に基づくというのはとんでもないウルトラCだ…と脱帽せざるをえない。
この人、よっぽど専門的に漱石文学を専攻したひとなんだろうか?

http://yura-kouhi.sblo.jp/

https://twitter.com/kouhiyura
「一コマ読めば一コマに驚き、一回読めば一回に驚きぬ…香日ゆら何者ぞ」
と、森鴎外ばりに驚くのであります。



■「電波の城

えーと、自分で上のルールとして「1回選んだものは、基本的に取り上げない」としましたが、よっく考えた上で「基本的に”3年間”取り上げない」と変更しました(笑)。
いや、これは案外いいかと思うぞ。たしかに傑作はずっと傑作のままのものは多いが、それでももうひとうねり、ふたうねりがあって再度の盛り上がり、ピークがあるという作品もあるのだからな。


今月、最終巻が出ますね。

「マンガ作品は完結してから価値を定めるべきだ」つう意見もあって、その視点だとこれしかないのだが…しかし、23巻という長丁場ながら、ちゃんと始まりから終わりまできっちりと描いて終わらせましたよ。不必要な引き伸ばしも、はしょりも無かったと思う。

手塚治虫の後継者」と言って違和感が無いのはいまや細野不二彦浦沢直樹の2強な気がするのだが、きっちりと話を尻すぼみにせずに終わらせる…という点では細野氏のほうがやや優勢か。それは手塚の後継者として有効か不利かはなんともだが(笑)



細野不二彦、もうベテランというか超大家のはずだが、もう先々週から「商人道(あきんロード)」という新連載をはじめてやんの。その強欲、貪欲ぶりも手塚チックですなあ(笑)



■「白暮のクロニクル」&「でぃす×こみ

漫画界の”助演男優賞”!「白暮のクロニクル」久保園係長にみる、ゆうきまさみ漫画の一つの特徴について/担当編集者・ヤマウチナオコ氏の話 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140501/p4
 
ゆうきまさみの新作漫画は、社会的偏見により正体を隠さざるを得ない表現者の悲劇を描く(笑…だよね?) -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130503/p4
 
(この「キャラクターの関係性」話もでぃすこみ関連 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140104/p4 )

※上の論評がリンクだけなのは手を抜いたわけではなく、もともと長文批評を先に書いておいて、この選定ではその記事を紹介する、というのを理想としていました。今回は逆にそれがままならなかっただけで。
あと、今月末に3巻出るわ。



■「GIANT KILLING

ここに取り上げた「ジャイアントキリング」も、再受賞組。、今年はじめに節目の30巻が出たところだ。そして30巻ともなれば、初期は読んだけど今は…という読者や、評判は聞くけど、今から既刊を30冊読むのもねえ…と躊躇する人がいるのも、これは当然かと思います。
そこでよし分かった。
逆に、30巻からを「新たなる新章」として、ここから読み始めるという荒唐無稽な案を提唱するのです。いや、というのは、ひとつの節目となるエピソードがあるのですよ。
本当に30巻からを「新章」として読もうという人は、こういう予備知識だけ持ってほしい。

・弱小チームに若き新監督「達海猛(タッツミー)」が就任する。元名選手だが怪我で引退した(らしい)
・最初のうちは、突飛なチーム指導に反発や戸惑いもあったが徐々にそれが結果を出し、チームはまとまり始める。だがまだ一歩、壁を破ることができずチームは息切れの様相を呈す。
・達海は親友のGMに「Jリーグは選手兼監督ってできんの?」「いや、禁じる規定は無いはずだが…」「ふーん…」
・果たしてJ初の選手兼監督が生まれるのか?彼の選手としての実力は?

というような流れで、30巻から現在の雑誌で展開中の大阪戦にまで至っているのです。


「達海の現役復帰」を匂わせる挿話は、「うわ、これはひょっとしてちまたで噂の『俺TUEEEE系』な、ど派手なスーパーマンの位置に達海をおいてテコ入れする流れか?」と不安七分、ある意味の”大暴れ”期待が三分…だった(笑)。
だが、達海現役復帰を廻るストーリーは、そんな不安や予想を軽くかわして、そして凄い話に昇華していく。なかなかその展開は、機微に触れるので詳しく書けないのが残念だ。

ネタバレに関しては責任を持たないが、それでも気になる人は、以下のリンクを参照のこと。

今週のGIANT KILLING #292(モーニング2013 No.28) | t011.org http://t011.org/giant-killing/64903.html#.U7O3jyCtf-I.twitter
 
今週のGIANT KILLING #296(モーニング2013 No.32) | t011.org http://t011.org/giant-killing/66396.html#.U7O39XHCDSc.twitter
 
達海猛の終わりと始まり「GIANT KILLING・第30巻」 - 無駄話 (id:toldo13 / @toldo13) http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20140124/p1
 
GIANT KILLING」が神の領域に入りつつあるようだ。 http://shintaro-hato.com/hatonosu/?p=1545 @_shintaro_さんから


■「ヴィンランド・サガ
再受賞ばっかりでもうまくない…ので、これで最後。再び大きく盛り上がった、といえばこれを触れないわけにはいかないでしょう。ただし、この作品の2013年の主要な部分については、のちに別の形で取り上げたいという強い思いがある。その時まで内容については省略でご了承ありたい。


■「重版出来!

非常にいろいろなところで評価されている作品。
その一方、同じ版元…しかも「週刊スピリッツ」と「別冊スピリッツ」の場合、雑誌は厳密には違っているけれども、たぶん同じ編集部の組織にあるはず…の先行作品に、永遠の名作である故土田世紀の「編集王」という作品がある。

で、自分も最近固まってきた持論だけど、「ある名作から(盗作とかではなく)見事なまでにコンセプトを受け継ぎ、独自な魅力も生み出した『名継承作品』」とでもいうべき存在はやっぱりあるのだ。
どれをどんなふうに「名継承作品」と認定するかというと、また大仕事なので後日の課題とするが、「重版出来!」が「編集王」をみごとに継承した、ある意味(主人公や作家が)「編集女王」である、とは言っていいんじゃないかと思う。「売れりゃいいじゃないか」「漫画家は編集に完全にコントロールされるべき」「家庭を第一にさせてもらいます」的な編集と主人公の思想的対立もそうだし、またそういう編集者は、過去に熱血編集だったがそこで挫折し…なんて話も継承されている。(はっきり言って、個々の要素を比較すると大体、「重版出来」のほうが強化版である。まあ、パイオニアはパイオニアであるだけで意義があるんでね…)

またその点では、前田日明が「俺らが関節技や打撃を(デフォルメして)客に提示したから、その後真剣勝負でその技をみんな理解できたんや!」というのと同じ流れで、編集王ではかなり極端なデフォルメ、スポコン的なドラマに誇張して書いたあれこれを、もすこしリアルに修正したディテールを教えてくれている。重版がどんな意味があるのか、表紙デザインはどうやって決めるのか、書店でのキャンペーンはどんなふうにやるのか…このディテールが特に面白い。
また、当時はありえなかった、こんな議論ももちろん21世紀の今は、されていると。

だからかつて「編集王」を知っている世代やファンこそ一度手にとってほしい作品です。



■「明日にはあがります。

今、作品の感想描こうと思って書き出したら、「あれ?なんかデジャヴ感あるなー」と。
そしたら、この前書いてたわ(笑)↓

いま、ビッグコミックスピリッツが熱い!いやマジ。「あの話」とは別に。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140510/p3

あの当時(ことし5月)に「ビッグコミックスピリッツが面白い」というのは相当な逆張りだったが(笑)、まあそれはそれ。落ち着いたところで、これは丸ごと再掲載もしちゃおう。

漫画家漫画もブームを牽引した「バクマン。」が映画化、さらにはそれより先に準備をしていた「ペン」シリーズから続く「アオイホノオ」がドラマ化、とまだまだ勢いがありますな。
そんな中で、そういうストレートな剛速球ではなく、変化球というかチェンジアップというか、あるいはボークというか(笑、この比喩は(C)ナンシー関。)…なショートギャグ作品が「明日にはあがります。」なんだが、今やくーねるまるたと並ぶ「スピリッツ・ショート漫画の双璧」と呼びたい。どっちがロイエンタールで、どっちがミッターマイヤーかは知らん。
まあ、それはそれとして、同時に「登場人物を絞って、彼らの会話やワンシチュエーションで話を成り立たせる」系譜の作品としても面白いっすね。結構例外もあるけど、そういう点では「やっぱり猫が好き」みたいな感じもあって、比較的しゃれっ気があるというか軽妙な感覚もある作品だと思う。
孤独のグルメ」→「めしばな刑事タチバナ」というテレビ東京ドラマの系譜があったんだから「アオイホノオ」の次のドラマとして「明日にはあがります。」をドラマ化してもいいんじゃないかしら?セット代と役者の出演料はすごく安く上がるぞ(笑)。
あのなんだっけ?「ゲゲゲの女房」で水木しげるの若いときをやった役者、なんとなく見た目が似てたな。
 
また、そもそも「一回転して一番リアルな漫画家漫画」という評価も高い。
なにしろ2巻帯で、日本漫画界のトップ級のひとちである幸村誠氏が寄せた帯推薦文が「またボクのこと描いてる!!」だったのだから(笑)。

幸村誠 ‏@makotoyukimura 5月27日
創作の苦しみ、喜び、笑いと涙、現代を生きる漫画家の全てが…そこにある。
───幸村誠
5月30日ころ発売、マイフェイバリット漫画家ギャグ「明日にはあがります」2巻の帯コメントはなんとワタクシが書かせていただきました!
いえ、上の文章は帯コメントとはなんの関係もございません。
 

幸村誠 ‏@makotoyukimura
明日にはあがります。」二巻の帯に「またボクの事描いてる!」とゆー電波なコメントを寄せているボクですが、だってそうなんだもん。
今巻もたいがい主人公小光先生の行動が自分に思い当たって冷や汗をかくボクですが、最たるものは「人前に出ると大はしゃぎして後で会社の人に怒られる」です。 

サイン会のコスプレとか、そーゆーのか(笑)
そういえばこの帯推薦文ネタ、「あがります」にも作品にあったな。


んで、ちょっと前の号の話だが、これが今までの中でも屈指の傑作。
雑誌の巻末に、作者が一言添えるあの欄……、いままでも実際にさまざまなドラマを生んだり、ロケットがかけぬけたりしてましたが(笑)、サンデーやスピリッツにある「Q」のお題に作者が答える形式のコメント。
それを数号まとめて答えたら、手違いで回数がずれてしまい……


はははは、
僕が個人的に好きな笑いなんですよ。手違い勘違いで誤解したやりとりをしているのに、偶然のいたずらで意味が通じてしまい、そのせいで混乱がいっそう助長される、というね。
落語でいえば「こんにゃく問答」とか「時そば」とか、「道灌」とか…ちょっと違うかな。もっとぴったりしたものがありそうだが。

漫画でいえば「釣りバカ日誌」のストーリーはマンネリだなんだと言われながら、このシチュエーションを作らせると抜群に上手いんだよな。スーさんの先輩の、経営の専門家にコンサルタントを頼んだつもりが、先輩ではあるがどシロートの、ハマちゃんの義父に依頼が行く…なんてネタで何週も引っ張るんだから(笑)。


しかし、そういう古典と比較しても、この「作者コメントの質問と回答がズレて…」という回は面白く、爆笑した次第。4巻が発売されたばかりだから、5巻に収録されることになるのかな。

お、そんなこんなでなんとか「だいたい2013年度・見えない道場本舗選出のマンガ10傑」でしたー。何かの参考になってくれれば、こんなに幸いなことはありません。




次点的な、もの

「健康で文化的な最低限度の生活」
甘々と稲妻
「共学高校のゲンジツ」
「天にひびき」
「ナポレオン 覇道進撃」
人工知能(※某学会誌の表紙)」
ウルトラマンstory 0」
「アサギロ」
「僕だけがいない町」
「はじまりのはる」
「KIMURA」
レ・ミゼラブル
ゴーマニズム宣言大東亜論」
「ホークウッド」
「ひきだしにテラリウム」
放課後さいころ倶楽部
アオイホノオ
「ハルロック」
「テツぼん」
氷菓

参考:過去の賞です

※上にも書きましたが、過去に一度選んだ作品は出来る限り、3年間は再選出しないようにしています「なぜあの作品が無いの?」という疑問がある場合は、それが理由かも知れません。

■「見えない道場本舗」選定・2012年度漫画10傑 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130331/p2
 
■「見えない道場本舗・2011年度漫画10傑」(※ここから順位なしの10選に) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120402/p1
 
■2010年度漫画ベスト http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110327/p1
 
■2009年漫画ベスト http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091210/p2
 
■2008年漫画ベスト http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231#p4
 
(2007年は「06年とほぼ同じなので休み」となっていた)
■2006年漫画ベスト http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061230#p2