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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「見えない道場本舗」が選ぶ、2011年度漫画10傑

はい、
ぱち
ぱち
ぱち。
一応、ここで予告していた
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111211/p4
「年度」で選ぶ漫画選です。
なんで年度にしたかというと、本格的な商業ベースの漫画賞やランキングが年末選定のことが多く、さらにはブロガーの選定も年末に集中するのでそれに埋もれるのを避ける、ということと、格闘技ファンは年末には大晦日の大会に向けて書くことが多く、多忙でスペースも取れなかった(過去形)からです。
昨年度から、そういう形式になっています。
 
そういうわけで2011「年度」の漫画10傑を選ばせていただきます。
【そのほか、うちの特徴】

  • 選んだ10作品の中で、1〜10位の順位をつけるすることは昨年度からやめています。順不同
  • 過去にランキング入りした作品は、入れるかどうかの選考時に意図的にハンデをつけています。何度か繰り返し入った作品は、かなり凄いと考えてください(下に、過去の賞へのリンクがあります)。
  • その中でも「オールラウンダー廻」「風雲児たち」は、殿堂入りとし、今後は入りません。
  • 厳密にこの年度に発表された作品かは、あまりこだわっていません。

それでは発表!!!

つらつらわらじ(1) (モーニング KC)

つらつらわらじ(1) (モーニング KC)

江戸へ参勤、国へ交代。二年に一度のビッグトリップ。
備前蜂」の紋を掲げた岡山藩熊田家。
寛政の改革で倹約を謳う徳川幕府に殿様は、家老たちの悩みの種だ。
そして、今年の江戸への道中には、いつもと違う何かが待っているのだ。

時は寛政、江戸も半ばを過ぎた頃、「備前蜂(びぜんばち)」の紋を掲げた熊田(くまだ)家藩主・ 治隆(はるたか)は、家臣と人足たち数百人を引き連れて、参勤の旅に出た。行列には、治隆を疎んじる幕府老中・松平定信(まつだいらさだのぶ) の密偵も紛れ込む。江戸までの道のりは、その距離以上に長く、波乱に満ちていた。

これは近々、長文書評をさせていただければと思っています。
予定は未定。
 
 

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

【編集担当者からのおすすめ情報】
あの『鋼の錬金術師』の荒川弘先生がサンデーで週刊連載に初挑戦!その超話題作が早くもコミックスになりました!濃厚すぎる農業高校を舞台に、主人公の八軒勇吾が悪戦苦闘しながらも、命の大切さを学んでいく…汗と涙と土にまみれた青春物語です。前作のファンタジーとは、違った面白さが詰まっています。こんな時代だからこそ、絶対に読んでほしい。そんな作品です!
百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

マンガ家になる前は北海道で七年間、農業に従事していた荒川弘。牛を飼い、野菜を作り、クマに怯え、エゾシマリスに翻弄される―年中無休で働き、切ない想いも多々あるハードなお仕事。「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」。なんたって“百姓貴族”ですから!!知られざる農家の実態を描いた、日本初農家エッセイ登場。
(※この2作品は、ひとつのサーガとして捉えさせていただく。俺権限。)

たしかまだ2巻しか出てないのに、1巻あたり50万部突破と…ああ、あった。
http://otanews.livedoor.biz/archives/51842114.html
いいものが売れるのは、うれしいものだ。いいことか悪いことか、まもなく農業高校の志願数や競争倍率も左右するだろう(笑)。「ためになる」漫画であることも大きく、例えば学校図書館とかでも置かれたりするだろうな・・・
自分はこの作品について何度か書いたが、

■漫画の「ジャンル」と「類似作」をいろいろ考える(+「百姓貴族」「銀の匙」について)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110601/p1
■「肉喰う人々」(資料編)〜いま、空前の狩猟・食肉漫画ブーム!(「銀の匙」シカ解体前に)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110830/p3

とくに「肉喰う人々」はこのあと「考察篇」を書きたいとつよく思っています。
予定は未定。
 
 

真・異種格闘大戦 1 (アクションコミックス)

真・異種格闘大戦 1 (アクションコミックス)

史上初!熱き魂を揺さぶる動物格闘マンガ!地球上のあらゆる地域、あらゆる生物の中から特に厳選された16名の最強生物が「地上最強」の座をかけてアフリカの大地で闘いを繰り広げる!

これは既に、長文書評を書いています。昨年、正式に完結巻が発売されました。
前巻の品切れ状態の解消を、強く望む。
 
■誰もが夢見た、考えた!そして…彼だけが実現させた!相原コージ「真・異種格闘大戦」評
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120205/p1
 
 

拳奴死闘伝セスタス 1 (ジェッツコミックス)

拳奴死闘伝セスタス 1 (ジェッツコミックス)

セスタスがたくましくなって帰ってきた!! 負ければ最後、生と死の狭間で戦い続ける拳士たちが熱く描かれる、セスタスシリーズ第2弾がついにコミックス発売!!

下のリンクではごく短く、また最近の話題しか書いていませんが「ローマ帝国の富と版図をもって、暴君ネロが世界中から戦士を集めたトーナメント」は、さらに面白くなりそうですよねえ。
 
格闘技漫画最前線。「廻」8巻&大阪大会、「鉄風」魔女の狂気、「セスタス」トーナメント…
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120314/p1
 
 

グラゼニ (1)

グラゼニ (1)

プロ野球は人生の縮図」と言う人がいるが、そんなことはない!
トンデモナイ成果主義による年棒。同じユニホームを着ていても、そこにはトンデモナイ階級がある!現在8年目、中継ぎ投手としてなんとか1軍にいる主人公・凡田夏之介はそんなトンデモナイプロ野球界で生き残れる!?
下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会プロ野球。凡田夏之介は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!

自分はこれが始まったとき「枯れた技術の水平思考」ってやつだなあ。「斬新だ!」ではなく「おっ、あの手だね」と思った…という話は最近かいたばっかりですが・・・その中で示されるディテールや「成績を数字=年俸」に換算するそのロジックの攻防戦は、自分の予想をはるかに上回る面白さだった。また勝ち組も負け組も、プロ野球選手は結局は運動神経・フィジカルの面でモンスターたちのつどうところ・・・というリスペクトもよく伝わる。現在、最新の雑誌掲載号はまさに主人公とフロントが、年俸の直接交渉中。面白さも最高潮。
 
 

どうらく息子 1 (ビッグコミックス)

どうらく息子 1 (ビッグコミックス)

夏子の酒』『蔵人-クロード-』など、日本酒を扱った漫画作品を描き続けた尾瀬あきらが、新境地にチャレンジした意欲作です。
寿限無」など子供でもおなじみの楽しい噺から、「子別れ」「文七元結(ぶんしちもっとい)」など人情噺も落語を知っていても、知らなくても楽しめる内容となっています。
この作品の生命線・落語の監修についているのは、落語愛好家にはもうおなじみ、柳家三三師匠です。当代きっての名人・柳家小三治師匠の弟子として修業を積み真打となり、落語界トップクラスの評価をされている実力者です。落語家の世界では30歳代はまだまだ若手なのですが、柳家三三師匠は人気・実力ともに「今おもしろい落語家」としてもっとも注目を集めている次代のホープです。
落語って何? 古臭い江戸時代の話でしょ?という方でも落語の世界に引き込むコミックです。もちろん落語好きの方も、数十人の現役噺家から取材した修業逸話が随所にちりばめられているから楽しめます。
「平成の落語ブーム」として注目度抜群の落語の世界を『どうらく息子』から覗いてみてください。

前座の主人公が初のネタを覚えるために苦労するところに加え、二つ目となった2人が、まったく正反対の芸風を持っている・・・という新しい趣向が加わった。この作者は主人公の内省シーンが多く、その内省の仕方がくどいとか、落語業界の内的な論理や価値判断が腑に落ちない、「?」だよ、という方もいるかもしれないが・・・そこは置いて楽しんでほしいな。

■落語漫画「どうらく息子」(尾瀬あきら)1巻が28日発売
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110123/p2
唐沢俊一氏が立川談春の「赤めだか」を「嘘だらけ」と評した由
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111024/p3

 

僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)

僕と日本が震えた日 (リュウコミックス)

2011年3月11日。この日の衝撃は、実際に被災地に身を置いていた人たちばかりではなく、その被害映像を目にした世界中の人間たちの心をはげしく振るわせた。ドキュメンタリーコミックの第一人者である鈴木みそが、まずは自分の周りから取材を広げていきながら、今回の震災が浮き彫りにした現代日本「日常」を描き出していく。 「都市被災編」「書籍流通編」「先端科学編」「日本経済編」「食品汚染編」「東北取材編」の6編に加え、ガイガーカウンターの利用方法をまとめた漫画「放射線の正しい測り方」2編も収録。

「平成の内山安二鈴木みその震災ルポ漫画。みなが注目する津波直撃の被災地や原発からはあえて離れて、液状化した浦安へ行ったり、娘が震災後一泊を余儀なくされたディズニーランドの防災体制、倉庫の在庫が崩れた書籍業界といった・・・あえて言えば「些事と細部」を、これまで長年にわたって完成させたルポ漫画の呼吸で切り取っている。。
紙の単行本は最近出たばかり。
一年たって、多くの人たちがかきおろしたり、自分の連載作品に盛り込んだ「東日本大震災と漫画」の右代表、という意味もある。
 
■「東日本大震災を直接描いた漫画リスト」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110810/p3
 

看護助手のナナちゃん (1) (ビッグコミックススペシャル)

看護助手のナナちゃん (1) (ビッグコミックススペシャル)

胸に響く話題の作品がいよいよ単行本化!!

ナナちゃんは看護助手です。
ナナちゃんは病院で働いています。
ナナちゃんは日々、病院でいろんな患者さんと出会い、別れます。
そんなナナちゃんの日常は、喜びや悲しみが詰まっています。
ショートで綴るナナちゃんの愛情溢れる日常は、
きっと読者の心を温かく癒やしてくれます!

本誌連載当初より、
読者から単行本化の問い合わせが多数寄せられた
話題の作品が、いよいよ単行本化!!

以前に二度ほど、長文感想を書きました。

■本格的に連載が始まった「看護助手のナナちゃん」という作品は、今年か来年の漫画賞を総なめにするかもしれない(ビッグコミックオリジナル
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100908#p4
 
看護助手のナナちゃん」「とろける鉄工所」…漫画家夫婦が「生と死」を描く。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101210/p4

超短編でページが貯まらないので、1年に1冊ペースですかね・・・でも、これこそもっともっともっと話題になっていい作品だ。アメリカで、大統領候補を推すときに、聴衆は候補の名前と大統領選挙の年を合わせて「OBAMA2008」とか「Romney 2012」とかいうプラカードを掲げるのだが、自分も「NANA 2012」というプラカードを掲げたいよ。「本屋が選ぶマンガ大賞」はおろかにも候補にえらばなかったから、年末に向けてだなキャンペーンは。「このマンガがすごい!」や「このマンガを読め!」にふつうにランクインすると思うんだが。
 
 

アバンチュリエ(1) (イブニングKC)

アバンチュリエ(1) (イブニングKC)

ミステリーの世界でホームズと並ぶ永遠のヒーロー、アルセーヌ・ルパン。貴族や金持ちからしか盗まない怪盗であり女性には優しい義賊の顔も持つ。ベル・エポックの時代を駆け抜けた冒険家(アバンチュリエ)の活躍を『ジキルとハイドと裁判官』で漫画界に新風を吹き込んだの森田崇が愛を込めて劇画化!

正直に告白すると(以前も書いたが)自分はシャーロック・ホームズ原理主義者として、「ルパンを持ち上げる為にホームズ(ショームズ)を下に書くに違いない、それを監視せねば」的な小姑的視点で最初は読んでいた(笑)。しかし、ルパンやホームズとかを超えて「古き良き、そして冒険の時代」であったあの時代こそが真の主役ではないか、と思える丁寧なつくりであることで嬉しくなった。「原作に忠実」が売りでもあるけど、その中でも作者の個性というのはこれほどまでに出るのだなあ。
 
 

山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)

山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)

現役猟師、兼マンガ家。岡本健太郎による狩猟&ジビエ喰い実録日誌。ウサギの唐揚げ、カモのロースト、カラスの焼き鳥etc、山グルメ満載!山で迷ったときの心得などサバイバル術も満載!都会を離れ、故郷に戻った男は山に遊び、お気に入りの空気銃「エースハンター」と自作の罠を手に、今日も鳥や獣と勝負する。鳥羽僧正よ、刮目せよ!これぞ二十一世紀の鳥獣戯画だ!(※最後の二文は内容とは関係ありません念のため)

上記
■「肉喰う人々」(資料編)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110830/p3
でも外せない重要な作品になると思うし、いまは「射撃」のディテールを論じて軍オタ的な興味もある人にはあると思う。それらを、なにか春風のような牧歌的な作風で描いているのだが・・・もうひとつの「バクダン岡本」の顔を封印しているのがやや残念。
彼がこういう、ある種ほのぼのとした作品を描いているのはよく考えれば意外もいいところで、過去の作品である

笑える子羊(1) (ヤンマガKCスペシャル)

笑える子羊(1) (ヤンマガKCスペシャル)

愛斜堂 1 (ヤングマガジンコミックス)

愛斜堂 1 (ヤングマガジンコミックス)

とも、毒や悪意、ハチャメチャさに満ちたむしろ爆発的な笑いを得意とした人だった。
その闘う牙と爪を、彼は失ってしまったのだろうか。
否。
その爪の跡は、ブログにちゃんと残っている。
http://blog.livedoor.jp/ken_melody/archives/51703358.html
今のダイアリーも十分おもしろいが、
こういうスラップスティック?な毒とギャグを満載の回も読みたいと思う。
まあ、実際の狩猟でご一緒される人との人間関係はやや崩れるだろうが、知ったこっちゃない。
 
 

「2011年度の作品」と言っていいのかが問題で迷った末に、特別賞を。

大人向け連載の2大傑作を豪華カップリング
さえない中年男がある日突然スーパーマンに!? 落ち目の熟年漫画家が若き日の自分にタイムスリップ!? 藤子・F・不二雄の作品群では他に例のない大人向けの連載作品「中年スーパーマン左江内氏」と「未来の想い出」を、ぜいたくに1冊にまとめてお届けします。『週刊漫画アクション』、『ビッグコミック』掲載作品。(解説/本多健治)

まだ買ってない?
読んでない?

うわっ!!!!!ばかがいる!!!!!!!

残念な形での「特別賞」となってしまった。

よいこの黙示録(1) (イブニングKC)

よいこの黙示録(1) (イブニングKC)

よいこの黙示録(2) (イブニングKC)

よいこの黙示録(2) (イブニングKC)

青山景が描く、新感覚なコドモ達の新宗教絵巻。描き切れなかった物語を読み解くための設定資料集『青山景WORKS』を収録。
 

連載当初に書いた紹介文。
 
■小学校を舞台に宗教誕生?…イブニング「よいこの黙示録」に大期待する理由
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101024/p2
 
膨大な作品を残した手塚治虫ですら「火の鳥大地篇」「グリンゴ」の続きが気になる。ましてや、この「黙示録」は・・・厳しい言い方だが、彼は多くの読者が、読み手が得るべき宝を”持ち逃げ”してしまった。

しまった!これを入れ忘れ!!!

じつは受賞が内定していたのに、自分脳内事務局が入れ忘れ、選にもれた。「幻の11傑目」として、1日遅れで賞させていただく。・・・なんかこのほうが、かっこいいな。

ドミノ、折り紙、避難訓練、そしてネコ……。多種多様にしてその展開はナナメ上。謎の男子生徒・関くんの遊びは、なんでもない机の上を遊園地に変え、隣の席のマジメ女子・横井さんを魅了する! ……授業中なのに。静かな授業中の教室という限定空間で展開する、ときどき超展開、ときどきシュール、ときどきほっこりな閉鎖空間コメディ登場!!

参考 過去の「賞」です。

■2010年度漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110327/p1

■2009年漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091210/p2

■2008年漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231#p4

(2007年は「06年とほぼ同じなので休み」となっていた)
■2006年漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061230#p2