上で「ジ・アルティメット・ファイター(TUF)」のセリフを紹介したが、ふき替え翻訳によるものであります。字幕だと、文章量としては良くも悪くも、もっとシンプルになる。
さて「日本最高のコラムニスト」という評価もすっかり定着した読売新聞「編集手帳」子の最新新書から、孫引きの形で引用。
当代随一の名文家が文章術の秘密を初めて明かした!
- 作者: 竹内政明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/01/20
- メディア: 新書
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読者新聞の看板コラム「編集手帳」を十年以上に亘り執筆してきた著者が名文の生まれる裏側にご案内。「私の“文章十戒”」「刑事コロンボの教え」など、笑って、胸打たれて、ためになる―前代未聞の文章読本。
かつて人気を博したテレビドラマに「刑事コジャック」「刑事コロンボ」のふたつがある。この両ドラマ、額田やえ子さんが共に翻訳した…のだが、コワモテのコジャックと人懐こいコロンボではもちろん語り口、口調が違う。
翻訳者は、同じひとことでも、こう翻訳を使い分けた、のだという。
一覧表にしよう。
英語原文 | コジャック | コロンボ |
---|---|---|
Come On! | 「早く来い」 | 「こっちこっち」 |
That makes sense. | 「筋は通ってる」 | 「ごもっともです」 |
Let me see that. | 「見せてみな」 | 「ちょっと拝見」 |
Hold it! | 「待て!」 | 「あ、そのまま」 |
You gotta be kidding. | 「なめるんじゃねえよ」 | 「ホントですか、それ」 |
名人の技、ここに至る。
それに着眼し、自著の「文章術」の一例として紹介するものも、また名人かな。
元ネタの本は、一度文庫になったようだ。
外国映画翻訳30余年のヴェテランが、自然で口に合ったいきいきした言葉に訳すにはどうしたらよいか。絶えず変化する米語、日本語のなかで、その苦心、ノウハウを語る。
- 作者: 額田やえ子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1989/02/10
- メディア: 文庫
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