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イラン
大規模な反対デモが実行され、しかも、それが全国規模に拡大してしまったのだ。その国民の抵抗の前に、10パーセントの投票箱の票を数えなおすという、妥協を権力側が示したことによって、権力側の敗北は明らかになった。
権力側は妥協を示すことによって、国民をなだめられる、味方につけることが出来る、と判断したのであろうが、国民の側は権力側の弱腰と動揺を、正確に把握したようだ。
そして、待たれていた金曜礼拝のなかで、ハメネイ師が選挙の正当性を力説し、次いで、デモを行うものは容赦なく取り締まることを、明確に語ってしまったのだ。この結果、国民はハメネイ師に対する信頼を、完全に失ってしまったということだ。
ハメネイ師の発言を受け、体制側の警察や革命防衛隊、民兵らが、一斉に強硬手段をとるという、強気の対応をとり始めた。
(略)見逃してはならないことは、権力を構成するイスラム学者たちの間に、分裂が生じているということだ・・・・・・。
エジプト
失礼を省みずに言わせてもらうなら、現在、エジプトのムバーラク大統領は死に体なのではないか。あるいは、だいぶ病状が悪化しているのではないか、と思われる。
そうなると、急がれるのは次期大統領候補の選定だ。エジプト国民の間で、最近、オマル・スレイマーン情報長官の人気が、高まっている。エジプト国民の多くが、彼の大統領就任を、希望しているということのようだ。
そうなると、あせりを隠せなくなるのは、ムバーラク大統領であり、彼の次男ガマール氏であろう。もちろん、彼らの取り巻きにとっても、同様にオマル・スレイマーン氏の人気の高まりは、大問題であろう。
大統領にガマール氏が就任しない場合、多くの政府高官、経済人が逮捕、投獄される危険性があるからだ。従って、何としてもガマール氏を担ぎ出し・・・・・・