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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「辞書と古典と岩波の運命」コメント欄から

今日は「あれ?格闘技で書くことが無いや、どうしよう」と迷って時間を浪費してしまったため、食い足りない。時間があれば他のエントリも書けるが、ちょっとそうも行かないためにこの前の話題のコメント欄をエントリ化しよう。コメ欄は検索できないから、その対策でもある。

みちん広辞苑に限らない話だけど、「その他の手段」も紙の辞書をソースにしているわけで、改訂版を買う買わないは別として、「その他の手段」で使われるためにも、アップデートしないと話にならないわけで、このまま20年・30年放置したら、使い物にならなくわけでしょう。「その他の手段」も紙の辞書がなくなれば、それに代わるものを自前で構築しなければならなくなるわけで、広辞苑を改定するのとなりゆきは同じじゃないと思いますが。』

goodbye_bluemonday 『辞書は最早PCソフトや携帯辞書ツールの方が需要があるんじゃないかな? 自分、広辞苑、書籍版は4版しかもってないけど、PCソフト版は4版、5版とももってますよ。6版買うかは未定だけど。但しPCソフトの場合、抱き合わせで安く買えるセールとかあるので、結局いつかは買ってしまうと思います。百科事典がPCソフトだと1万円で買える時代ですから。やっぱりウィキペディアなんかと違って信頼性は高いし、ネットなくても見られるし検索性もいいです。
現代用語の基礎知識」も過去のマトメセールで何年度版まとめてPCソフトでもってるけど、こっちは見事なくらい使わない。が、やっぱり国語辞典は必要(というか自分は凄く使う)。国語辞典に軽い百科事典要素も兼ねる広辞苑はやっぱり使用頻度高い。別に「いけ面」を広辞苑で引く予定はないけど。』

野球とMSX 『紙の広辞苑で持っているのは第4版。今はほとんど使わない。以前使っていた電子辞書のコンテンツにあったのは第5版。
現在使っている電子辞書には、日本語の基本辞書としては、広辞苑ではなくて「スーパー大辞林」(三省堂の電子版コンテンツ)が入っている。最近の電子辞書は、広辞苑でなくスーパー大辞林を採用する機種も多い。
広辞苑は、基本的な語彙の説明が古くさい表現で収録されていることが多く、日常使う分にはスーパー大辞林で不便は感じない。むしろ説明が簡潔で分かりやすいことも多い。
ただし、広辞苑には日本語の項目に「旧かなづかい」がつけられている。和歌や俳句の鑑賞には役立つ。古語辞典は言葉も少なく引くのが面倒なので。』

guestroom青空文庫良いですね。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se077067.html
これで青空文庫をまるごとダウンロードして、ワープロで体裁整えて紙で読んでます。』

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goodbye_bluemonday 『辞書の件、流れがそっちの方向であることは間違いないですけど、結局ブラウザで起動するウェブアプリであるうちは、ローカルにある辞書の使い勝手には勝てないと思います。すべてのウェブアプリがそうなんですけど。だからエクセルとかワードみたいなアプリだと、グリフォンさんが前にとりあげていたウェブアプリでは、使い勝手という点で、恐らく永久にローカル使用に特化したアプリのワードやエクセルには勝てないという。なのでプロユース的なものは必ずローカルアプリとして残ると思います。
辞書という分野は、グーグル的なものが背景に存在するので、ネットを通すことによって、ウェブアプリがローカルアプリに勝てる可能性がある数少ない分野だとは思いますが、現時点では、あくまでそれは補完的なもので、主力の辞書をネット辞書におく気にはならないです(自分が少数派なのかもしれませんが)。つまり、グーグルの使用頻度は高くても(その結果、ウィキペディアに飛ぶことはあっても)、Gooの大辞林は使わず、基点はローカルの辞書になるという。で、使用頻度からいったら90%くらいは基点しか必要ないという。』

ジャズ大名 『岩波さんは電子辞書やPCのバンドルソフトとして広辞苑を販売し、ライセンス収入が莫大なものになっていました。かなりの高額ライセンスだったようです。一方でプリント版はかなり売れ残ってしまったとか。そこに三省堂小学館の辞書が新版として新しい内容で、しかも電子辞書メーカーにとって安いライセンス料で契約をしてきた為、徐々に岩波の契約が切られると言う事態が起きているそうです。今まではオンライン版辞書も隆盛です。これまで出版社主導で刊行にまつわる一切を決められたのが、今ではハードメーカー・IT企業の思惑が絡んでくるという図式になりました。』

gryphon 『ふーむ、各社のPCのバンドル辞書がどのように移り変わって行ったか、だれか調べてくれると面白いんだけど。ところで業界内的に、岩波書店の経営について何か情報はありますかい?> 某出版関係者』

某出版関係者 『いやー、俺も正直岩波書店に関してはそんなに知らないのです。ネットで得られる情報レベルでしか。
ただまあ、当面紙媒体がなくならないであろうことを考えると、ブランドとしての「岩波」はそれなりには価値があると思うので、ゆるやかな下降線をたどりつつも存続する、のではないかと。2001年時点でのこととはいえ、あれだけの土地資産を持ってるわけだし。
出版社で不動産を持っている、っていうのはそれだけで価値があることなのです。
うちらみたいな小出版社にとってはうらやましい限りで・・・。これは楽観的に過ぎるのかな?』

goodbye_bluemonday グリフォンさんは岩波の没落ということに敷衍したいが為に「広辞苑改版の意味のなさ」「辞書はどんどん紙媒体からネット辞書へ移行する」ということを持ち出したと思うんですが、その意味では、前者はまあその通りだと思いますけど後者を使うのは厳しいですね。もうご理解頂けたと思いますが、やはり紙メディアとネットを含めたビットメディア自体を対置させないと。そして、その意味ではとっくに岩波は商売していたと(今後のことは知りませんよ
ちなみに、広辞苑、PCへのバンドルは元々そんなに多くないんじゃないかな。あんまり見たことないです。バンドルだと利が極端に薄いんですね。他のソフトはバージョンアップで商売するものなのでバージョンアップが滅多にない辞書ソフトはバンドルしにくいと。で、PCソフトとしては岩波が売ってるわけではなく、昔なら「システムソフト」、今なら「ロゴヴィスタ」が出しているのが1番売れてそうな感じですね少なくとも店頭には1番並んでいるし、自分もそれです。』