INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

日本の辞書における「結婚」の定義・・・いつ、どの辞書が「男女」の限定をはずすんだろうね。

この前、ちょっと複数の辞書をまとめて見る機会がありました。といってもかなり古く、少なくとも10年近く前の版ばかりですが。

ふと思いつき、「結婚」の項目を見てみました。

広辞苑  男女が夫婦になること。婚姻。

日本語大辞典  男女が夫婦になること。今日の社会では法律上の手続きを裏づけとし、社会的に認められ、経済面、精神面でお互いに助け合いながら、いっしょに暮らすことをいう。婚姻。

辞林21  男女が夫婦になること。婚姻。

ついでだから、ネットで見られるものも含めてみよう

けっ‐こん【結婚】 [名](スル)男女が夫婦になること。(デジタル大辞泉

けっ‐こん【結婚】-日本国語大辞典
〔名〕男女が夫婦となること。夫婦の縁を結ぶこと。婚姻。


ふーん・・・・
さて、何をいいたいかお分かりでしょうか。
21世紀のこの世の中、これらの辞書は軒並み失格・・・どころかとんでもない保守反動、因循姑息、人民の敵、狂信と差別の徒・・・としてあつかわれる可能性が出てまいりやした、ということです。

そう、「同性婚」(同性結婚)ですよだんな。
これについてははてなキーワードと、そこから関連記事が飛んでいるので略す。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%B1%C0%AD%B7%EB%BA%A7

米国大統領選挙がまもなく投開票となり・・・争点として大きく扱われた、というほどではないが、まちがいなく一定の影響もある昨今。
というか、日本でこの後どうなっていくか分からないが、アメリカの一部の州や英国、カナダ、スペイン・・・などだっけ?ですでに制度的に同性結婚が成立しているいま。

上のような辞書の定義はどうなっていくのだろうか?
「いや、一般的にはどうかんがえてもこういう定義ですよ。例外をいちいち追ってもしょうがない」となるか。これをふまえて変更となるか。
というか、紙でみたのは古い版だから、もう変更されているところもあるかもね。


まだ変更されてなくても・・・秒読みでしょうな。
なにしろ腐っても岩波。やせてもかれても安江良介が亡くなっても、日本の「進歩的文化」の卸問屋の看板はおろしていない。
そこの代名詞、広辞苑が「まだ」上のような語釈を結婚に対してしているなら、そっちのほうが驚き桃の木。へたしたら絶版回収レベルじゃないか?という気がする。
まだ六版を確認していないので、ひょっとしたら既に修正されているかもしれませんが、されてないという前提で言うと・・・


広辞苑改訂といえば擬似イベント感、恋のからさわぎっぽい空虚な話題が流布されるけど、これは予言・・・。たぶんこの「結婚」の項目は、まさに「進歩的改訂」がなされるでしょうな。そして目玉のひとつになる。

2008年(平成20年):『広辞苑』第六版発行
が最新の改訂。このときは10年ぶりの改訂だった。2008年なら、同性結婚のことを踏まえていてもおかしくないな?? もし改訂期間が同様なら、2018年までひっぱるのだろうか。
ならば別の辞書がいち早く改定するかもしれない。

追記 その後のお話。

三省堂辞書の「結婚」項目は、既に同性婚を視野に入れた語釈をしている。 - ) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140504/p2
  
三省堂国語辞典が【恋】の説明を見直し→「男女の間で」を削除 http://irorio.jp/nhikaru/20141114/178410/ @IRORIO_JPさんから

海外の辞書(米国や英国、カナダ)はどうなっているだろう?

もともと「辞書の結婚の定義」に興味を持ったのは・・・

https://www.dropbox.com/s/smt6kosxwfs3xc0/SHIMIZU_LegalConstruction.pdf
アメリカにおいて提起された世界初の同性婚訴訟として有名なBaker v. Nelson148において,ミネソタ州最高裁判所は,ウェブスター辞書の結婚の定義を引用しつつ149,「男性と女性の結合としての婚姻制度は,唯一家庭内での生殖および子の養育をともなうものであり,それは,創世記同様,長い歴史を有するものである」などとし,婚姻とはその定義上男女の結合であること,ほぼそれのみを理由として,原告の請求を退けている

ぶわはは。 辞書が裁判を動かす、なんてことけっこうあるのかしら?
で、あれだけ社会的な「争点」になっているあっちの国、文化圏では、このへんのことは最新の辞書ではどうなっているのかしら?

ここでお願いです。
英英辞書の所有者、あるいは海外在住者の方で調べることが可能なかたは、出来る限り新しい、そして権威ある辞書の中で「結婚」がどう定義されているか・・・とくに同性婚をそこに含んでいるような読み方ができる定義か、教えて頂ければ幸いです。

けっこう、海外では「辞書戦争」は一般的らしい。

辞書の出版社に対し、こういう社会問題に対して、その項目の説明、定義を自分の主張に合うように意見をぶつけるのは一般的な活動だときいたことがある。


この記事を書くきっかけになった、もうひとつの要因

3DS用ゲーム「ファイアーエムブレム 覚醒」、ゲーム内で同性婚ができないことが海外で論争に
 
あるAnonymous Coward 曰く、
任天堂の人気ゲームシリーズ最新作「ファイアーエムブレム 覚醒」には、ゲーム内でキャラクター同士が結婚するシステムがあるのだが、これに対し海外の同性愛者向け情報サイトQueertyで「異性間での結婚しかできないのはおかしい」との声が上がっている(みやきち日記)。

Queertyでは掲示板サイトNegGAFでのコメントや男性キャラクター同士が親密に会話する様子をを引用しつつ、彼らが結婚できないことに不満を述べている。

■「FE覚醒同性婚できないのはおかしい」→批判を回避する設定を考えよう
http://d.hatena.ne.jp/lochtext/20120731/1343742239

これは盲点だったでしょーー!
こんな政治的にただしくないゲームが蔓延しているとはね。
 
そして政治的に正しいゲームもできました。

http://sankei.jp.msn.com/wired/news/120803/wir12080310530002-n1.htm
ボードゲーム「人生ゲーム」は1960年に登場したが、それ以後も少しずつ時代に合わせて進化してきた。しかし、iPadと連携させる最新の「zAPPedエディション」は、とりわけ劇的に変化している。(略)・・・ 最も興味深い変化は、結婚するときに体験した。オリジナルのボードゲーム版とこれまでのiPad版では、女の子のキャラクターであれば自動的に男の子と結婚していたが、

最新版では、同性との結婚を選択できるのだ。


さて、自分がやったゲームというのは実に種類が乏しいのだが・・・そんなゲームの中に、KOEIの「青き狼と白き牝鹿」というのがあった。

これはたしか「オルド」があり、そこでこどもが生まれると絶対の忠誠を誓う部下となり、肉親ではない武将は裏切りを心配することになるがそうはならない・・・という設定があったのだが、上のような批判はあびないのだろうか?
批判以前の問題か。

自分はやったことがないけど、ドラクエで最後に結婚相手を選ぶ、というのもあったような、なかったような。


追記
その後2018年、恋愛や性関係の語釈に、このような変化があったという

高校生向け『三省堂現代新国語辞典』第6版がヤバいから高校生じゃなくても買え - 四次元ことばブログ http://fngsw.hatenablog.com/entry/2018/10/18/174528