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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

次に知らない誰かの手に渡る「図書館の本」を使い、謎の暗号やメッセージを送るいたずら…について(税金で買った本)

「税金で買った本」117話と118話に、子どもに図書館の仕事を体験させるイベントが描かれています。
※自分は少し前にヤンマガで読んだんだが、記事を全部書いたあと、いま無料公開中だとわかった!
分ってれば構成、すこし違ってたんだがな……
comic-days.com
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税金で買った本

この中に、「面倒くさいイタズラ」をする子が再登場するんだけど、

税金で買った本

いろいろ細部は略して、ちょっとオチ部分に当たるところで語っちゃうけど(当方は気にしませんが、気にする人は戻れ)


要はこの子は、図書館の本に「暗号」を仕込むのであった。もちろん本に直接落書きをするとかは許されませんから、そうでない所に仕込む。

税金で買った本 暗号
税金で買った本


あー、と、ね。

ひょっとして、ネット時代には減少してる、滅びたのかもしれない。


図書館の本は構造的に、自分が借りたり、読んだりした後、どこの誰かも知らない不特定多数の人の手に渡り、開かれる。

これを利用?して、しおりのように何かが書かれたメモ用紙を挟んだりされたりすることあった。
(多分まじめな図書館の人は返却時に開いてそういうのを取り除いたりするんだろうが、全部はやり切れないだろうし、さらには棚から出した本に直接挟んで戻してしまえばチェックしようが無い)

それはネット上で誰かが自分の文章を読んでくれる、とか、あるいは手紙を入れたビンを海に流したり、手紙付の風船を飛ばしたり、そういうのに似ているだろう。



そもそも、世の中は結構散文的なもので、ミステリーに出てくるような「謎」は、日常にはなかなか登場してこない。
推理に才能が有るか…いやなくても、「推理小説的な世界の住人になりたい」と思う人は、そういう場を願ってもなかなかやってこない。いわゆる「知恵働き」ができないのだ。

この現実への抵抗や不満が、例の「小市民シリーズ」や「古典部シリーズ」のテーマといえばいえる。



それでも町は廻っている」では、まさにこういう子が高校生になったような嵐山歩鳥に対して「探偵脳」という造語がなされていた。

それでも町は廻っている「探偵脳」嵐山歩鳥

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バクマン。は劇中劇というか主人公が描く「漫画内漫画」として、こういう最終的にはまあ無害な、だけど”犯罪”っていえば犯罪かなぁ、なことをする集団が登場する話が出てたな
10巻ぐらいからはじまる

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で、そこで出てきたのは
完全犯罪クラブ』。教室の友人のペンケースを、中身までそっくりのものを用意してこっそり入れ替えたり、例えば「銀行の金庫に入って「侵入したよ」と張り紙だけして何もとらずに出るとか・・・要は実害は無いという限定の中で、怪盗やスパイ的な行動をとっては楽しむ、そんなミステリーチックな少年達を描く、というお話らしい。
主人公コンビは実際の友人らを対象に、その実例に近いようなことも行って成功させます。
(略)
ある意味日常生活の中にスパイ的視点、意識を持ち込んで実益を得ようという点で不純でして、実はみみっちい日常、「終わりなき日常」を・・・ことさら「スパイのためのスパイ」「探偵のための探偵」で遊ぶ、これが面白いんですよ。ちょっと分かりづらいかなあ。

バクマン。10巻の「完全犯罪クラブ

小学生が小さな完全犯罪をしていく話なのですが、
確かにやってることはセコイのに不思議とワクワクするんですよ。
できそうで想像しやすいからなおさらなんでしょうね。
これは面白そうです。
バクマン。 10巻 完全犯罪クラブ! -- 良キ漫画求ム!

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「ひと騒がせ」論としても、このブログでは書いてきたか。
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そんな、日常の中に推理小説・ミステリ的な「謎」が足りないので、自作自演というか実利益が無いのに意図的にそんな「謎」を作り出し、或いは解きたいと思う欲望……の一環として、不特定多数の人間が「本」を通して実にかすかな繋がりを持つ「図書館」を舞台に、子どもらしい稚拙な暗号を「仕込む」という、今回の「税金で買った本」の挿話は、いろいろ思うところもありました。



※自分の実体験は割愛するところが、コンプライアンス的に狡猾。