人気作であることは論を待たないが、ネット無料公開された回(94杯)がものすごいバズりを、はてな界隈で見せた。なにしろブクマは400越え。
そのひとつ前の93杯も無料公開中なので、合わせて。
この2本だけでも、たしかに多くの読者にインパクトを残す回なのだけど、ただ、ある程度全体像を知ってもらったほうが深く読めるかと思う。
実は、そう思ってこのシリーズになってから場面場面を保存して準備してきたんだ(笑)。まもなくこのシリーズ完結っぽいから、最後に紹介しようと思ってたんだが、思わぬバズりで前倒し、簡単に書く。
※……だが、この後の展開に関しては、待っていればいずれネット上での無料公開も勿論あるはず。それを読みたい人は避けてください。
次の回で、「なぜに芹沢はかつてのライバルとはいえ、手厳しくここまで原田を追い詰めたのか?」それについて自ら語るのだが、それが何とももの悲しく、そして美しい。
そもそもでいうと、ふたりは新進気鋭、自分の店を出して創作らーめんを世に問おうという時、その才能を認め合った同志、仲間だった。
だが、その理想はあまりにも斬新すぎ、どちらの店も流行らず倒産一歩手前までになる。
そのとき、ラーメンハゲこと芹沢の方は、大衆向けのラードなど味が濃い目のラーメンを出して、そこから逆転する…というのは、このシリーズのたとえば「らーめん才遊記」86話などで語られる有名な挿話だ。
しかし、この原田は、その濃口ラーメンを食べて、こうつぶやく…
「結局、バカは俺一人かよ…」
それは、芹沢にとって、大きな重荷だったのだという。
あいつとは仕事仲間でもなければ友人でもない
ラーメンへの志を同じくした、
まさに同志だった。
その関係は なあなあではすまない。
どちらかが志を曲げたら終わりだ。(略)
理屈ではいくらでも正当化できるが、そんなことはどうでもいい。
とにかく俺は原田を裏切り、大きな借りを作ってしまった……
そんな思いがあるから、あそこまで原田を潰しにかかった、というのがラーメンハゲの真意。
その前にも、彼はこういう思いを、つぶやいていた。
原田に俺がしてやれること…
介錯してやることぐらいか…
さて、この作品、なぜか意味不明というか無理やりのようにプロレスのネタをぶっこむことでも有名だ。前シリーズでもこんなんやってたっけ?
最近は誰もついてこれないレベルにまで行ってて、3分も無駄な時間を浪費してる、という表現として
「吉成名高ならとっくにKO勝ちしてる!」とかまで言いはじめた(笑)
その他の例
ビッグコミックスペリオール「らーめん再遊記」ラーメンハゲ芹沢がまた物議を醸すことを(苦笑)
— ふるきっつあんの不条理ツイート。 (@foolkitchen1) September 25, 2023
芹沢が現行のプロレスに対して抱く思いは古参ファンに共通するものかも…
ただ僕には「こじんまりしたホンモノ」になったのでなく「ニセモノであることに開き直ってしまった」ように思え…いやいやいや(^^; pic.twitter.com/nKT4Q13L81
らーめん再遊記の作者がプロレス好きだとバレた瞬間 pic.twitter.com/9ZkQrnypvn
— 浜栗之助@血統屋さん (@maybe_moonlight) July 2, 2021
「らーめん再遊記」4巻やっと出た。国際プロレスやパイオニア戦志やテリーファンクの話題で盛り上がるプオタの芹沢さんが読めるのはこの巻だけ!w pic.twitter.com/lWeK4bCQs4
— R・こばやし/dion軍 (@R_Kobayashi) December 28, 2021
「ラーメンハゲ」芹沢達也人気でビッグコミックスペリオールの中核をなす「らーめん再遊記」でなぜか国際プロレス話(笑)全く似てないマイティ井上はともかくwブラック・ロッキード(https://t.co/hpjXqdcavz)て…(^^;)。そういえば同時期新日にもタワーリング・インフェルノなんてレスラーがwww(^^; pic.twitter.com/Y8L5GhNjP7
— ふるきっつあんの不条理ツイート。 (@foolkitchen1) April 24, 2021
ビッグコミックスペリオール連載「らーめん再遊記」、今週のプロレスネタ(笑)。
— ふるきっつあんの不条理ツイート。 (@foolkitchen1) June 12, 2021
まさかここでテリー引退ネタ来るとは……(苦笑)。
あのチアガールのお姉さんたちはどこ行ったんでしょうか(^^;)。
ちなみに「ふぉえば~」は動画12分前後から。
似てねえぞ、平田(笑)(^^;)。https://t.co/md90Blbi3t pic.twitter.com/0Eh0WRheuQ
らーめん再遊記6巻購入、芹沢さんも有栖さんもめんどくさい活字プロレスマニアぶりを発揮する巻なのでオススメw pic.twitter.com/8Wy9PdN0U4
— R・こばやし/dion軍 (@R_Kobayashi) December 29, 2022
少しリツイート多いので、過去の「らーめん再遊記が無理やりぶっこんだプロレスネタ」紹介を。
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) September 25, 2023
漫画「らーめん再遊記」に唐突に格闘技ネタ(それもかなりマニアック)が登場し、ちょっと嬉しかった - https://t.co/As2wAxj6bG
こっちでも書いたかhttps://t.co/Vq1JjzK1Zxhttps://t.co/CJk6oYy7sj pic.twitter.com/nFA3HYmowf
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いや、キリがないのでやめ!!!本題に戻る。
こういうふうに、プロレス話はこれまで、基本的に「何を言い出すんだ」的な脱線小ネタ、笑いを誘うものだったが………
今回の、若い時代に結束したが、理想を純粋に貫くか、現実と妥協しながら一歩ずつ前進していくか?をめぐって物別れとなった彼らが、時代が変わって、ある意味で当初の理想をやり得るような環境の中で再開し…
かつての負い目と、「いやその中で俺はここまでやり遂げたぞ」、という自負と、
自分は筋を曲げなかったという自信と、「だからこそ今の現実にはついていけないのでは?」という不安が、かえって虚勢に変わることろなど……
これは、そのままではないが、新日本プロレスからUWFが生まれ、発展し、しかし3派に分裂し、そしてリアルファイトたる総合格闘技PRIDEやUFCが別の場所から生まれ、そこに呑み込まれ、しかしそこも崩壊し、だがさらにそこからRIZINが…という、あの時代のドラマにヒントを得たシリーズだったのではないか?と、そういう仮説を立てる。
もちろん、それを詰める根拠はない(笑)。というか、その場合、誰を誰と見立てるのかもいろいろ考えが別れると思う。あいつが佐山か、はたまた前田か。谷川貞治や榊原信行のドラマなのかもしれない……
そんな、背景情報と邪推を、らーめん再遊記94杯のバズり記念に。(了)
「らーめん再遊記」、度々「残った者の孤高と寂寥」みたいなモンを「台詞なし」で描いてて。
— 久保商店 (@KUBOSHOUTEN) June 15, 2024
今回の「麺窟王編」も要所要所でラーメンハゲ先生が無言で泣かせに来る💦
芹沢が原田を救う事で、芹沢の寂寥も癒されるのを願うよね。 https://t.co/f0Ao0m6QQg pic.twitter.com/F1VgT0UN4t
当ブログの、同作品に関する過去記事
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