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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

国際軍団は「悲哀」で語られがちだが「(悪役として)日本を熱狂させ国技館も札止め、どうだ!」との高揚感も絶対にあった…という話

引用するポストはだいぶ以前、ことし2月のものなんだけど、いつかこうやって埋め込んで保存しようと思いながらやりそびれていた。
ちょっとあることを機に思い出したので、おくればせながら。


※「たくさんの反響をいただきました」だから、この前の関連ツイートもあるわけだけど、数か月前なものでちょっと遡れなかった。

猪木vs国際軍団 一対三


なんとタイガーマスクの熱狂や長州力の革命、IWGP王座創設の真っただ中で、1980年代の新日本プロレス中継で一番の視聴率を取ったのがこの抗争だったのだ

……試合は、猪木が、先ず寺西を腕ひしぎ逆十字固めで、続いて浜口を延髄斬りで沈めるも、最後に木村にリングアウト負け。解説の桜井康雄が「これはねえ、2vs1で、猪木の勝ちでしょう」と憤っていたが、確かにそういう見方も出来るからこそ、意義的には、不毛な試合だったとも言えよう。ところが、この試合の視聴率が、何とこの1982年の「ワールドプロレスリング」1位の数字を叩き出したのである(23.7%。正式には放映時間の都合上、試合の前半のみの放送だったが、翌週のノーカット版も21.5%の高視聴率だった)。

 1vs3というブラウン管上の絵面のインパクトはもとより、猪木が1人を幾ら攻めても、国際軍団がタッチすれば元に戻ってしまう悲壮感や、乱入しようとする国際軍団山本小鉄レフェリーらが見事なタックルで止めるなど、通常の試合にはない面白さがあったのも確かだった…
news.yahoo.co.jp

ここで思うのは、悪玉・善玉とともに「勝ち役・負け役」のことでもある。
あからさまに語るのもアレだが、プロレスがいわゆるスポーツ競技と一線を画す、プロレスならではの独自性として、勝ち役、負け役がいる。
ここは大前提としよう。

では、その特殊性にかんがみて、どこかの偉い人が指をアップだダウンださせて自由に決められるか?といえばそうではない。
ある意味で、スポーツ競技ではないからこそ、誰が「勝ち役」で、誰が「負け役」かは大きなこだわりがあり、これを調整、決断して皆に守らせるのは並々ならぬ力量が必要なのだ、と斎藤文彦氏らは言う。

もちろん、それを受け入れる側の器量も問われる。
そういうものと考えれば、国際はぐれ軍団の「悲哀」と「栄光・高揚」を、表裏一体のものとして吟味する……
プロレス地獄変」のアンチテーゼではなくジンテーゼアウフヘーベンする何かが必要なのではなかろうか。


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