この本や映画自体というより…こういう物語は、それなりにある。
「保護する権利の無いあの子を保護した。それは法律的には、問題があったのかもしれない。しかし、そこにあった真実の愛や繋がりは、自分たちだけが知っている」
というジャンル。それを、仮称「正義の誘拐もの」と呼んでみよう。
ややユーモラスな味わいを乗せたり…たとえば
”人質”のほうが悪知恵とか冒険好きとかとにかく「一枚上」で、”犯人”が主導権を奪われる、というコメディ仕立ても
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追ってくる側との壮絶なチェイス、アクションが加味されたり、
双方の年代や関係性を調整すれば、ラブロマンス的になったりもする。
元祖はアルセーヌ・ルパン「奇巌城」ではないか、という説をちょっと唱えてる(確信はない)
そのうちのひとつが、
この「八日目の蝉」であり、
凪良(なぎら)ゆう「流浪の月」であり
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関係ないが作者が「銀英伝二次創作によって小説への道を踏み出した」ことで印象に残る。
第17回本屋大賞が7日、凪良(なぎら)ゆうさん(47)の小説「流浪の月」(東京創元社)に決まったと発表された。凪良さんはボーイズラブ(BL)小説のジャンルで10年以上のキャリアを持つ。BLより広い読者に向けて書いたのは受賞作が3冊目。小説に踏み出したきっかけは、「銀河英雄伝説」の二次創作に30代ではまったことだ。
「万引き家族」とかだって、このジャンルに入る、っちゃ入る。パルムドール受賞。
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そんないろいろある中での、平凡…悪く言えば凡庸なワン・オブ・ゼムが「幸色のワンルーム」であるにすぎないのに、あれがドラマ化された時に、あれ「だけ」、なんであんなに批判されたのかいね?内容的になんか特にひどかったの?
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「許されない犯罪である誘拐、法的に保護者でもない人間が保護するような展開を『実はそこには斟酌すべき事情や、当事者間の魂の触れ合いがあったんです』みたいに描くのはゆるされない」…という(だけ)なら、だーいたい当てはまるしさ。
いちいち張るのは面倒だから、当時の「まとめのまとめ」だけ。
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ああ、タグ経由にすりゃもっと確実か
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あと、拙作まとめ。
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1話試し読みあるけど、この1話を読んでも、漫画として続きが読みたいとはぜーんぜん思わないな(好きな人には申し訳ない、not for me だ)
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だが、そういう低評価の理由が「よくある正義の誘拐ものじゃん、ありふれていすぎるよ」なので、だから逆に「えっ、この作品(だけ)許されないの?」「じゃあ大まかに言って同展開の、その他のジャンルは?許されるの?」と、当時も今も思ったもんでした。
そんな、作品自体を楽しむには実にノイズになりそうな問題提起を、心の片隅において、本日20日のNHKBSで放送される映画「八日目の蝉」をお楽しみください(笑)
そういえば、最近では「片方の配偶者がモラハラを含めたひどいDVをしているので、緊急の避難として子供を連れて逃げた。でも、正式な法的紛争となったら、自分の主張を証明できるかどうか自信がない…それでも『誘拐』になるの?」という種類の主張がにぎわうし、それに対して「冗談じゃない、そのDVの主張は根拠がない。あなたの行為はどこに出しても恥ずかしくない『誘拐』です」みたいな反論の応酬も見られる。
エンタメ、創作でない場合は、真実が明らかになり、まずは子供の利益が何よりも守られることを願ってやみません。