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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【小説】「トー横キッズに歩み寄り…彼らを民青同盟に入れる」の真意は、こういうものでは?という、想像。

我々はトー横キッズに歩み寄り、対話ができる方法を模索中です。彼らを民青同盟に入れるのもひとつの手段です

smart-flash.jp

以下は、小説である________。

「おばちゃんよう、本当にトー横に行くのかよう。あぶねぇって、あそこは警察の手もまったく及ばない無法地帯なんだゼ…」


そうつぶやいたのは、ある少年である。目端のきく、要領のよさそうな中に、無邪気で純真な心も持ち合わせていた。
この少年は、「このぶっそうな世の中、あの強えおばちゃんについてけば食いっぱぐれることはねぇ」とちゃっかり押しかけ秘書になったという運動員である。


その「おばちゃん」は
____赤ずくめの女だった。 シャツも ベルトも ズボンも 靴も。思想までもが、赤かった。


「警察…権力の暴力装置の手が及ばない、そのほうが都合がいいんだ。お前も、革命の本質を理解していない」
「けどよう」
「発言したおまえの姿勢に、根本的な問題があることを厳しく指摘すべきかもな」


その言葉に、少年は震え上がり、口をつぐむしかなかった。


だが________すぐに別の方向から、別の震えがやってきた。


「おうおう、ここトー横は、うちら『のれん街』のナワバリなんだわ。お前らはおとなしく、代々木に帰りな」


しかし、赤ずくめの女性はつぶやいた。
「ほう…なかなか体格はいい。鍛えれば、階級闘争の前衛の兵士としてはものになるかもしれんな。ファシストが敷いた地雷原の突破にはちょうどよさそうだ」


「な、なにをいってやがる?」


共産主義者は、自らの意図を隠すことをいやしむ」


「しゃらくせえ!」
のれん街のチンピラが、懐からナイフを取り出して大きく振りかぶった刹那!!!


そのチンピラの両腕には、ぐるりと針金が巻き付き、拘束された!!

「な、なんだ_______」


「みたか、われらが戦前から受け継ぎし、技。そしてお前は…本など読んだこともないだろうが、文学をその身で体験することになる。「敗北の文学」をな」。
女性の手には、硫酸の瓶があった。そして_______ここからの描写は、青少年の健全な育成に反するので、やや割愛する。



しかし、女の前には、まったく別方向から、新たな刺客が!!普通の人なら「はてな?」とおどろいたかもしれない。
「まてい、貴様!俺に見覚えがあろう!」
「なんだ、福岡の、裏切り者の弟子か」

「いかにも!貴様に濡れ衣を着せられ査問されたが、党本部を脱出し地下に潜って、ほそぼそを紙を売る紙屋にまで身をやつしたものだ。今こそ、復讐をせん!お前らヒョロヒョロの党本部理論家育ちと違い、俺たちは汚れ仕事の『第二事務』担当、修羅の国福岡で鍛えた、真の革命拳法よ!!くらえ」
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だが!!!
「ふん、ピッケルを使う必要も”球根”の花を咲かせる必要もないわ。 お前らは政治的本質を全く理解していないことに、大きな問題がある」


一瞬で福岡の猛者を地に伏せさせ、そう言って笑う赤い女______その赤は、思想や、服でなく、今倒した相手の返り血だった。



その、神がかり的な____いやこの女の前に神はいない。徹底した科学的唯物論である。しかし、その強さは、よるべなくたむろする、トー横のルンペンプロレタリアートたちを魅了もした。
「す、すげえ…」
「この姐さんについてけば…おれたちも、夢が見られるかもしれねぇ」


女は、それらのささやきに気が付くと、懐から、まっかなハンカチを出し、よびかけた。


「貴様ら、この旗の下に集うがいい。おまえたちの死に、意味を与えてやる。この布は、お前らのかばねを包む!!」


歓声がひとつになり、トー横に響いた。
ここに、無法都市新宿に割拠する、あらたな武装勢力が誕生したのである!!


この報は、すぐにその、暴力の街の四方八方に奔った!!


「ぬう、にっくき100年の宿敵、代々木の民コロがここまできおったか。されどあいにく、わが全共闘はすでにこの新宿でもっとも富を抱えるゴールデン街を支配しているのだ。やつらをうちほろぼす日は来たぞ」
そう、ナス型のサングラスをかけて吼えたのは…沖縄に移住し、そこでがんのために早逝したと表向きにはフェイクニュースをばらまき、ひそかに新宿に舞い戻って情報戦を支配する「ネオ噂の真相」編集長!

ナンシー関描く 岡留安留 ジャーナリスト魂

「ふふふ、下界でうごめく蛆虫の中に、なにやら赤い新種がまぎれこんだようね」
はるか天上のフロアから、ワイングラスを片手にそう冷酷に語るのは、東京に君臨する女帝!!




そして________トー横のチンピラどもを切り従えて、すでにその一角の雄になった「赤い女」には、早くもある勢力が接触した。

といっても、おだやかな、腰の低い老人である。ちょいとおすしでもおごってくれそうな、気の良さがあった。

「いやあ、いいものを見せてくれました。まさに、まつりだ、まつりですな。山の神、海の神にありがとうと言いたい…のですが、そちらは無神論でしたのう」
「…ご老人。あなたは」


「おひけえなすって 手前、ギターひとつの渡り鳥にござんす」


「やはりな。そしてこの新参者に、何か御用が」


「その戦いぶりにほれ込みましてな。ぜひ、手前どもの『地下コマ劇場』に招待したいと、こうやってまかりこしました」



新宿________この街は、まだまだ、人々の地を吸い、赤く染まる!!!


(未完)