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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ハイエナ・ジャーナリズム必須論」とは?(森友事件描く漫画「がんばりょんかあマサコちゃん」より)

この話は画像を保存していつか書こうと思ったのだけど、延び延びになっていた。
ただ、物理的にこちらの「時間」が足りず、要点だけ…そして、本当は二つの話題をまとめて書きたかったけど分割して前半だけ。
anond.hatelabo.jp
[B! 増田] V6井ノ原のこと好きでも嫌いでもなかったけど会見みて無理になってしまった…

togetter.com
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先に、個人的に思ったことをひとこと。
そもそも記者会見に限らず、ぶらさがりでも個別のインタビューでも、警察の取り調べでも証人尋問でも、その場には暗黙も含めて何かのルールがあったうえで運営されているのは間違いない。そのルールが不当だ、というパターンも勿論あるのだけど、その場合の原則は「というルールがあった」ことを批判する形にならざるを得ない部分もある。

視点を変えればわかるかもだけど、そもそも記者会見に限られた人数が入り、彼らだけが話を聞き、彼らだけが順番にマイクを握って質問できるのが、その時点で「主催者のルール設定とその受け入れ」なんでね。
今回のジャニーズ会見、フリーやらタブロイド紙やらも相当入ってたけど、たとえば想像してほしいのは「へずま某」とか「某コロアキ」らがその場に入り、ふだんの配信のノリで(…って自分、その種の配信ほとんど未見なので伝聞でしかないけど)会見で目立ったら、とかです。「これまで騒ぎをあちこちで起こしてきたユーチューバーは入れない?お前ら加害者側だろう!そんなルールを勝手に決める権利はない!」とむりやり会場に入った彼らが……なんて想像を。というか70年代、80年代に日本社会の中で猛威を振るい、存在感のあるプレイヤーだった総会屋の、株主総会でのふるまいが過去に実例として刻まれていてな。(また総会屋が、それなりの規模と質の雑誌やメールマガジンを発行し「ジャーナリズム」の一翼を担っていたのも歴史的な事実であるが)

あと、「記者会見なのに制限を主催者が加えている」といえば、森達也氏の佐村河内を描くドキュメンタリー映画「FAKE」に関する会見や取材だったな。その制限は不当だろう、と神山典士氏が批判した文章がBLOGOSに載ったのだが、残念ながらBLOGOSごと消えている。



…だが、それは前段階で、ここから「それでもなお」と続く。


連載の中断とか、いろんなことを経ておそらく最終回目前にまでこぎつけた、インパクトのあるテーマだったのに残念ながら人気作とは言えなかっただろう、森友事件をモデル(といいつつ、まあほぼノンフィクション)にした漫画「がんばりょんかぁ、マサコちゃん」という作品がある。
連載スタート時など、なんどか応援紹介を行ったのだが、こんな「ブログバス江」で紹介しても影響がない…

m-dojo.hatenadiary.com

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で、この作品は森友事件で、夫が自殺にまで追い込まれた妻マサコの視点で描くから、事件後はある意味で「それを報じようとするメディア論」にもなっている。

そして、…時間の関係で、紹介したいところを飛ばさざるを得ないのだが(可能なら、いつか紹介)途中を省略してあれやこれやあって、マサコちゃんは協力してくれるジャーナリストや弁護士を見つけて二人三脚で法的、メディア的にこの問題を追及しようとする。

その際、「どこで告発するか?」をみんなで考えた時…

がんばりょんかぁマサコちゃん マスコミハイエナ論
マスコミハイエナ論 マサコちゃん
マサコちゃん マスコミハイエナ論

「私も含めてマスコミはハイエナです 
 ですが!この国には真実に飢えた嗅覚鋭い獣が必要なんですよ 
 猛獣を最も恐れているのは時の権力者…敵の敵は味方です」

※この漫画に興味がある人は「買って応援」を。

ここで例に上がった「週刊文春」がたしかに100%の正義の味方ではなく、無遠慮、暴走、違法すれすれの取材、駆け引きや裏取引……を駆使して、日々の誌面を飾る文春砲を撃ち続けているのは周知のとおりだ。


また、20世紀末にこれも存在感を発揮した「噂の真相」は、報道の真実性の低さも含めて、このようにその役割を呉智英が絶賛したことがあった

『噂真は情報の公衆便所だ。だが公衆便所は排泄物を集めて流す立派な役目があり、無ければ困るのだ』

これ、原文がどこかに無いか探したが見つからず残念。
「情報の公衆便所」は言い得て妙すぎて、いろんな人が噂の真相を論じる時に引用するパワーワードだが(笑)、編集長の岡留氏は内心この言い方に不快感を持っていたようで(まぁそりゃそうか)、どこかで愚痴ってたな(笑)


話を元に戻して「ハイエナジャーナリズムは、ハイエナだからこそ役に立つ情報をとってくる」は実際に真実な部分はある。

ただ、それによって免罪されるというなら、話は文春や記者会見記者にとどまらないんですわ
まさに2ちゃんねる、5ちゃんねるも
かっちゃんも
ノイエでほいえなひとも
きりこみ一郎も
新宿をコロコロ歩く、ユーチューバーの人も
情報公開請求を大量に都に請求し、法廷で争う暇な人も
山陰地方をループしてる人も
参院議員から、いまは法廷に立ったドバイのひとも……


「あれはハイエナだから、ハイエナならではの形で餌をとってきた。だからハイエナは存在価値がある」といやぁ、そう言える、と思うのです。


そんな話。
機会あれば、これ(がんばりょんかぁマサコちゃん、のある一場面)に関連して、もう一つ追加で。