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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

スピリッツ新連載は「近畿財務局職員・赤木トシオ。その妻・マサコ」の物語だった…第1話試し読みあり

先週、今週と、ビッグコミックスピリッツを普段売ってるところが、売り切れか入荷を絞ったのか(後者でないことを祈る)置いてなかった。
正直、置いてなかったら「じゃあいいや」ぐらいになってたんです。
だが本日、5日遅れで別のところにあって……そして、そこでは巻頭で新連載がやってた。
ただ、タイトルにぶっちゃけ欠片も訴求力が無く(失礼)、パラパラ見てると、なんか冴えない?男性(失礼)と、女性が付き合い始めて、結婚に至るような平凡な話で…はいこれ飛ばしましょー、次週も読まなくていいっしょー、と思ったら、
こういう一節が、あったのだった。

夫婦で夕焼けを見て、綺麗だったという話に、自分でツッコミ?を入れる。
「平凡すぎますか? これじゃあ漫画になりませんよね…」


ん?………これ、なんかの実話がもと? ノンフィクション??
そして、こう続く。落ちる涙とともに。

「でも、私たちは平凡で良かったんです。平凡が良かったんです……」

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がんばりょらんかマサコさん・平凡で良かった、平凡が良かった(森友事件)

読んでる当方
「????」

と、最初から遡って読み直す。いや、やっぱり平凡な男性と、そのひとと結婚した女性の話だが…(※遡った時は「最初のページから」でなかったので、あの冒頭シーンは読み逃してたのです)…その女性は不思議なことに、結婚を決めてから、その人が何の仕事をしているのかを聞いたという。
職業は、・・・・・国家公務員。
すべてのひとのために働く、やりがいのあるしごと、だという。

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がんばりょらんかマサコさん・平凡

・・・・・・・・・以降は、公式サイトに任せよう。

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「がんばりょらんかマサコさん」・・夫は近畿財務局職員、赤木トシオ…

実直な公務員だった夫が、なぜ自ら命を絶たねばならなかったのか?

平凡な夫婦の幸せは、なぜ壊されなければならなかったのか?
国有地が不当な価格で売却された事件の渦中で、関係者の名を隠蔽するために公文書の改ざんを命じられた近畿財務局職員・赤木トシオ。その妻、マサコが「夫の死の真実を知る」ために国と闘うことを決意するまで、そして現在の迷い、怒り、葛藤とは――!?
愛する人の喪失に向き合う、すべての人に贈るヒューマンドラマ。

登場人物紹介

赤木マサコ
神戸在住の普通の主婦。
トシオと結婚し、幸せな生活を送っている。


赤木トシオ
財務省近畿財務局に勤める
生真面目で実直な公務員。

■『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』の成り立ち

この漫画作品はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありませんが、実在する人々の切なる想い、祈りには大きく関係しています。赤木雅子氏と相澤冬樹氏の共著『私は真実が知りたい』(文藝春秋刊)も参考にしています。

本作の制作に際して、主人公のモデルであり、取材協力者でもある赤木雅子氏の望みは「夫、俊夫さんの真実が描かれること」でした。森友学園への国有地の大幅な値引き価格による払い下げに始まった財務省の公文書改ざん事件。この事件が政治問題化されるほどに、そこに巻き込まれた普通の夫婦の「平凡な日々が突然壊されてしまった悲しみ」について、我々は見落としてしまっていなかったでしょうか。

真面目で実直な人間が、組織の圧力で不正を命じられ、その不正に反対すると組織に切り捨てられてしまった。この残酷な事実は、組織の中で誰にでも起こりうることです。だからこそ一人でも多くの方に、未だ事件の渦中にいるご夫婦のことを知ってほしい。そうした思いで漫画の制作が…(後略)

bigcomicbros.net

不幸なことに「この同事件を基にした別のフィクション」は、赤木雅子氏とトラブルがあったらしいが…

同時進行でそうなってしまったのだが、
bunshun.jp
togetter.com


その作品と違って、こちらは赤木氏の理解や支援を、少なくとも今の段階では十分に得られているという。ただし、「この漫画作品はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありませんが、実在する人々の切なる想い、祈りには大きく関係しています」という形で連載するのだという。

かなり最近の、世間を騒がせた事件をノンフィクションに近い形で連載漫画にしていく、という点では、この原作者と「ブラックジャック創作秘話」でタッグを組んでいた吉本浩二氏が、自分の興味だった聴覚障碍者の問題に、スキャンダルの渦中にあった佐村河内氏の問題を取り入れたが、残念ながら商業的な成功を得られず、また佐村河内氏が「自分の味方になってくれないなら、作品に協力しない」というスタンスを取ったため、作品が佳境に入る前に終了となってしまった(…ということを、作品の中で書いているという、非常な奇書。)

※でもそうなら、森達也氏のドキュメンタリー映画「FAKE」も、「味方になるか」的踏み絵を踏まされたのかな…??


さすがに、話を聞く対象者の人間性的に佐村河内氏と赤木氏では大きく違うだろう。ただ、どうしても同時代的な問題を追うノンフィクション漫画には難しさが付きまといかねず……「世田谷イチ古い洋館の家主になる」とか「ゴーマニズム宣言」とか「四角いジャングル」とか…バラバラ過ぎるかなこの例示(笑)



あと、危うく「この作品は…いいや、読みとばそー」と思いかねなかったぐらい、


・第一話は冒頭はともかく、基本としては「平凡な夫妻の出会いと、幸せな日常」を描いてる。
・そしてタイトルが、そういう話であることを全く分からんような題名である……


これは地道に、やっぱりハンデなんでな。
(こうやって見ると、あの異世界ものというか「なろう系」の、くっそ長いタイトルってそれなりに効用がありますねんな。)

だからこそ、これは「あの『財務省近畿財務局』の、土地価格問題と文書改ざんの話ですよー」と、読んだ人間が拡声しなきゃあかん。

もう金曜、ってことは店頭に並んでいるのは金、土、日で、月曜日の新号は第二話になってしまう。

というわけで、遅ればせながら、ここで宣伝した。ひょっとしたらこの後、第一話の無料試し読みが掲載とかあるかもしれない…と思ったら試し読みが既にあるよ!!!いや、ボタンが目立たないよ!ここでまたスルーするところだったよ!!

spi.tameshiyo.me
コミックDAYSやブックウォーカーで導入されてる、見やすい:embed:cite]ができる形式にしてくれよ、小学館

ということで、この記事にも画像を引用しなおした。とまれ、こういう連載が始まったぞ、とお伝え!!