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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「配信あり討論会で、登壇者の発言の報道は『許可』が必須」となると、大変にまずいのではないか

学園祭イベントは、2022年11月19日(土)に一橋大学の学園祭の一企画として加藤ゼミ主催で開催されたものです。事前申込制とし、対面での開催に加えて、オンライン配信(中継および後日配信)を実施しました。

 このイベントは、ゼミ書籍を読んでゼミに入った現役学部生が、「私たちにもなにかできないだろうか」と考え、自ら発案・企画したもので、ゼミ書籍を題材として現役学部生とゼミ書籍著者(大学院生・社会人)らが登壇してパネルディスカッションをおこないました。

 なお、学園祭イベントは、ゼミ書籍を読んで理解してくださっている方々を主たる対象として企画したものでしたので、その内容が不特定多数に発信されることを前提としたものではありませんでした。

researchmap.jp

以下は
ごく一部の論点に過ぎないけど、思ったことを箇条書き的に。

…学園祭イベントは、2022年11月19日(土)に一橋大学の学園祭の一企画として加藤ゼミ主催で開催されたものです。事前申込制とし、対面での開催に加えて、オンライン配信(中継および後日配信)を実施…登壇してパネルディスカッションをおこないました。
学園祭イベントは、ゼミ書籍を読んで理解してくださっている方々を主たる対象として企画し…内容が不特定多数に発信されることを前提としたものではありませんでした。

・「対象」をある層に限定して想定し、企画された催し
・内容が不特定多数に発信されることを前提としたものではなかった催し

であっても、それに報じる価値があれば、自由に、大いに報じられ、論じられるべきではないでしょうか。
それは一連の統一教会(およびその関連ダミー団体)の報道でも、実際に山ほどあったろうし、日本会議やら神道なんとか連盟の会合でもしかり。

今月、自民党議員の大多数が参加する議員連盟の会合で、ある冊子が配られた。そこには「同性愛は精神障害で依存症」など、性的マイノリティに関する差別的な内容が書き連ねられていた。
(略)
冊子が配られたのは、「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合。
(略)
先日の会合で配られた冊子のタイトルは「同性愛と同性婚の真相を知る」。弘前学院大学の楊尚眞氏による講演録のようだ。

news.yahoo.co.jp

 この会合↑や資料が仮に「不特定多数に発信されることを前提としたものではなかった」としても、内容は当然報じられてしかるべきでしょう。



オバマが最初に大統領選に出た2008年、ペンシルバニアの集会で、同州を否定的に表現して同州予備選で敗北した「ビターゲート事件」というのがあったのだけど、これなんかもまさに非公開集会に出席した人が「ハフィントンポスト」で報じて、スクープとなったのだ。

m-dojo.hatenadiary.com



匿名の「専門家」による批判を掲載することはアンフェアですし、これでは反論することもできません。

いや、できましょう?
その紙面に載ったコメントの「内容」に反論すれば足りる。

東京新聞には「大波小波」という匿名コラムがあり、そこから多くの論争が発生しました。
噂の真相」にも麻生幾「宣戦布告」から小林よしのりゴーマニズム宣言」などなど、さまざまな書籍の批判記事が描かれて、そこに匿名コメントも多数あったと記憶しています。
そういうものと、同じ種類のものだと思いますが。

【2月24日追記】
その後、まったく別のテーマですが、こんな記事が話題になりました(はてブも多数ついた)
一番注目されたところが、匿名で『キー局で情報番組の制作に携わるプロデューサー』(要は「専門家」ということですね)とだけ紹介された人物による人物評です。

…キー局で情報番組の制作に携わるプロデューサーが語るのは、“過激な発言をする学者コメンテーター”を好んで出演させたがるという現状だ。

「今の時代ののコメンテーターはただ自分の専門分野だけ話せればいいというわけではなく、キャラクターやタレント性も重視されます。スタジオ、またはリモート出演で個人的な意見を求められた際に、やはりキャラが際立つような発言をしてほしいという気持ちは起用する側にはあります。個人攻撃や政権批判などをしないといった一定のラインを守ってくれれば、あとはどちらかといえば“強めの主張”をしてくれたほうが番組は盛り上がる。成田さんや三浦瑠麗さんもそうですが、やはり毛色の違う個性が立った学者コメンテーターは重宝されがちです」
www.jprime.jp

※この記事内には、同じく匿名の「Abemaの関係者」のコメントも引用されていました。

動画の視聴だけでは取材をしたということはできません。


これは端的にいえば「その質の高い低いは別として、できる」でしょう。

「コタツ記事」はしばしば批判対象となるのだけど、これは逆にいうと最低限、書籍を読んでもテレビを見てもtwitterを読んでも、動画配信を見ても、イベントを客席から視聴してても、その内容を記した「コタツ記事」は最低限の形として成立するからこそ量産されるのですわ。

それでは深い取材ではない、当事者にさらに取材するべきだ、という意見は意見でたいへんその通りだと思うが、たとえば本当に、すべての「コタツ記事」はそこで削除されるべきか?と考えればわかりましょう。



百田尚樹氏の講演会・youtubeでの発言」を配信で聞いて、その内容が(批判的に)論じたり報じたりする価値があれば報じればいいので「百田尚樹氏に直接取材しましたか?してないなら記事にすべきでない」とは思わんのですが。


”話題”の書「ゲームの歴史」内の記述を正確に確認出来たら、引用してそれに批判でも賛同でもできるわけで、そこにプラスして著者に取材できたら、それはそれで素晴らしいけど、そうでないなら批判記事を書けないか、といえば書けるし、そこに匿名でのコメントを盛り込んでも全く問題はないでしょうな。
[asin:B0BM9DR3MF:detail]



学園祭イベントでの現役学部生の発言を引用した直後になされていました…許可なく発言を引用された学部生

ここ、凄く重要ですが…そもそも

・イベントがあり
・そこに登壇者がいて
・発言があった。


その「引用」には果たして「許可」が必要でしょうか?必要がある、とはおもえません。それが一橋大学の学園祭でも、「天宙平和連合(UPF)主催・国際指導者会議」でも。
これらに「許可」が必要だ、ということになったら、それこそ今までの各種報道や評論、ノンフィクション執筆などがひっくり返る驚天動地の大事件です


「許可を得ずにイベントでの発言を全国紙のコラムに掲載することはありえない」なんて、いの一番に統一教会(とその関連団体)が喜ぶルールになり兼ねません。

「プライバシーの侵害である」」でも、全然ないと思います。それがイベントでの発言であり、それが配信されていたなら。


他人の本を批判する際に、匿名で批判するということはありえない

これも上記の文章参照。、というか、この記事批判文に出てくる、固有名詞の出てこないまま意見が紹介されている「ゼミ生」「学部生」と、「日韓関係の専門家」の間にあまり違いを見い出せません…。


てか、これを連想しましたよ。

……報道機関(特に民放ワイドショー番組)が使用する映像コンテンツの中に、当法人(および韓国世界本部)に対して使用許可をとらない、明らかな著作権法違反とわかる報道内容が散見されるようになりました。

 つきましては、当法人が著作権を有する映像等について、これまで当法人の許可なく使用した報道機関に対しては、即刻使用を取りやめるよう要求します。今後、当法人の許可なく、当法人の著作物である映像等を無断使用することは絶対にしないで下さい。この警告にもかかわらず、無断使用をした場合には、法的手段を講じる所存ですのでご注意下さい。
ffwpu.jp

ぶっちゃけ、映像の方の著作権侵害とかはまだ、確かに法廷で争われれば保護されるべき権利もあるだろう。

ただ、それはそれとして、そうやって配信されたり、会場で催されたイベントでの「発言内容」とか「誰が出席・登壇してるか」とかは、著作権を侵害しない範囲で自由に取材、報道、賛否含めた批評・批判はできるでしょう。
それは、どの会合であっても。




「左派系識者」という評価は非常に曖昧な概念で、レッテル貼り

これは発言者の価値判断や評価の話。
発言者はそう評価した。評価された側は、そうとは思わない、と考えた。
それでよし。

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清高 (id:kiyotaka_since1974)

どうでもいいことにこだわって、大局が見えなくなってるね。

「報じる価値があるか」という問題ではなくて、引用が難しいということ。そしてそれが「時事の事件」(著作権法第41条)といえるか、言えても「報道の目的上正当な範囲内」(同)かどうかが問われており、そうではないと主張している。加藤圭木さんの文章を読み直して、再検討したまえ。

「その紙面に載ったコメントの「内容」に反論すれば足りる」→読者としては、専門家が誰かがわからないと判断のしようがないのに、なんでそう書くんだい?加藤さんによると、専門家としてコメントしていると記事に書いてあったから問題なわけで、最初から「匿名コメント」という話ではないですね。

それにしても、怨みだけで書いた記事って、くだらないよね。だから、書き直した方がいい。冷静になろうぜ!

1年前
gryphon

コメントありがとうございます。
>引用が難しいということ。そしてそれが「時事の事件」(著作権法第41条)といえるか、言えても「報道の目的上正当な範囲内」(同)かどうかが問われており、そうではないと主張し…
そもそも、そういう愚かで支離滅裂な主張を、(少なくともリンク先文章にある限りでは)加藤氏はしていないと思われます。
>読者としては、専門家が誰かがわからないと判断のしようがない
だから「内容」のみで判断すればいいことです。それは他の報道記事にも、匿名の証言は常にあるわけではないが、皆無ではなく、その時の証言の受け止めと同様です。特に今回、抗議を受けて内部調査で発言元の存在を確認したというと、普通の報道に出てくる匿名証言より一段深い確認が結果的になされたようです。

>それにしても、怨みだけで書いた記事って、くだらないよね
そうですね、振り返ってそうでない記事だったので、われながら良かったと思います。

1年前
清高 (id:kiyotaka_since1974)

「そういう愚かで支離滅裂な主張」→どの辺が?gryphonさんの感情以外の根拠が無いから、加藤さんのリンクの文章の引用でもいいから、私が「支離滅裂」であることの証明をするんだね(もちろん、「全部」はダメだぞ)。なお、こちらはリンクの文章を読んだうえでの推測で書いている。また、私もブログhttps://kiyotaka-since1974.hatenablog.com/entry/2023/02/18/223319 で記事をまとめたから、読んでね。

「だから「内容」のみで判断すればいいことです」→だ・か・ら、専門家がコメントした、と記事にあるから問題なわけで、「『内容』のみ」という話じゃないんだな。読者としても判断しようがないし、書かれた加藤さんからしても、どの専門家かわからないから、内容に疑義をもっても当然でしょうね。

「普通の報道に出てくる匿名証言より一段深い確認が結果的になされたようです」→いや、専門家のコメントと明示したがゆえに匿名証言がそもそも良くないというだけの話。

やっぱり、加藤さんに相当怨みがあって、冷静に判断できなかったんだね。

1年前
gryphon

>リンクの文章の引用でもいい
というか逆に、id:kiyotaka_since1974 さんの主張を示す様な部分が「無い」ので引用しようがない、のです。逆にどの部分からそのような支離滅裂な「推測」の根拠になったか、そちらが引用されてみては・・・

>専門家がコメントした、と記事にあるから問題
別に「政府関係者」 でも「〇〇に詳しい関係者」でもTV報道に出てくる音声を変えての証言者でも、それぞれのコメント内容を見て、、そのコメントに賛成できる、出来ないとの感想を自由に持てばいいし、その内容に反論すればいいのです。それはたとえば東京新聞「大波小波」やかつての「噂の真相」コラム等の筆者でも、誰でも同じです。

それに重要な部分を再論しますと、仮にその論法でいうなら、加藤氏が反論文でコメントを伝聞形式で掲載した「ゼミ生」「学部生」(彼らは彼らで、最高学府の中で、普通の人以上にこのテーマを学んだ人間として発言の価値を認められているのでしょうけど)も、一体どこの誰なのでしょう?発言は本当になされたのでしょうか?これを執筆した加藤氏が創作したコメントで無いという保証は?…なーんてことも、(加藤氏らの論法をふりかざすなら)何処の誰かを特定できない故に、同様に疑いえます。もちろん、逆に、当方がやっているのと同様に、そこを問題にしなくとも、十分に彼らのコメントの「内容」を評し得ます。

1年前
gryphon

「大波小波」「風の書評」「狐の書評」「斜断機」「経済気象台」などなどが、最終的に名前を明かした例もあるけど、基本匿名(一部のプロフィルで専門性を自認しているものもある)で辛辣な批評をしていた名物コラムとして記憶に残る所です。

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朝日新聞デジタル @asahicom
2022年8月25日
匿名コラムニストからのメッセージ 夏限定で復活、名物コラム「経済気象台」
朝日新聞に70年にわたって掲載された匿名コラム「経済気象台」が終了して4カ月。第一線で活躍する経済人、学者らが大胆に筆をふるったコラムを惜しむ声がいまも寄せられています。
そこで5人の筆者に新作の執筆をお願いし、「夏の特別編」を5日間限定でスタート。
言いたいことが言える匿名だからこそ鋭い、日本へのメッセージです。
https://twitter.com/i/events/1562675393001570305
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これも話題ですね、記事中に登場した『キー局で情報番組の制作に携わるプロデューサー』なる、匿名のかたの成田評、三浦瑠麗評のコメントが。


https://www.jprime.jp/articles/-/26964
キー局で情報番組の制作に携わるプロデューサーが語るのは、“過激な発言をする学者コメンテーター”を好んで出演させたがるという現状だ。

「今の時代ののコメンテーターはただ自分の専門分野だけ話せればいいというわけではなく、キャラクターやタレント性も重視されます。スタジオ、またはリモート出演で個人的な意見を求められた際に、やはりキャラが際立つような発言をしてほしいという気持ちは起用する側にはあります。個人攻撃や政権批判などをしないといった一定のラインを守ってくれれば、あとはどちらかといえば“強めの主張”をしてくれたほうが番組は盛り上がる。成田さんや三浦瑠麗さんもそうですが、やはり毛色の違う個性が立った学者コメンテーターは重宝されがちです」