独、スターリン時代のウクライナ大飢饉を「ジェノサイド」認定へ
2022年11月26日 14:59 発信地:ベルリン/ドイツ [ ドイツ ヨーロッパ ウクライナ ロシア ロシア・CIS ]
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独、スターリン時代のウクライナ大飢饉を「ジェノサイド」認定へ
ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの肖像(2022年11月7日撮影)。(c)Alexander NEMENOV / AFP
【11月26日 AFP】ドイツは来週、ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の統治下で1930年代にウクライナで起きた人為的な大飢饉(ききん)「ホロドモール」をジェノサイド(集団殺害)に認定する決議案を採決する。決議案は、ロシアに侵攻されたことでウクライナが今冬にも食料危機に直面する恐れがあることから、「警告」として中道左派の与党連合と保守派の野党が共同で
そもそも、この他国の歴史的な出来事を虐殺その他と「認定」するという営み自体について…これが最近の、特に欧州などでの流行というか流れになっている、という話が、最近紹介したばかりの新書「歴史修正主義」の、後半の章で大きく分量をとって紹介されている。
フランスには「1915年のアルメニア人ジェノサイドを公式に認める」という一文だけが書かれた、罰則も何もない奇妙な法律がある。
これは、ヨーロッパを中心に世界中に散らばったアルメニア難民(移民)が、影響力を発揮しトルコでアルメニア人のジェノサイドが行われた、という歴史見解をロビー活動の形で活発に繰り広げているからである。そしてそれに対してトルコが官民を挙げて猛反発しているという 。
何しろトルコ国内では「1915年のアルメニア人虐殺はジェノサイド」 とみなす言説を逆に法律違反としているんだ。
しかし「ナチスのホロコースト否定は犯罪である」とヨーロッパ諸国が規制した結果「それならアルメニア人虐殺はなぜ否定論を犯罪としないのか、不公平だ」といった声が、アルメニア系の団体から…(略)…それが飛び火して「フランス革命で革命派が王党派を多数殺害した、ヴァンデ叛乱の鎮圧もジェノサイドと認定せよ」という声まで……
欧州議会は2008年、独ソ不可侵条約が締結された8月23日を公式に「スターリニズムとナチズムの犠牲者のヨーロッパ追悼の日」と定めた。現在は名称が変更され「全体主義の犠牲者のヨーロッパ追悼の日」に。
(略)
特に「カチンの森事件」などを経験したポーランドは厳しい…その一方で「ポーランドもドイツ占領後、ユダヤ人迫害に加担した」といった言説も、違法化……
ウクライナのホロドモールに関しては、それを隠蔽してソ連賛美を振りまいた当時の記者が「ピュリツァ―賞」を受賞しており、その受賞歴を剥奪せよという「キャンセルカルチャー」?が……
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ウクライナ人抗議集団が18日、マンハッタンのニューヨーク・タイムズ本社前に集まり、1932―33年の間に発生したウクライナのジェノサイド事件を隠蔽したことで、同社の元モスクワ駐在員ウォルター・デュランティー氏のピューリツァ賞(1932年)を取り消すよう求めた。
旧ソビエト政権のスターリン時代、1932−33年の間モスクワ当局が意図的にウクライナの1,000万人近くを餓死させた際、デュランティー氏はその事実を隠蔽工作したとされている。同氏はニューヨーク・タイムズのモスクワ支局勤務中、ソビエト当局と強い癒着を形成した。当時、ソビエトはウクライナへの支配力を強めるため国内統制を行った。同氏の虚偽の報道は海外の公論を戦略的に欺くために大いに役立った経緯がある。
同氏は、1933年11月15日号で「飢饉や飢餓などなく、将来も全く無いだろう」と報じ、同年8月24日号では「飢饉等の報道があったとすれば、それは誇張か悪意のある宣伝」と報じた。同氏はさらにウクライナの真実に触れようとする外国人記者たちを「全くの嘘つき」と攻撃…(略)
この記事を読んだら、栄えあるピュリツァ―賞の歴史に名前を刻む「ウォルター・デュランティー」という人物の名前(悪名)を持ち帰ってください。
1933年、ヒトラーに取材した経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズ(ジェームズ)には、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れるなか、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くために単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目をかいくぐり、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む……
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これをテーマにした読み切り漫画があった