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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

崔洋一氏逝去。撮影現場では「監督がここでスタッフを殴った」マップが作られるほどだったとか…(自分の発言より)

「月はどっちに出ている」「血と骨」など在日コリアンの物語をリアルに描いた作品で知られる映画監督で、前日本映画監督協会理事長の崔洋一(さい・よういち)さんが27日午前1時、ぼうこうがんのため死去した。73歳。
(略)
大島渚監督の助監督を経て、1983年に映画監督デビュー。93年、在日コリアンが主人公の「月はどっちに出ている」で数々の映画賞を受賞した。

 2004年の「血と骨」で日本アカデミー最優秀監督賞などを受賞。

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安らかであらんことを。
「月はどっちに出ている」は、北朝鮮に渡った親戚に日本在住のものが送金する場面とか、自分たちの「苦難のルーツ」を、己を劇的に見せて女性を口説くテクニックとして使う場面、とか、そんな風景も描いて反響を呼んだのだった。
当時は、そういうものは、崔洋一氏しか描けなかった。今なら描けるのか?…はよくわからぬ。

トータルな映画作品、エンタメとして、面白い作品か?ときかれると、まあまぁ、そこそこに面白い、というのが個人的な感想。


崔洋一氏と「映画現場の暴力」について

これ以上やると、現行犯逮捕します


──今回の撮影は、真夏の沖縄で過酷だったと聞きました。そもそも崔監督の現場自体、過酷だという噂をよく耳に挟みますが。
崔監督:そんなことないんですよ(笑)。僕自身、60歳近い大人として、それなりの常識は身につけているので。
 ただ、常識があれば非常識だってあるわけで、いろいろなことが行ったり来たりするんだと思うんですよ。それこそ、うまくいく日もあれば、いかない日もあるし、僕の中にも、楽天的な部分と神経過敏な部分とがある。それが、撮影現場の雰囲気を醸し出していると言われれば、事実だと思います。うまくいっているときは機嫌が良いし、いっていないときはものすごく機嫌が悪いので。非常にわかりやすいんです。


──機嫌が良いときと悪いとき、どっちが多いのでしょう?
崔監督:それは、特に数えているわけじゃないので(笑)。
 そう言えば昔、Vシネマが流行っている頃に、今回と同じ沖縄でロケをしたことがあって、ある日、スタッフルームに行くと、地図上のロケ地でもないところに赤いマークがいっぱい貼ってあり、みんなクスクスと笑ってる。俺は地図を見ながら、「何だよ、このマークは。ロケ地と近いじゃないか」と問い詰めるんだけど、それでも笑っていて。で、さらに問い詰めながら気づいたんだけど、マークが貼られている場所は、俺が怒って、誰かを殴った場所だったんですね(笑)。


──殴られた本人も、その場にいたんですか?
崔監督:一緒に笑っていました。あと、忘れもしないんだけど、イラン・イラク戦争の終わり頃に、米軍基地の前でトラックが走るシーンの撮影をしていたんです。道路使用許可証は取ってはいたんだけど、ちょうど、担当が近くにいないときがあった。
 そんなことも知らずに、堂々と機動隊の一個中隊の前で撮影していると、中隊長がやってきて、「念のため道路使用許可証を見せてくれ」と。それで俺が、「おい、道路使用許可証だって、早く持ってこい!」と製作部に言ったら、慌てて担当者がやって来たものの、「あのー、あのー」と口ごもってる。業を煮やして「いいから早く出せよ」と言ったら、「担当が持ったまんま、次の現場に行ってまして」と。それを聞いてカーッとなっちゃって「てめえ、この野郎、出せって言ったら出せ!」と。
 直接、撮影の邪魔になっていたわけじゃないけど、そのときの俺にとっては機動隊の一個中隊が目障りだったのでしょう。向こうにとっちゃ、逆に「何だ、こいつら」って感じでしょうが。それで職務質問代わりに軽く聞いたつもりが、いつの間にか、俺に製作部の若いスタッフが殴られている状態になっていて。さすがに中隊長も慌てたみたいで、「監督さん、それ以上やると現行犯逮捕します」って(笑)。

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それでも、日本映画監督協会の理事長に、つい最近まで18年にわたって君臨(別に引責で辞任したわけではない。理事長退任後も理事としてとどまる)したのだから、いろいろといいところがあったか、あるいは監督協会がそういう組織なのか

歴代理事長プロフィール
崔 洋一(2004~2022)
https://www.dgj.or.jp/about/prof/

崔洋一氏から禅譲を受けた・新理事長もこうあいさつしてる

すべての制作現場において、あらゆる暴力やハラスメントを排除していくのは当然のことであり、それを生み出してきた幾多の要因を真摯に検証し、具体的に改善していかなければなりません。2019年より映画製作者連盟や映職連など映画・映像諸団体が取り組む「映画制作現場の適正化」ガイドライン策定に私たちも参加してきましたが、この取り組みが実効性を持つよう今後も積極的に関わっていきます。当協会内においても、これまで許容されてきた価値観や意識の改革を図るべく、これらの問題に関する議論を重ねております


それでもそれへの批判的視点とはまたべつに、追悼の花を手向けたい。