この前、五輪を見たりして、ふっと思った疑問です。

・フェンシングとか、レスリングを見てると、やはりはるか昔から「刀をうまく操って、自分は当たらないようにしていち早く相手を斬る」技術や「相手を捕まえて、バランスを崩して倒したり、関節をコントロールする」技術は世界中にある。
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・そしていくら人間に本能あるといえど、これらの技術は体系的に研究し続け、過去の”知識”や”実験結果”を保存するアーカイブがないと、進歩発展はしづらい。
・絵画や詩、書道や陶芸工芸などもそうでありましょう。
・それが日本においては古今の「道場」であり、〇〇流などの「流派」「家元」であることは間違いない。
・彼らはたぶん、藩とかのお抱えもあるだろうけど、ほかに弟子から「束脩(月謝)」を取り立て、そのお金を集め、段位や称号を認定して、組織を維持する。
・中国も、太極拳だ八極拳だ北斗神拳だが伝わっている(「拳児」由来知識)んだから、そういう流派や道場はある…よね? 朝鮮半島も、詳しいことはさっぱりわからんが、同じ中華文明圏の影響が強いから同様のものがある??ベトナムとかも?
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・ただ、たしか戦国時代か江戸時代に日本を訪れた朝鮮・中国の……朝鮮通信使か何かの記録にあったと思うんだけど「日本では、屋根をふくとか壁を塗るとか、そんなつまらない技にも、すぐ『天下一』とナントカの称号を決めて顕彰している。いやはや、実に野蛮国には愚かな風習があるものよ」と、あきれた様子が記されているという。してみると、ここから諸芸が発展したと考えると、日本の「〇〇流家元」は、かなりアジアでも特殊な形態…?
・それでは、ヨーロッパや、中東イスラム圏などは,この伝承形式(組織)はどうなのだろうか?フェンシングやレスリングの古い技術や、西欧絵画や彫刻、アラビア書道などの技法って、どんな組織、団体、形式によって伝承されてきたの??
・絵画彫刻はギルドがあって、親方がいて、弟子がいて…みたいな伝承の系があることは、マンガ「アルテ」を読むとだいたいわかる(また漫画経由の知識か)

・しかし「ミケランジェロ流」とか「レオナルド流」みたいな、そういう感じの「流派」による技術伝承や、そういう団体ってあるんでしょうかね?
・もちろん、公的な機関…国や君主が「学校」を作れば、その学校の枠組みの中で技術も知識も蓄積進歩発展していくので、私的秘密結社たる「〇〇流」を立ち上げる必要もない。
・文明開化以降、そして戦後に柔道や空手が海外雄飛したとき、「センセイ」が黒帯とかを授けるドージョー・システムも、かなり珍奇でエキゾチックで斬新なものとして歓迎された、とも聞く。
大好きな一冊。黒崎健時先生の早起きエピソードが「それは果たして早起きなのか?」って感じの代物なのも最高。 pic.twitter.com/YYhMyuH6eY
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2020年2月19日
「私が思うに、カノウこそ近代においてもっとも卓越したマーシャルアーティストだ。その成し遂げたことを考え合わせると、彼がどれほど驚くべき人間だったかということに感嘆するのみだ。たった一人の男が、昔からある日本の柔術の諸流派―つまりコリュウだ―から柔道を創り、そこからさらにサンボやブラジリアン柔術が派生し拡げてたんだ。つまり、世界の着衣レスリングの三つの主要な形態は全て、ただ一人の男を源流とするんだよ。これはもう、インクレティブルな達成としかいいようがない」
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さて、どうなんでしょう?武芸や芸術のスキルを系譜として伝えていく「流派」というシステムは世界中にあるのか? 日本などが、特に育てた奇妙なガラパゴスなのか?
いまのところ、調べるとっかかりもない。お手上げなので、投げっぱなし。○ミ\(・_・ )トゥ ←丸投げ。しかもどこに投げていいのかもわからない。
ヒント
流派・道場といった組織・集団で系統だった技術を指導・練習するシステムの存在は各国に事例があり、それが近代・現代まで継続してきたかどうかとなるとある程度減っていきます。
— 町田@火薬と鋼・システマ杉並 (@machida_77) September 8, 2021
「技術が体系化されていて固有のものだと認識されている」「創始者以外に指導者が登場し、地理や時代を超えて伝わっている」あたりがポイントになりそうですが、一貫性や変化をどの程度厳密に考えるかで色々と分かれそうです。
— 町田@火薬と鋼・システマ杉並 (@machida_77) 2021年9月8日
剣術なんかは17世紀くらいから有名マスターの指導する学校が流行ったのでこれは道場と言ってもいいかもですね。子供など何代かにわたり指導したりもしてますから流派としての継承とも言えるかなぁと
— ちていのき (@baritsu) 2021年9月8日
2年ほど前から、武術関連は@SystemaTamaのアカウントに一本化しておりますので、こちらから…
— シン・システマ多摩:Zoom道場(世界の民俗武術オンラインレッスン)受付中 (@SystemaTama) 2021年9月8日
定義にもよりますが、広い意味では
「“道場”“流派”は世界中にあった」
と言って差し支えないのではないでしょうか。
例えば、インドのカラリパヤットゥなどはそれこそ道場が無ければ成り立ちません。 https://t.co/UNdrqCpr1g
こちらは、プラバート・バスカラン先生による道場(カラリ※)に設えた祭壇に向かって稽古の前後に行う礼法の一部です💁♂️{流派名はヒンドゥスタン・カラリ)。pic.twitter.com/8VtqbZGUVI
— シン・システマ多摩:Zoom道場(世界の民俗武術オンラインレッスン)受付中 (@SystemaTama) 2021年9月8日
※)そう、カラリパヤットゥの道場のこともカラリと言うのです。
スパイスを挽く板もカラリ(カレーと同根🍛)。
ブログの中でギルドについても言及されていましたが…
— シン・システマ多摩:Zoom道場(世界の民俗武術オンラインレッスン)受付中 (@SystemaTama) 2021年9月8日
ギルドにも流派があり、それぞれが独自の儀式(しきたり)と仕事の領分を持っています。
この辺りはNHK【地球に好奇心】の #放浪職人ヴァルツが行く に詳しく紹介されていたので、興味ある方は引用元のツリーに目を通してみて下さい。 https://t.co/1jlJ7d0Oks
https://twitter.com/mon_emon/status/908354967299227650
ボクシングやレスリングのようにスポーツ化し「ジム=道場のようなもの」が出来る。競技スポーツなのでルールが出来る。そしてルールに基づき勝利するための工夫(=流派)が出来る、といったカンジ。主催団体ごとにルールが違うようになるとドンドン流派が枝分かれしていく、かな。 https://t.co/UDVEra0hVG
— イブン=シーナ (@ibun_shiina) 2021年9月8日
嘉納治五郎先生よりも前、江戸時代の段階で既に剣術がルールのある競技スポーツ化されていたと私は思っています。そうでないと他流試合や出張稽古、御前試合が出来ませんし、道場破りも出来ませんので。道場や流派の形成はやはり競技スポーツ化と密接な関係があったのではないかと思っています。
— イブン=シーナ (@ibun_shiina) September 8, 2021
【質問】武芸や芸術スキルを「道場」「流派」を作って教え、伝承するって世界中にあるの?日本や中国だけ? - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-b.hatena.ne.jpインドはアーシュラムでヨガ・医療・マッサージ・武術等を伝承してますね。元は宗教施設。タイも同様。イギリスの棒術やヨーロッパのビール醸造、卵焼きも修道院で伝承。ルネッサンス彫刻絵画は工房制で技術共有。
2021/09/23 04:59