藤本タツキ先生最新読切『ルックバック』配信2日経たずで、400万PV突破致しました。
— 林士平(りんしへい) (@SHIHEILIN) 2021年7月20日
読んで頂いた皆様、誠に有難う御座います。沢山のコメント・感想とても有り難いです。
未読でしたら、是非に以下のリンクからどうぞ。
期間限定・全ページ無料でお読み頂けます⬇️https://t.co/OHc2Kjsq9V pic.twitter.com/zmWggeDAIi
そんなこんなで。
読者の方にたくさん慰められるのだけど、私は自分の漫画がつまらないとは思ってない。ただ、漫画読みとして「ジャンルを変えるほどのインパクトがある才能」というのは見ればわかる。良くも悪くも自分にはないが、それを持ったバケモノと同じ土俵で生きてくのは覚悟がいるってこと。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) July 20, 2021
作り手が「自分たちの在り方を変える」ものを高く評価するのは、どのジャンルでも同じじゃないかしら。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) 2021年7月20日
あと周囲からの評価と、作り手として自分の理想にどれだけ応えたかもちょっと別。たとえばアニメにしてもらえると周囲の評価・作品の知名度が上がり大勢にキャラを愛してもらえて素晴らしい。でもアニメが面白かったのはアニメスタッフが偉いからで、私の場合自己評価じたいはさほど上昇しない。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) 2021年7月20日
でも私の場合、アニメの手柄も遠慮なく作品を盛り上げる武器にはさせてもらう。さっき言ったような本物の天才たちと肩を並べるためには全力を使わないといけないし、自分にできることは全部するのが漫画というジャンルに対しての礼儀というか。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) 2021年7月20日
描かない人はどうもモノを作るという仕事にも「勝敗」があると思っているフシがあるのだけど、スポーツじゃないから明確な勝敗はない。一線にいるクリエイターの多くは他人の才能の素晴らしさを愛してて、常に「負け」を感じながら自分をいまよりマシにしていこうとしてるんじゃないかしらね。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) 2021年7月20日
「誰かのモーツアルトは誰かのサリエリ」っていうリプをもらって、それは的確だし面白いと思ったよ(笑)。そういうことの積み重ねでジャンルは豊かになっていくのだと私は思います。おわり。
— 椎名高志@絶対可憐チルドレン62巻7/16解禁 (@Takashi_Shiina) 2021年7月20日
ちなみに、いくつかのワードで検索したが、最初にと言ったのがだれかは、ちょっと検索できなかった(笑)
そしてその検索調査の結果、
1:「映画『アマデウス』も、もう古い映画なのでこの喩えが通じない人も多い」
2:「そもそも史実としてのサリエリはモーツァルトに嫉妬するような人格ではなく、むしろ後進を育てており…」と、これまた尤もな主張をされる方もいる
…、と判明した。
1のほうは、たしかにアカデミー賞受賞作とはいえ、リアルタイムでこの映画・舞台公開の衝撃を受けた世代が知らなくても無理はない。おいおい伝えていけばいい。
くれぐれもこの映画を知らないとは無知無教養である、とか思わないように。そう思ったら公開年を調べて、それと2021年の間の期間分だけ、遡ってみたまえ。
アカデミー賞8部門受賞
アマデウス・モーツァルトの音楽をBlu-rayの高音質で体感凍てつくウィーンの街で自殺を図り精神病院に運ばれた老人。
彼は自らをアントニオ・サリエリと呼び、皇帝ヨゼフ二世に仕えた宮廷音楽家であると語る。
やがて彼の人生のすべてを変えてしまった一人の天才の生涯をとつとつと語り始める・・・。
若くして世を去った天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの謎の生涯を、サリエリとの対決を通して描いた話題作。
1984年度アカデミー賞8部門(作品・監督・主演男優賞他)を獲得。
【映像特典】
・ メイキング
・ オリジナル劇場予告編【音声特典】
・ 監督ミロス・フォアマンと脚本・原作(戯曲)サー・ピーター・シェーファーによる音声解説内容(「キネマ旬報社」データベースより)
アカデミー賞作品賞、監督賞ほか全8部門を受賞した名作音楽映画のディレクターズカット版。若くしてこの世を去った天才音楽家、アマデウス・モーツァルトの生涯を斬新な視点で描く。“ついに来たぜ!ワーナーのブルーレイ2,500円!”。
…えーと、いま「アマデウス」を語るのは、この作品の受賞時に映画「紳士協定」を譬えに使うようなもんなんですよ!!
2のほうは、まことにごもっともだけど、そこは吉良上野介と同じで、「わかってる、史実と違うことは分かってるねんで、だけどまあ、アマデウス内のサリエリってことで」ということでどうでしょう。
フナだ鮒だ、鮒侍めっ
こういうコメントもつけといた
この喩え、映画「アマデウス」も今は通じにくくなってる&史実とは齟齬がある…という不満も書かれてるけど、椎名高志氏は「史実のサリエリは人格者」という話を、GS美神単行本のカバーコメントでむしろ広めた功労者だとお伝えしておきます(俺はそれで知ったんだもの)https://t.co/wWRcznKFUF
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2021年7月20日
そして「史実と『アマデウス』の齟齬」って話、例の「FGO」で脚光を浴びたこともあったよね.
2018 年の話か、FGOをやったことも全然ない自分ですら、興味を持ってまとめ作るほどに盛り上がった。
twitter上で説明するためのFAQ
【FAQ】例のマンガ(ルックバック)の感想でよく見る「モーツァルトとサリエリ」ってどんな意味?
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2021年7月20日
また、この喩えに怒ってる人もいるけど、なんで?
【A】2人とも実在の作曲家ですが、両者の関係性は、創作「アマデウス」が有名です
こんな内容です。(ネタバレ)https://t.co/jOxaZbhoIV
つづく
続き 【一部の人が「アマデウス」に不快感を持つ理由】
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) 2021年7月20日
ただ創作とはいえ、史実と違うことに不満がある人も多いようです。https://t.co/tkVuSX8uv9
史実との差は https://t.co/uCqi6NoSna も参考にしてください。
ときに、このモーツァルトーサリエリのコンセプトはよく使われている(重版出来!など)
最近で印象に残るのは「重版出来!」。ドラマにもこのエピソードは使われていたはず。
誰もが認める天才(しかも異形の天才)が、巨匠漫画家のアシスタントに入ってきて、それを近くで見ていた、実力はあるのに芽が出ない先輩アシが、嫉妬と羨望に狂い、最後は漫画家の道を諦める。
だが、その先輩アシの、編集者らに評価されなかった作品に対して、その天才のみが涙を流して感動する(それによって先輩もある意味報われ、はっきり断念できる)…という話。
ドラマでその先輩アシを演じたのは、ムロツヨシだった。
今日の『重版出来』、ムロツヨシのベテラン・アシスタント沼田さんに涙涙だな〜。漫画家だけの話じやないよ、これは。クリエイター全般、いや誰でも。 pic.twitter.com/vpEvg9sRiH
— 高橋正明 (@buzzmeak) 2016年5月24日
重版出来見てる。珍しくムロツヨシが普通の人の役してるな〜と思ったら、いい兄貴分なんだけど努力報われなくて才能のある若手に嫉妬してしまったり、切ない(´;ω;`)なんだろう、芝居もうまいしいい役なんだけどムロツヨシのムロツヨシじゃない感 pic.twitter.com/UWzpYlaiRH
— アオヤマ@バンコクウォーク (@aoyama55555) 2019年5月5日
ドラマの「重版出来」のムロツヨシさん凄くいいんですよ。普段は感情の起伏が少ない役だけどあるシーンで凄く動く瞬間がある。
— 柴崎史也 (@shibashaunM78) 2021年5月27日
そこにやられた。ムロツヨシさんに対する印象が変わったというかもっとこういうのが見たいと感じました。おすすめです。 pic.twitter.com/pM5rpuFDEM
この回のあらすじ、公式サイトに残ってるやんけ
…長年、三蔵山のもとで働いているチーフアシスタントの沼田渡(ムロツヨシ)は、明るく大らかな対応で“過去最高に面倒な後輩”中田の面倒を見ていた。
だが、流星のごとくあらわれた中田は、絵は下手なものの三蔵山はその類まれなる才能に一目置おいており、沼田は徐々に中田に対して劣等感を募らせていった…。アイデアが溢れ出る中田から「まだいくらでも描けます。早く連載やらせてください」と何冊ものネームノートを渡され驚く心。そんな中田の姿に、沼田は………
www.tbs.co.jp
単行本だと4巻か
表の世界では成功者と失敗者、勝者と敗者に分けられる。
だがその失敗者・敗者の本当のすごさを理解しているのは、ゆいいつその勝者である・・・・というモチーフ、
何年か前のちばてつや賞受賞作か何かで、お笑いの世界を舞台に読んだ気もする。
・・・・・・・・みたいな話、おれ書いたか読んだ記憶があるなーと思ったら、ドラマ放送年の2016年に書いてたよ!町山智浩氏も語ってた、この部分を中心に。
・原作でも、本当に白眉なのが、町山氏のいうアシスタントのエピソードだ。
(町山智浩)ベテランのアシスタントで、もう何十年もアシスタントをやっているんですけど、その一方でデビューするために、ネームって言ってるんですが、ノートに書いた漫画の設計図をね、書いて。編集者に見せているんですけど、なかなかそれが採用されなくて、デビューできないんで。で、10年以上がたってしまったと。で、そこの彼のアシスタントのチームに、永山絢斗くんが入ってくるんですね。
(山里亮太)中田伯。絵が下手だけど天才な子が。
(町山智浩)(略)そのムロツヨシが永山くんの書いたネームを読んで、その才能に愕然とするんですよね。で、「こいつは天才だ! 絶対に勝てないや、これは!」って思うんですよ。ところがですね、そのムロさんの書いた、誰も相手にしてくれないネームを永山くんが読んで、涙をこぼすんですよ。
…略…
(町山智浩)で、その時になぜかムロさんは漫画を辞めて田舎に帰っちゃうんですよ。
…略…
(町山智浩)でもあれね、すごいいろんな意味があると思ってね。まず、一発で見抜かれたことで、この永山くん扮する中田くんは本当に天才なんだっていうことが決定的になったんですね。あれで。でも、逆に言うと、ムロさんの漫画には天才を泣かせる力があったっていうことですよね。
(赤江珠緒)そうですよ。うん。
(町山智浩)そうなんですよ。で、しかも彼は天才だから、この世で最高の読者なんですよね。で、この世の最高の読者を1人だって泣かせることができたんだから、俺は漫画家としての仕事を全うしたという気持ちもあったでしょうね。
凡人と天才、といえば「アマデウス」が頭に浮かぶ。だが、お話のIFとして、「もしたった一曲でも、サリエリの才能をモーツァルトが認めていたら?」……ここから、話はいろいろと広がる。
・でも実をいうと「世俗的な成功をおさめた天才Aと、世俗的には全然成功していない”凡才”Xがいる。…だけど!!その世俗的天才Aは、凡才Xの作品を認めていた!!」という形の、入れ子式の物語は、よく見ると言えばよく見る。…この前ネットでほんのちょっと話題になった、お笑い界を舞台にした漫画とかもあったし、「エスパー魔美」にもそんな話が出ていたわけで…。カール・ゴッチを一番評価しているのがルー・テーズだ、なんてのもそうか(笑) これは「救済」の物語でもあるから、よく使われる王道のパターンだ、ということは押さえておきたい。(重版出来での「天才」が世俗的成功を収めるのはもう少し後になりそうだが)
だけど、まさにそんな王道のパターンでこれだけ話を盛り上げられるから「重版出来!」はすばらしかったのだと、そう思う。
・そういえば、最後の「天才漫画家をネームで感動させたから、そこで十分と思って田舎に帰ることを決めた」で自分が思い出したのは、、新井英樹のボクシング漫画「SUGER」だったのだ。あれ、たしか主人公は、プロテストで周囲の人に「天才だ!」と完全に認識させたあとの、デビュー第一戦でまったくの交通事故的偶然で負けちゃうんだよね。で、その相手は、そんな天才に勝ったことで、「悟った」的なことを言って引退して旅に出ちゃうと(笑)。滑稽だけど、「世俗的天才に認められたら、自分自身は無名のままでも満足できますか?」という問いに関係していると思う気もします。
売れっ子漫画家とうつ病漫画家、という作品もネットで話題
あー、これだ。、
— ネコ千代(千代丸) (@nekotiyo1) 2021年7月21日
ルックバック読んだときに、前にバズってた売れっ子漫画家とうつ病漫画家の話しを思い出したんだ。
完全に敗北したと思った相手からの賛辞て、あっちの方がリアルだなーと。