「ルックバック」は143ページあるから、ちょっと薄手の単行本一冊描き下ろしくらいのボリュームがある。ジャンプ本誌に一挙には載せられないがウェブなら問題はない。内容も発表形態も今の時代にとても合致した作品だね。今日は担当とLINEでああだこうだとあの作品の感想を言い合ってた。
— 七月鏡一 (@JULY_MIRROR) 2021年7月19日
ここにもネット配信が現れてページ数という枷が一つ外れた故の新時代の可能性を感じますね。映像の方の配信も「30分枠」などの縛りがなくなってきてると聞きますし。 https://t.co/wDFmN05k9F
— 森田崇 @怪盗ルパン伝アバンチュリエ『813〈上〉』紙書籍版&Kindle版発売中❗️ (@TAK_MORITA) July 19, 2021
おっと、その肝心の「ルックバック」を紹介するのを忘れてた。いま、ハテブの数がどのぐらいの基準になるかわからんけど、3000超えました。
shonenjumpplus.com
とはいえ、これだけ反響があれば紙版も出るか。「まるで金を刷るのと同じ」だろうしな
ぶっちゃけ、まずネットの反響を見て、そこから紙も出すかどうか、何部刷るか決める…というのが、従来の意思決定よりどれだけ安心感が増すことか
books.shueisha.co.jp
長編ともいえる漫画が一気にネットに発表されて反響を呼ぶ、といえば、今回劇場アニメ映画になった「映画大好きポンポさん」もそうでしたが、それも1000行ってなかったんだから。
当たり前の話なんですけどね、その当たり前を抑えておきましょう。
ことに、ネット漫画を小さいころから見慣れていて、それが普通だと思っていたら気づかないから、雑誌からネットへのはざまを経験してきている世代が、声を挙げておかないと。
掲載媒体がストーリーを決めることもあるわけで、週刊漫画は20数ページごとに山場が必要になるし、新聞連載小説なんてのもしかり。
twitterの掲載できる画像が最大4枚であることは4P漫画を増やしてもいるだろう。
ここ数年は、メジャー雑誌の傾向から「日本漫画は大長編漫画ばかりとなり、短編や読切の発表場所や書き手もなくなるのでは?」が心配されたりしたもんでしたが。
自分が長年言っております「全文革命」というのも、要は記者会見や、渦中の人物の反論、「失言」とされたスピーチ…といったコンテンツが、分量の心配なくぜんぶ掲載・配信されるからそれが可能になる、ということであります。
・どんな会見・インタビューでも、以前(紙や電波の時代)は各社が、限られたスペースに会見要旨を切り取って、押し込む必要があった。どれぐらいのスペースをとるかも含めて。
・基本的に、記者会見やインタビューでメディアからスルーされたり編集でカットされたものは、受け手は知るすべもなかった。
・だが、youtubeなど動画サイトの発達で、記者会見を動画として主催者が、または取材者がアップロードするようになってきた。また、ネットは基本的にスペースの問題を考慮しないで済むので、「全文掲載」もやろうと思えば紙や電波媒体より簡単にできる。その結果
・たとえばさまざまな記者会見において、従来のピックアップ型の報道に対して「全文を読んでみたけど、前後の流れを見ると、この記事とニュアンスが違う。恣意的だ!」「いや、全文を読んでみたけど、この報道は正確だよ」「この時の口調は、映像で見ると間違いなくあわてているよ」といった形で、全文と比較したり、その発言の表情やトーンまで合わせて論評、検証ができるようになった。
・また、発言を批判された側が「いや、全部を読んでくださいよ」と言ったり、「記者に答えたコメントの完全な発言はこういうものです。自分のサイトにアップしました」というようなことが可能になる。
また、聞き手の側も「鉄道ヲタとして言わせてもらうけど、この会見での寝台列車の説明は間違いだよ」「ん?この人が言ってる子供時代の思い出話は重要だぞ。俺、隣町出身なんだけど…」といったように、自分の興味やニッチな知識に合わせて、過去の新聞記事やニュースで、別に恣意的でなく通常の判断で取り上げないような枝葉末節に着目し、そういう「集合知」の指摘から、思わぬニュースが派生することもありえる。
相撲の序の口取組や格闘技の第一試合も、配信するプラットフォームが増えたから、映像として使われ、記録に残るようになる。