<ざっくり状況説明>
・地動説について研究を進める2人。一人は理論を構築できる超絶天才。一人は無知無学だが視力が非常に優れ常人にできない天体観測ができる。
・だが、異端審問官に、地動説の研究をしてることを知られた可能性がある!2人は逃亡を準備し、証拠隠滅を図る。
・だが、無知無学者が天才に「逃げると言っても、過去の資料をすべて捨てるのはまずい」と異論。なぜならば…
つまり、「資料を全部捨て去っては、我々が間違った研究の結論に達した時、誰も異論をはさめない」、というわけです
ところどころ飛ばしている(本来だったらすべて紹介したいところだが)けど、この引用部分だけでも、つまりは「反証可能性」という、科学にとってもっとも重要な部分を2人の会話に託して語っていることは明白でしょう。それも、無知無学者が、この時代最先端の学問・科学を知っている天才に対して説いているところがエモい。
なぜそんなことができるかといえば、無知無学者は科学の理論など学んでないが(そもそも字すら読めない)、地動説の真理を求める人たちの「生き方」をまじかに見てきた。
そこから、彼らが「事実」に対してとっていた態度から、普遍的な法則を、自身の力で発見したのでありました。
だが、まだ近代科学が確立していない時代の天才は、その時代の限界(かつ最先端)から、こう反論する。
「(それでは)学者は永久に未完成の海を漂い続ける」
作品内では、それに対して”最終”の答えが返ってきているのだが、そのへんは実地にお読みありたい。だが、きのう最新号がでたので、まあ電書とか単話売りとかで適当に読んでください