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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「メガネの女性は魅力的」的な議論は必然的にジレンマを生む、という話

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…という話を、先だって指摘してるからこのブログは、そのへんのおあにいさんとはちがうんでぇ。
いでよ、尾頭ヒロミ!!

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いでよ、「進撃の巨人」のハンジ!
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いでよ、ジェットマンの女性長官さんとかいろいろ!
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つまり、こういう話。番号を振っておくか

(抜粋)
1・エンターテイメント(に限定します)は、面白いものを追っていくと、キャラクターの「テンプレ」ができる。
2・それは往々にして、人種や国籍や宗教や性別や趣味に関する「ステロタイプ」を作ったり、それに乗っかっていたりする。
3・それが思想的に批判されたりする。
4・そんな思想とは別に「このパターンはもうマンネリだ!敢えてずらして正反対のキャラを描くぜ!」という人が出てくる。
5・さらには「どうせならかわいい女の子(男の子)にこの役やらせたいわ!普通のテンプレなら、おっさん(おばさん)の役だけどな」てな動機もある。
6・結果的に「若い女性のマッドサイエンティスト」とか「少女だが寡黙で戦闘力が最強。幼なじみの男の子をその武力で守ってあげる」「若い男だけど綺麗好きで掃除大好き」とかの「テンプレ破り」が生まれる。
7・それがフェミニズムなどの思想的にも評価される。


いや、それでいいんならいいんだけどさ!!!!

要は4とか5とかの話が、6になったはいいが、
7にうまく着地せず、いやそれじゃダメだ!と言われる・・・・・・・・・としても、実は結局のとこ、構造的には変わらんのだけどな。

「〇〇な女性は魅力的だ」の「魅力的」が、『魅かれる』という意味なら、そこに性的・美的な意味が入っていいのか。

という問題でもある。

たとえばの話、よくなんかの芸能人インタビューで、好みの女性のタイプは?
と聞かれた男性が(※こういう聞き方はもちろんLGBTを排除しているようにも懸念されましょう。女性、或いは同性、他の性的少数者も対象に含んでいるが…と補足すべきでしょうが…そこは置いておきます)。
こう答える。
「自分の意見を持ち、その意見をはっきり発言して行動に移せる、そんな女性(※上の補足参照)に魅かれます」

なんて答えたら、ポリコレ的には100点満点なんでしょう。或いは100点満点とはいかずとも「はなまる」でしょう。

だが
しかし。

その男性芸能人が、つまりそういう人を恋人にしたい、そういう人と結婚したい、という時、つまりそれは美的、性的な意味においても価値をみとめている、ということでさ…。
それは「ぼくはメガネの女性が大好きだ!」というのと
「ぼくは、はっきり自己の意見を言うような女性が大好きだ!」
にそんなに差があるか、ないか。ぶっちゃけ内面の話だから、大いに違うかもしれないし、同じ平面にあるかもしれないんだわさ。

メガネ女子って外見の話だけじゃん、というなら「メガネをかけてひっそりと読書する女性」に魅かれる、とか「メガネをかけてはきはきと自分の意見を述べる女性」に魅かれる、ならいいのか。
ちょっとでもルックス、ファッションの要素が絡むとだめになるのか。難題ではあります。



おもえば呉智英は、80年代に…ってこの話何度もしたな。
「スケベ親父が女漁りの末『わしはウーマンリブとか、気の強い子が好きやグヘヘ』と言い出したら、男女平等は前進か」という問いを発していたことがあったのだった。


「何に対して(性的な面も含めた)魅力を感じるか」は「榎木僧正から切株僧正へ、そこから堀池僧正へ(徒然草)」みたいなもんだとも思う。

現代語訳
 藤原公世、従二位の兄さんで良覚僧正とか言った人は、大変へそ曲がりだったそうだ。

 彼の寺には大きな榎の木があったので、近所の人は「榎木の僧正」と呼んでいた。僧正は、「変なあだ名を付けやがって、ふざけるな」と怒って、その榎の木を伐採した。そして、切り株が残ったので「きりくいの僧正」とあだ名を付けられた。すると僧正はますます逆上して、今度は切り株までも掘りおこした。そして大きな堀ができた。その後、僧正は「堀池の僧正」になった。

原文
 公世きんよの二位にゐのせうとに、良覚僧正りやうがくそうじやうと聞えしは、極きはめて腹あしき人なりけり。

 坊ぼうの傍かたはらに、大きなる榎えの木のありければ、人、「榎木僧正えのきのそうじやう」とぞ言ひける。この名然るべからずとて、かの木を伐きられにけり。その根のありければ、「きりくひの僧正」と言ひけり。いよいよ腹立ちて、きりくひを堀り捨てたりければ、その跡大きなる堀にてありければ、「堀池ほりけ僧正」とぞ言ひける。

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男性に対してでも女性に対してでも、何に対して魅力を感じるかは様々過ぎてねえ…そもそもメガネの女性が魅力的、というのも考えれば、「どうしてそうなるの?」みたいに理路はわからん。
実話をもとにした「となりの801ちゃん」では主人公がスーツ大好きで、付き合ってるチベくんに「スウツスウツ!!」と着用を強要している光景が描かれていた。


そこに魅力を感じてもらおうと思ってるわけじゃないのに…というものに対して、美的あるいは性的な魅力を見出すのは有形、無形を含めこれからも無限に行われていくだろうし、それは「僧正」の呼び名がどんどん変わっていくようなものかとぞ似ます(了)。