こんなニュースが飛び込んで参りました。
信州プロレスリング:総タイガーマスク化計画 許可得てHP再開 /長野 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180112/ddl/k20/040/299000c
…地方プロレス団体「信州プロレスリング」(長野市)が児童養護施設への寄付を募るために設けたホームページ(HP)で、「タイガーマスク」の名称を漫画を出版する講談社(東京)の許可を得ずに使用していた問題で、信州プロレスは同社の許可を受け、今月からHPを再開した…(略)県民からの指摘で許可を得ていないことが判明した……(略)講談社広報室は「先月下旬、著作権者に連絡を取り了解の意思をいただいております。弊社としても一連の活動に賛同しております」とコメントした。信州プロレスのグレート☆無茶代表は「講談社さんの協力はありがたいし、心強い。引き続き児童養護施設に関心を持ってもらえるようにがんばりたい」…
いい話ダナー。
最初にこの問題が出たのは昨年末だが、自分はこう書いたのですよ。(※もうその記事は消えてる)
ははあ、『タイガーマスク』って言葉が、とある経緯で子供たちの支援運動の象徴になってしまった。しかし、それが使われ続け一般化すると『それ、うちに権利があるよな?』となる……うーん、これは是非もなし / “寄付募集、無断で「タイガー…” https://t.co/Cq3n8Z2TVZ
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年12月24日
わかりる?
…この一件
『「タイガーマスク」という、権利関係のある言葉が「子供のため活動する人々」の総称に図らずもなっちゃった。さあどうする?』
…というちょっと複雑かつ興味深い構図だったわけですよ。いい具合に着陸したなぁ。
もとは「タイガーマスク運動」ってやつだったでしょ。児童福祉施設にランドセルを送った無名の人が、「伊達正人」と名乗ったことで始まった…
このブログでも一度紹介したっけ。
あの漫画の内容から、児童の福祉の為に人知れず善行を積む人やその行動を「まるでタイガーマスクだねえ」と皆が思ったり、そんなあだ名で呼ばれるのは、『人の口に戸は建てられぬ』で仕方ない話。
めちゃくちゃ著作権管理に厳しい某漫画だって、妻の実家に夫が同居する行為を「マスオさん現象」と呼ぶのを止めるすべはあるまい…あるのかな?。
自称、他称の問題ともつながるが、人が何をどう呼ぶかはなかなかコントロールがし難い。と、徒然草でも書いている。
第45段:公世の二位のせうとに (腹立ち僧正)
http://kntn.biz/text/koten-bungaku/tureture-gusa.htm(原文)
公世の二位のせうとに、良覚僧正と聞えしは、極めて腹あしき人なりけり。 坊の傍に、大きなる榎の木のありければ、人、「榎木僧正」とぞ言ひける。この名然るべからずとて、かの木を伐られにけり。その根のありければ、「きりくひの僧正」と言ひけり。いよいよ腹立ちて、きりくひを掘り捨てたりければ、その跡大きなる堀にてありければ、「堀池僧正」とぞ言ひける。(現代語訳)
藤原公世の兄弟に、良覚僧正といわれる人がいたが、とても怒りっぽい人だった。 僧坊の傍らに、大きな榎の木があったので、人は良覚のことを『榎木僧正』と呼んだ。すると、この渾名が気に入らないといって、この榎の木を切ってしまわれた。しかし切り株が残ったので、人が『きりくいの僧正』と呼ぶようになった。良覚はますます腹を立てて、切り株を掘り出して捨ててしまったが、その掘り出した後が大きな堀になったので、人々は良覚を『堀池僧正』と呼ばれるようになってた。
それが定着しきって、うっかり行政まで関わったりHPを作ったあと…「そういえば、この言葉って商標とか著作権とかあったよな??」なんてことも、そりゃありましょうな。
かえすがえすも、今回はみなの善意でいい方向になってよかった。
まあ、ここでダメっていったら悪役だもんな。
「ゴッドハンドってあいつがアメリカで呼ばれてた??ウソに決まってんだろ、俺がでっちあげたんだよ!」って、自分が一枚かんでない劇画が始まったとたんに言い出したり、その結果「イツジ・カワラジ…呪われろ!」となったりしたとときと、権利者は違うがシチュエーションも違うのでね(笑)…とにかく、そうならないでよかった。
そこで「ハイエースする」とか「トヨタ戦争」という話になる。
自分が数年前に知って、ええええ…となった話。
わたし、車のブランドとか車種とか形式とかほんとーに無知なので、調べ調べかくけど、ハイエースという車を…トヨタが出しているんですわ。
丈夫で長持ち、すごく便利な車らしい。
概要はほれ。
wikipedia:トヨタ・ハイエース
概要[編集]
1967年に初登場。かつてはショートホイールベース(標準ボディ)やトラックもラインナップされていたが、現在それらは消滅しており、ロング、スーパーロング、ワゴン、ライトバン、コミューター(マイクロバス)のみとなっている。日産・キャラバンが長年の競合車種。価格はやや高いが、耐久性、エンジンパワー、積載量など貨物車としての性能が高く、宅配業を始め多くの企業に小型貨物車・社用車として広く用いられる他、運転手を含めた10人乗りの特徴を活かし、送迎バス・乗合タクシー(知多つばめタクシーなど)・ジャンボタクシー・ハイヤー・路線バス・コミュニティバスといった乗用、さらには救急車・寝台車・現金輸送車・福祉車両など特種用途自動車のベースとしても利用されている。また、過去には特定日のみながら高速バスに使用されたこともある(広島つやまエクスプレス)。
個人ユースでは、公道を走行できない競技用オートバイ(ロードレーサー・モトクロッサー)、競技用自転車(ロードバイクやトラックレーサー)、大型のラジコン飛行機やマルチコプターなど、趣味の機材を輸送するトランスポーター(トランポ)として利用されている。またバニングやキャンピングカーのベース車としても重宝されている。事業用・自家用共にニーズがあるため、専門の中古車店や社外品のパーツなど、ハイエース単体で市場が形成されている。
(略)
いいことじゃあありませんか。すばらしい車じゃありませんか。
ところがな。
これも自分は詳しくないのによく語ってる「ゾンビもの」の研究で、サンデーだったか…スピリッツだったか…(電撃大王かな?)、とにかくそのへんに載ってた「ゾンビちゃん」って漫画だったと思うが
唐突にこんな場面が。
ナニコレ。
あ、「サンデーGX]か!!!!
実はですね…知ってましたかみなさん。ハイエースっていうのは、その性能が良すぎて、まず盗まれる率が高い。そして盗まれたその車が、犯罪に使われることもまた多く、ハイエースがそういう犯罪の代名詞になってるんですわ!
こんどはウィキペディアではなく「ピクシブ百科事典」なるところに移動するが
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B9
「盗まれるクルマNo.1」と言う現実
昨今の報道で度々言われるが、ハイエースはトヨタ車の中でセルシオ、ランドクルーザーと並んで盗まれるクルマの定番だ。ひところは並みいる高級車を押しのけて「盗まれるクルマNo.1」という不名誉な記録まで貰っており、バンドでは積んでいた楽器など荷物もろとも盗まれる不運にあっているところがある。
途上国で走っているハイエースは大抵が盗難車という有様で、盗まれた後はヤードと呼ばれる塀で囲まれた解体場に運び込まれた後に、分解して海外に運ばれているのが実情。何故ここまでハイエースが盗まれるかというと、盗みやすく、売りやすいからで、実用性と耐久性での性能の高さと、モデルライフの長さに起因する部品取り車としての需要が高いためであること、さらに比較的新しい年式のものでないとイモビライザー(盗難抑止装置)が標準装備されていないため、窃盗団の格好の…
(略)
これはどのクルマにも言えることであるが、どんなに旧型のポンコツでも油断してはいけない。そのクルマを「旧型のポンコツ」だと思っているのは、大概の場合日本人だけだ。どんなポンコツでも外国人が買っていくから必ず値段が付く。外国人が日本の業者向けオートオークションや解体屋を漁ってでも欲しがる。それがハイエース…(後略)
ハイエースする(動詞)
一部のネット界層では漫画、アニメ、ドラマ、映画(などのフィクション)および現実でも幾度となく誘拐、拉致、強盗などの目的に使われる車種であるため、転じて「ハイエースする」という動詞(サ行変格活用)が生まれている(ハイエースに限らず、日産・キャラバン及びエルグランド、ホンダ・ステップワゴンなど、他メーカーのワンボックスカーやミニバンであも「ハイエースする」と呼ばれることがある)。
ちなみにこの文脈での「拉致犯・誘拐犯」はそのままハイエーサーと呼称…
(略)
…ぶっちゃけ、トヨタやワンボックスのオーナーにとっては風評被害以外の何物でもないが。あ、そうそう。
このクルマには「DX 3人乗りルートバン」というリアガラスもなければリアシートもないグレードがカタログモデルで存在する。
鉄板で覆われた走る広大な密室・・・
この車がヒット商品となるには、デザイナー、技術者、広告、営業など多くの「地上の星」が汗と涙と血を流しただろう。風の中のスバル。トヨタだけど。
その人たちの立場は。
しかし、トヨタの場合、一車種にとどまらず、会社全体がこういう被害にあっている。
「トヨタ戦争」
いちど記事をかいた。少し転載しよう。
「戦場に駆けるTOYOTA」・・・そして「大仏破壊」と4WD - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100114/p3
はてなの人気ブログ「リアリズムと防衛を学ぶ」の
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20100113
が話題となっている。
なるほどと読んでおりましたところ、以下のような小項目があった。
これを読んで、ああ同じような記述があったなぁ、と高木徹氏の著作「大仏破壊」を思い出しました。ある種の「亡命者」「居候」だったビンラディンが、タリバンの中で頭角をあらわし、いつしかタリバンそのものを牛耳るようになったきっかけに、やっぱりチャドと同様、日本の4WD車の内戦での大活躍があったというのです。大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード (文春文庫)
- 作者: 高木徹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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以下引用・・・とやればカッコいいのですが、この本は図書館で借りて読んだので今、手元にございません。
この前の「司馬遼太郎と軍事評論家」と同じパターンですね、すいません。
でも内容、概要をうろ覚えしておけばグーグル大明神にお伺いを立てられます。「”大仏破壊” 4WD」で検索しピックアップ。http://gamefish.blog5.fc2.com/blog-entry-9.html
そしてその後タリバン勢力が北部同盟との戦闘で優位に立てなくなるとオサマ・ビン・ラディンが権力を得る。
4WDの車を一挙に50台以上買い与え、戦闘力を向上させる、タリバンにとっては非常に旨い仲間と言ったところだろうか。
そして、その力を背景にタリバン内部の権力構造も一変する。
アルカイダの狂信的なイスラム信仰に感化されるオマル氏。
大仏破壊にGOサインを出す。
情報文化次官のホタキは破壊阻止に動くが、ホタキに届けられたのは・・・(略)
http://ameblo.jp/kwin/entry-10066300335.html「ビンラディンは、私たちタリバンの部隊が大きな損害を出し、苦境に陥ったようなときに、4WD車をまとめて4,50台買って送ってくれたんです。そういうことが私の知る限り3回ありました。その援助は戦況に決定的な変化をもたらしました」
タリバンの戦闘シーンの映像資料を・・・ 多くの場合、その車体後部には TOYOTA か NISSANの文字が書かれていた。ビンラディンがその財力にものを言わせ ・・・・
「大仏破壊」 第6章 ビンラディンの贈り物 より
これは最後の、独自の趣旨部分がよく分からんが、同書の要約としては大変詳しい(※詳しすぎて「大仏破壊って本、読んでみようかな」と興味を持たれた方には、ややネタバレ気味にもなるのでご注意を)。
http://www.porsonale.co.jp/semi_c191.htm
・・・と、いう次第。
私もナイーブな平和ボケ日本の国民の一人であるので、トヨタとかニッサンとか三菱とかの技術者が精魂込めて設計し、労働者が作り上げた日本車の技術と品質管理の高さが、戦争でたいへん有効に使われていました、と最初に読んだ時には、かなり強いやりきれなさを感じまた。
だが、山地泥濘を駆け抜ける4WDが、それ以上に人命の保護と生活の質の向上にも役立っていることも間違いないだろう。戦争に使われるときだけエンストするって技術は開発されそうもないし、ある程度は呑み込むしかない話なのかなあ・・・・・・・と、上記の感想を持ったそのすぐ後に思ったものです。その一連の感情の動きが、今回のリンク先エントリでプレイバックしました。(後略)
作家・清水義範氏『「杜撰」という言葉が残るのは気の毒だ。…もし私の名前がそういう代名詞になって「お前は清水義範だ!」と言われたらやだなあ』
…と、作品中の何かに書いてた。
どこかでわからないかとネット検索したら、自分の書き込みがあった。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2017-10-04 10:58:37
清水義範が「杜撰」の語源になった人は気の毒だといってたな。自分が同じように「あなたは清水義範なんだよ」「仕事が清水義範だから‥」とか後世に言われ続けたらかなわん、と(笑)
と、これを書き込んだのは
#スッキリ で大学生に流行中の「ンゴ」特集、語源はドミンゴ元投手で「やらかした」の意味 - Togetter https://togetter.com/li/1148195
のコメント欄でした……。
そのついでに「ドレース氏の月の石」という話をみっけた。
アムステルダム国立美術館収蔵の「月の石」、実は樹木の化石 | スラド サイエンス http://science.srad.jp/story/09/09/01/0054226/
ある Anonymous Coward 曰く、アムステルダム国立美術館に収蔵されている「月の石」が実は単なる木の化石であることが判明したそうだ (AFPBB News の記事、らば Q の記事、本家 /. 記事より)。
この「月の石」は 1969 年 10 月、当時の駐オランダ米大使からウィレム・ドレース元首相に個人的に送られたものだそうだ。元首相の死後、アムステルダム国立美術館の所蔵品となった。石はマッチ箱ほどの大きさで、「アポロ 11 号の宇宙飛行士らのオランダ訪問を記念し米国大使より謹呈」といった文言が記されたプレートも付いている。
しかしアポロ 11 号が帰還したのは 1969 年 7 月であり、そのたった数ヶ月後に月の石が贈られるとは考え難いと専門家らが指摘し調査が行われた。その結果 50 ユーロ (約 6700 円) 以下の価値しかない樹木の化石であることが判明したという。ちなみにこの石には 5 万ユーロ (約 668 万円) の保険がかけられていたそうだ。調査を行った館内誌編集長 Xandra van Gelder 氏によると NASA はこの「月の石」を複数の国にプレゼントしているという。
全く「月の石」ではないことが判明したこの化石は今後「ドレース氏の月の石」として同美術館に引き続き所蔵されていくとのことだ。
なんか話があっちこっちに飛んだが!!とにかく、そんな話でした(どんな話だ)。