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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

アッシリア石造破壊〜 犯罪集団ダーイシュによる、極めつけの悪夢をみる

【記録する者たち】

【2月27日 AFP】(一部更新)イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」は26日、イラク北部モスル(Mosul)で貴重な古代の石像をハンマーやドリルなどで破壊する同組織の戦闘員を写した動画を公開した。
(略)
 動画では、IS戦闘員らがモスルにある博物館で、彫像などを台座から床へたたき落とすなどの破壊行為に次々と及ぶ様子が写っている。破壊されたものの中には、紀元前数世紀にさかのぼるアッシリアやヘレニズム時代の文化財も含まれるとみられる。さらに、同市ネルガル門(Nergal Gate)にあるアッシリア時代のものとされる大きな有翼の牡牛の石像もドリルで粉砕されている。

 動画ではひげを生やした戦闘員がカメラに向かい、「イスラム教徒よ、私の後ろにあるこれらの遺物は古代人が神の代わりに崇拝した偶像だ」などと語っている。

創竜伝だったら始兄さんが竜になるレベル。
ついでに作者が「イアルダボートは十字軍がモデル」といくら言った所で、被害者だったアラブ側の行動が、ボダン大司教の行動のコスプレになってちゃ世話がねえ……。




日本人も含めて、多くの人命が既にこの連中のせいで奪われ、奴隷化されている今さら、文化財の破壊でそれ以上に衝撃を受けているというと
「麹町の猿」http://ginjo.fc2web.com/90umayakaji/umayakaji.htm

かとのそしりは免れないかもしれないが、そこは自分のいたらなさである。人の命や尊厳のほうをモノなんかより重んじるべきだ、という理性の声は重々承知ながら、歴史好きとして、感情ではやはり砕けた像にもざわつく。


そして、後知恵だが、これで分かった。確信した。
安倍晋三が、人道的支援と限定、また人質事件があったとはいえ、あそこで「ISILと闘う各国の支援」「ISILがもたらす脅威を食い止める」と表明したのは、総合的に正しかったのだ。


彼ら古代メソポタミアの息吹を、日々の営みを伝える人類の財産を意図的に土塊に変える外道集団と、文明の側に立つ人類は友好的な関係を結び得ない、ということだ。


偶像破壊がイスラム神学に則っていても、デタラメな解釈でもかまわない。どちらであろうと阻止すべきものだ。

中田考 ‏@HASSANKONAKATA 6月11日
@gryphonjapan @grossherzigkeit サウジのワッハーブ派の存在理由は、表面的外面的であれ、イスラームの基本の基本に愚直に拘る事。イスラームの基本とは、偶像崇拝が殺人や強盗や強姦よりも悪い決して許されない大罪であり偶像破壊が他の一切の道徳に優先するという事。
(略)
イスラーム法学的には、ダールルハルブ(≒非イスラーム国)で、他人の所有物である偶像を破壊する事はムスリムには許されない、というのが妥当な結論だ。しかしアブラハムは町の偶像を勝手に破壊した。(クルアーン21章57ー8節)
(略)
法学的には重要なのは誰に所有権があるか。タリバンの大仏破壊は仏教徒の所有者のいない国有地なので合法。今回の件は他人の所有物なので器物破損が基本だが、仏像はイスラーム法的に価値がないので法益が守られないとの少数説も。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141013/p1


なるほど、自分も預言者ムハンマド(彼の魂に平安あれ!)が、メッカの征服者として入城した時、カーバ神殿で、”彼が偶像とみなしたもの(「偶像」と勝手に断言するなかれ)”を破壊しまくり、今の黒い立方体の石のみの”イスラームの聖地”にしたことを知っている。
それが当時は、大虐殺や大規模な奴隷化などがない、当時の基準での「寛容さ」だったことも知っている。
当時の”異教”があまり合理的でも道徳的でもない”怪しげ”と言っていいものだったろう、ということも知っている。

偶像崇拝を禁じるという思想は一つのロジカルな思考法、つまり

考え方の基本は「物質はあくまで物質であって、その物質の背後に何かが臨在すると信じてこれから影響を受けたリ、それに応対したり、拝礼したりすることは被造物に支配されてこれに従属することであるから、創造主を冒涜する涜神罪だ」という考え方…故ファイサル王暗殺の原因がテレビという「影像」の導入であったといわれている…「それが科学を生み出した基本的な精神構造だ」と…(後略)
山本七平「空気の研究」】

だということも知っている。

知った上で、ムハンマドカーバでの神像破壊も含めて、今なら許さない、ということだ。イスラーム教義的にそれが正しいか異端かはどうでもいい。もし正しいなら、その教義ごと、とりあえず文明はそれに対峙するだけだ。