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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ザ・シークの妻は中東への偏見を逆手にとり「横暴なアラブ人に虐待される哀れな美女」を演じ客をヒートさせた(Gスピリッツ)

[特集]
グレート・ムタ
The Dark Side of Genius

[3万字インタビュー]
武藤敬司
“悪の化身"を語る
グレート・ムタ誕生編
新日本プロレス~WCW再登場編
全日本プロレス~W‐1編

[ムタを創った男]
ゲーリー・ハート

[解説―ムタの正体]
マサ斎藤/馳浩/天龍源一郎

[スペシャル鼎談]
平成維新軍同窓会
ザ・グレート・カブキ/越中詩郎/小林邦昭

[ドクトル・ルチャの初級講座]
アトランティスvsウルティモ・ゲレーロ
なぜこの試合が「世紀の一戦」と呼ばれたのか――
ルチャに詳しくないファンも、これを読めば丸わかり!

[短期集中連載]
ジャイアント・ババの海外行脚
第2回 「最後のMSG登場」と「初のNWA世界王座戴冠」

実録・国際プロレス 第24回
稲妻二郎(中編)

というような、ムタ特集だけでも面白い号ですけどね…。
このG-spirits に、ザ・シークの面白い話が載ってました。
なんでも、シークは「サロメ」なる女性をリングに帯同し、なんとそこでそこで彼女をこっぴどくいじめるのだそうだ。
 
というのは、
「侍女をモノ扱いする横暴さ」
は中東男性に対する欧米の一種のステロタイプで、まさにそのイメージどおりのことが行われているので、レディファーストの国である米国の観客は大ヒートし、ブーイングの嵐となる。


だが…ここからがまた「底が丸見えの底なし沼」なのだが、その「サロメ」こそはシーク夫人で実に辣腕のマネジャー。
売り込みも得意で、「シーク人気」の多くを、彼女の功績に帰することができるとか。結果的に、彼女の売り込み策が回りまわって、シークの来日も実現したんだそうな。

この記事の執筆者は
小泉悦次氏 @joehookersr
ブログとtwitter
http://roseckie.net/cms/?page_id=2909
https://twitter.com/joehookersr


なんとも面白いのは、

アメリカ、欧米におけるステロタイプの中東偏見
・本人たちは「正義感」のつもり(実際にリング上では悪の光景があるんだが)。
・しかしその中東偏見を逆用し、パロディ化し、そして結果的にその偏見を持つ観客から巨額のドルを召し上げるという「プロレスのヒール」の逆説
・そこで哀れな被害者を演じる女性が、シークのマネジメントで辣腕を振るうという、50-60年代のアメリカなら、たぶん有数の「社会進出」「自立した女性」だという、さらにわけわかんない逆説


などなど………です。
自分は以前、グレート東郷や、「靖国神社に殴りこみに来た酔拳の使い手」こと王拳聖などから、こういう説を語りました。

プロレスがナショナリズムに関して−−少なくとも21世紀の日本において−−何がしかの意義があるとしたら、それはそのフェイク性そのものが、ナショナリズムを高揚させる一方で無効化、相対化、そしてパロディ化しているという一点にある。そしてそれは、同時に行われているのだ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060122/p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120917/p1

その原型、ともいえる。

関連記事リンク。

東レスラーの得意技はキャメルクラッチ - 男の魂に火をつけろ! (id:washburn1975 / @washburn1975) http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20090304

これが印象に残ったひとつの契機は…

http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/369305/
WWE「ゲイシャガール」船橋市議選出馬へ
2015年02月21日 07時30分
 

 世界最大のプロレス団体「WWE」で日本人初のディーバとして活躍し、プロレスラーKENSO(40=全日本プロレス)の妻でもある鈴木浩子氏(41)が政界を目指すことが19日、本紙の取材で明らかになった。春の統一地方選で、地元の千葉・船橋市の市議選(4月19日告示、26日投開票)に立候補することを表明したもの。政界への夢を抱いた理由には「ゲイシャガール」として鳴らしたWWE時代の体験があった。
 鈴木氏は1月初旬、政治団体「鈴木ひろ子と船橋の未来を語る会」を設立。3歳の息子を持つ母として、市民から子育て支援を求める声などを集めて…(略)


中東男性のステロタイプ in ハリウッド 日本人もフランスで

中東の男性が女性を低く見てけしからん、とか、逆にジゴロ的な好色人…というステロタイプはハリウッドが発信元?であった一時期もあるらしくてそういう本が出てるんですな。

郊外デッドクルージング - 男の魂に火をつけろ! (id:washburn1975 / @washburn1975) http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20091106

ハーレクインは、いくつものサブジャンルに分類されています。
ロマンス:平凡な女性が富豪や王族に愛されるのを基本とする、スタンダードな夢物語
ディザイアー:性愛描写を含む物語
イマージュ:王子様のかわりにエリートビジネスマンなどが登場する、あるていど現実にも起こりうる物語
ヒストリカル:歴史もの。とくに19世紀イギリス摂政期を舞台とするものが人気
シーク:アラブの貴族・王族が登場するオリエンタリズムもの
これらは、読んだ人が勝手に区分しているわけではなく、最初から表紙にそう書いてある明確な区分けなんですね。

この中でも、とくにハーレクインの極みといわれているのが「シーク」ジャンルで、
ヒロインが異国を旅して(ツアコンや客室乗務員などの職業についている場合もある)大金持ちの王子様と出会う
異なる価値観(主に男尊女卑)の持ち主である王子様と、ときには衝突しながら距離を縮めていく
やがて二人は、数々の障害を乗り越え、結ばれる
というもの。その根底にある、イスラム教に対する偏見というか、勘違いしたオリエンタリズムは興味深いところです。
(略)
というかこの「シーク」ものって、男女を逆転させるとまんま『新カラテ地獄変』なんですよね。

ここで紹介されているのが

内容(「BOOK」データベースより)
9・11以後、アラブ世界は大きな注目を集めてきた。私たちが漠然とイメージするアラブ世界には、ハリウッド映画の影響が少なからずある。ハリウッドが発信するアラブ像はいつしか「グローバル・スタンダード」と化し、世界各地で受け入れられてきた。古くは『シーク』から、『アラビアのロレンス』、ディズニーのアニメ『アラジン』、そして最近の『ミュンヘン』『ユナイテッド93』に至るまで。そのイメージの連なりからは、アメリカのアラブに対する誤解、偏見、侮蔑、願望、さらには中東戦略や国家プロパガンダも見えてくる。ハリウッド100年を振り返り、「アメリカ映画からは見えないアラブ」「ハリウッドが描かなかったアラブ」を読み解く試み。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
 
村上/由見子
作家(表象文化、エスニック研究)。東京大学大学院客員教授を経て、現在は慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


日本も対岸の火事ではないでっせ。

uni (ジャスミン男) ‏@echinodermes
https://twitter.com/echinodermes/status/557282660763324416
あーちなみに、イスラムに限らず「よそでは女性の人権が抑圧されてる」って話は大方のフランス人好きなので、日本人だと言うと、「日本の男女差別はひどいんだろ? 君、フランスに来られてうれしいだろ?」ってワクテカしてくるフランス人時々います。とくにアジア女好きの男。