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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

『物語内の「ギャル」』の役割、「寅さん」を手掛かりに考える試論。【大人のおとぎばなし】

ブクマにさらにブクマがつくのは、時折あるし自分もやったことあるけど、なかなか珍しい。それだけ興味深い論考だという事。

ギャル服の会社にいた頃の飲み会で「死ぬまでに会いたい人」の話になったとき、ギャルが背中を押してくれた話 - Togetter

現代における「ギャル」は落語における大家さんや八っつぁんみたいなキャラクター。(おっさんが人情を担えなくなったのでその替わりに登場)/この話の真実度に文句がある訳ではなく、普段感じてた事を書きました。

2020/06/20 08:47
b.hatena.ne.jp

id:kincity さんのブクマは、この記事に対してつけられた。

togetter.com


そのあと、ブクマで関連的な話題として、これが紹介されている




※しつこく書くけど、ツイッターを埋め込んだら、リプ元がもれなく表示される仕様はなんとかしてくれ。
連ツイを張り付ける時、逆に読みにくくなるんじゃ―。はてなが損してるぞ。※この単行本の第一話
comic.pixiv.net


最初のtogetterの話も漫画も、話自体は、書いたかたの実際の体験談であり、それを疑っている訳ではないが、事実でも創作でも、それが広く人気、受容されれば物語論として語ることができましょう。

その上で、自分が最初に紹介したブクマにつけたブクマ(ええいややこしい)は、以下のようなものだった。

現代における「ギャル」は落語における大家さんや八っつぁんみたいなキャラクター。(おっさんが人情を担えなくなったのでその替わりに登場)/この話の真実度に文句がある訳ではなく、普段感じてた事を書きました。 - kincity のブックマーク / はてなブックマーク

自分はこれを『寅さん的キャラ』という言い方で呼んでいます。多少長文が必要なので後で書こう

2020/06/20 20:16
b.hatena.ne.jp

別にたーいしたこと言ってない、平凡、凡庸な感想。
だから、ちゃっちゃと列挙していけばすぐ終わるか。

【創作系譜論】【大人のおとぎばなし

「ギャル」と「寅さん」、その共通点

・基本的に割り振られたステロタイプなキャライメージは「粗野」で「無教養」。
(※現実世界にいる、繊細かつ教養ゆたかなギャルさんすいません!物語論なのでステロタイプ化はご容赦を)

・だがそのぶん人なつこく、世話焼きで、思い切りがいい。

・べつのいいかたをすれば、「おせっかい」。

・だからこそ、そ何かに踏ん切りがつかず、躊躇しているような人(多くは線の細いインテリ)の背中を押す。

かんたんにいやあ、ただ、これだけ。

それに、さらにおまけをするなら

・ときにはそのおせっかいに「早合点」や「おっちょこちょいの誤解」がくわわり、さらにトラブルが大きくなる。

・だが、そんな失敗も含めて愛すべき存在。

だいたい、ネット上やエンタメ、サブカルチャー上に流布する「いいギャル、やさしいギャル」の話って、このへんで大体カバーされていませんかね?されてませんか。まあ、そのへんは観測範囲の問題もありましょう。
そしてこれが、一種の「大人のおとぎばなし」であったことも間違いない(※繰り返すが、話題の発端になったまとめが実在の話かを疑う意味での「おとぎばなし」ではありません)


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男はつらいよ」寅さんとは(ビリー「シネマこんぷれっくす!」)
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男はつらいよ」寅さんとは(ビリー「シネマこんぷれっくす!」)

しかしながらこのへん、在来種は「絶滅危惧種」。ギャルはそれを受け継げるか

ただ、さらに自分の観測範囲だけで言うとだ。
1996年(平成8年)に、「男はつらいよ」が、まだまだ高い人気を保ちつつ、主演俳優・渥美清の天命により終焉を迎えたあと、こういうキャラクターが主役を張って、人気を得るような…言い方を変えれば「人情喜劇」は、衰退しているように思えます。よく「衰退しているなあ」が人々の口の端にのぼる忠臣蔵とか以上に、気づかれないまま衰退している。

もちろん、時折、寅さんとギャルをつなぐような、同一カテゴリーの粗野粗忽人情キャラは登場している。
たった一年前の国民的人気番組、朝ドラでも準主役級キャラだった。

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こういうキャラクターは、落語には多い。
今回の兄ちゃんが言う「よし俺に任せろ!」、いうんだよ、落語では、「叔父さん」がさ。
「あ、このひとが『万事任せろ』というと、決まってロクなことが無いんだから」と周囲も分かってて、止めようとするが、だいたい「任せろ」といった瞬間に脱兎のごとくどこかに走り去っていったりする。


(略)

あるいは、意外やこんなところのキャラに系譜がある。

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それでも町は廻っている4巻

主人公が「やれやれ」といってため息をつくだけでは、寅さんキャラは動かないのだ。いわばトラは、「キョン」の天敵というか…(笑)。いや、だがこの二者がコンビを組み、キョンがトラの暴走の記録者やツッコミ役になると、逆に映えるんだよな。

いま、こういう人が主役を張りにくい理由も、すでに分析している。

良くも悪くも…というかトータル的には良いことだと思いますが、今の日本は個人のプライバシーや選択権がより尊重されるようになり、善意を駆動力に他人の領分にずかずか入り込んで、「これがお前んためだから!」と力業で何かしてあげる、というような行動様式にあまりリアリティを感じないだろうし、理解もされない。


いま、自分の観測範囲で、こういう人が主役をやっているエンタメというと

ぐらいなんだけどねー。安定して楽しめるけど、掲載誌でも「4番打者」を張ってはいない。

ただまあ、こういうふうにネットの中のテンプレ的なキャラとして「ギャル」が寅さんふうの何かとして位置付けられるなら、
それが商業エンタメにも還流して、
そしてまかりまちがえば、
松竹のドル箱として、毎年お正月に新作が公開されるかもしれない。
そんな期待を抱きながら、この小論を終えたいと思います。(了)

♪ どうせ あーしは マジヤバいっしょ
メガわかりみじゃん 妹よ
いつかあーたも バイブス上がる
エモいアネキに なりたくて…


【男はつらいよ】主題歌(歌詞付き)を1番から5番まで全ての歌詞を聴きくらべ。渥美清

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しかしながら最後に…本当は怖い「寅さん」の一面

日本人がどんなものを(日本人が自分たちのどんな部分を、と言い換えてもいい) 邪魔者として寅さんに付けて祀り上げてしまったかは「寅さん映画」を順に検証していくとよくわかる。
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