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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ちばてつや回想「女の子が舌を出し『いけね』と言う場面を描いたら、圧倒的反響があった」

少年漫画界のラスト・レジェンド、ちばてつや先生の回想。

…当時の漫画界ではおてんばな女の子を書くのはタブーだった。
よく先輩のマンガ家や編集者から、「笑わせるのは、ヒロインといっしょにいる三枚目のキャラクターで、ヒロインはいつもうれいを含んだ眼をしていて、うつむいて笑う時も静かにやさしくほほえまなければいけない」
と注意された。これをやぶると漫画は売れなくなる…と思いこまされていた。いくども注意されたことだったが、ついにぼくはがまんできなくなった。……つい悪戯半分で「ユカをよぶ海」のユカちゃんにこれをやってみた。

ユカをよぶ海 (1) (ちばてつや全集)

ユカをよぶ海 (1) (ちばてつや全集)


…まだ父の顔を知らず、父をさがしもとめるユカの前に、犯罪者である父がすがたをあらわすというシリアスなストーリーのマンガだ。その中で、ヒロインのユカがちょっと失敗する小さなシーンがあった。その時、ぼくは、ユカのほおを真っ赤にして、長い舌をペロリと出して「いけね…」 というセリフをいれてしまった
すごい反響だった。そのほとんどが「よかった」という手紙だった。 わが意を得たりとばかり、ぼくもうれしかった。自分の独自なストーリー展開ができるとなると、筆もひとりでに動きだした。女の子だって人間だから。 すましていたり、ガマンばかりしている必要はない。それ以降……ぼくのマンガに、そして、ほかの少女マンガにも、男の子をけとばしたり、おっかけたりする女の子たちがつぎつぎ登場しはじめた。ほんのちょっとしたアイデアが、マンガを大きく変えることになったのである。

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少女漫画のヒロインに『いけね』という言葉遣いをさせたら大反響(ちばてつや

以上、かなり昔の…1986年刊行の本ですが、「だからマンガはやめられない」

という本より。「ユカをよぶ海」は
「少女クラブ」1959年6月から1960年8月にかけて連載されたそうである。
mangapedia.com

時代は、変わる。この変化が「思想」ゆえなのか「お話」ゆえなのかも、またわからない。

そして続篇

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