INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

90年代に転生し『ネット黎明期の王さま』…になる小説を誰か書いてほしい、という話

タイトルの話をする前に、


この前、バズった文春オンラインのこちら。

bunshun.jp

まず最初に褒めておきたいんだけど、文春はナンバーや週刊文春を持っているから、それの「記事」を流用してサイトを作る、これは解る。
しかし、さらに「新刊書籍」から…まあノンフィクションだからジャーナリズムに親和しやすいってのもあるし、何よりその本の実力あってこそだけれども「新刊書籍から読みどころを抜き出し、それを一種の『記事』として提示する」というやり方がある、というのはいい目のつけどころでした。これが何よりの宣伝、というか自分も買いたくなったもの。あとでポチるか、書店へ行くか……

2050年のメディア

2050年のメディア

  • 作者:進, 下山
  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: 単行本



これは全ての出版社が、真似していいケース。無料立ち読みとか一部公開、みなやってますけど、もっとカジュアルに、オンラインサイトに発売する書籍の一部を「記事」として載せる、これ今後のスタンダードだと思いますよ。




で、ここから内容の話なんだけど
朝日、読売、日経が合同で「あらたにす」を立ち上げた時代のことはそれなりに覚えている。ただ「vsヤフー」というふうには全然考えておらず、上の記事で紹介されているような興亡、仁義なき戦いがあったとは思わなかった。これは何度か書いているけど、自分は初期のヤフーに行き、人為的にフォルダ分けしているその入り口に実に絶望し「ロボット検索(という言葉ももう滅びたね…)の検索サイトがあるのに、なんでこんな遅れたフォルダ分けのところ使わなきゃいけないの?」と憤慨、infoseek→その後に誕生したグーグル一筋で利用してきたので、YAHOO!って個人的には存在感ゼロに等しかったんです。ヤフーニュースがあることぐらいはかろうじて知ってたけど、ニュースにそんな影響力があるとかは、そもそも気づかずに過ごしてきた。

こんなドラマチックな戦いがあったとはね。

……読売の山口が起点となり、当時日経の常務取締役で、電子メディア全般をみていた長田公平につながり、さらに朝日のデジタルメディア本部長の田仲拓二にも声をかける形で、朝日、日経、読売の共同サイト構想が極秘裏に進んでいく。

「もしすべての配信が止まったらばどうするか」
 そのことをキャッチしたヤフーは恐慌をきたす。と、いうのは、すでに2006年7月に共同通信が地方紙をまとめて、同じアイデアのサイトをつくるということを通告していたからだった。これは「47NEWS」という形で2006年12月にスタートするが、共同通信は、これを機会にヤフーへのニュース提供を止めることも知らせてきていた。

 このうえ読売までもが、配信を止めることになれば、ヤフー・ニュースはそもそも成り立たなくなってしまう。
 実際、2006年7月19日には ヤフー社内で、「もしすべての社がヤフーへの配信をとりやめたらどうするか」をブレストする会議が……

そう、インターネットももう数十年の歴史……、ネットビジネスにも先駆者あり、遅れてくるものあり、そして勝つ者あり、負けるものあり。

こういう歴史を、解り易く総括する舞台装置として、タイトルに書いた様な設定が生きてくるわけだ。

あらすじ【90年代に転生した俺がYAHOOもtwitterも「なろう」も、全部創業して無双な件…】

『「今のネットユーザー(かなりのネットオタク、と設定していい)が、1990年代の半ばあたり、WIN95が出たあたりに転生だかタイムスリップだかをする。そこはインターネットはあるけれどもみんな手探りで、まったく、今私たちが享受しているようなサービスは充実していない。そんな不自由な環境にキレた主人公は、無ければ自分で作るしかない!!!と、次々にアイデアを出しては周囲を驚かせ、実現していく。何しろ、こっち(未来)の世界では、皆成功したモデルがあるものばかりだ。ニュースを集めてポータルサイトとして利益を得る、ネットで本格的な通販を行う、動画を投稿可能にする、匿名の「名無しくん」が言いたい放題を言える、140字の短文で投稿し、面白いものはリプをリツイートをする…突如として日本に現れたネットビジネスの風雲児は、次々と斬新なアイデアを世に送り出し、気が付けば世界屈指の億万長者に・・・・・』

…てな(笑)
いや、実際、ああいう異世界もの、その中でも「文明チート」とか呼ばれる作品が人気の理由はこういうところにあるんじゃないかと思っている。
つまり、世のなか「無双する」「俺TUEEE」といっても、なかなか自分ごとのようにリアリティのある「俺TUEE」はそうは作れない。しかし「今、俺が現在の知識を持って、それを知らない世界(過去でも異世界でもよその星でもいい)に行く。その知識はあっちより進んでいるから無双できる!!」というのは、それが滅多に起きることではないにも関わらず(笑)、かなりしっかりした手触りの「リアル感」を感じることができるからじゃないか、と思っているのです。
なにしろあの劣等生ののび太くんですら、そう考えるのだから(笑)

f:id:gryphon:20191027015845j:plain
ドラえもん 石器時代の王さまに


これを翻案すると……

f:id:gryphon:20191027025618j:plain
ドラえもんパロ「ネット黎明期の王さまに」(25年前に行ってネットビジネスを独占)
たとえばさ、
あの時代は小説をネットで発表するにも、自分でホームページビルダーを使って
テキストサイトをUPしてたいへんだったんだ。
そこでぼくがシュッと「なろう」サイトをたちあげる。
ワッとおどろいてエヴァ小説をみんな投稿するよきっと。

bunshun.jp
togetter.com
togetter.com

m-dojo.hatenadiary.com


そして、そういう、現代の知識や歩みを、それがまだない世界で再現するのを描写する時、そこにはやはり解り易さが生まれる。
「まおゆう」でも「本好きの下克上」でも、…ああ、「ドリフターズ」でも、そういう世界で一からモノを創造する過程をフィクションとして描くと、その中でジャガイモ栽培や種痘や紙製造や活版印刷や、種子島銃やそれを使った集団戦術…そういうものの意義や進化史がわかりやすく追体験できる。

90年代半ばから、いまに至るまでのネットビジネスの興亡…ヤフー一強になったり、あらたにすが敗れたり、2ちゃんねるがさまざまな悪と善をばらまいたり、FBが世界を覆ったり、「なろう」からベストセラーが生まれたり…そんな世の中の推移を、それを1人でチートで立ち上げようとする主人公を舞台に書いたら、面白いんじゃないでしょうか。


そして、例によってだが、もちろん自分じゃかけないので、アイデアだけここに書いて、誰かが似たような何かを作ってくれるのを待つのです。
よろしく。そういうのが、もしすでにあったら教えてくれ。

実はこれと似たような提案、すでにしたことがある。この時は「スマホそのものの開発」という話だった(笑)

m-dojo.hatenadiary.com