そうか、本日開催されているのだっけ。
【宣伝ご容赦】全日本南北戦争フォーラムは8/12、東京・有明で開催されるコミックマーケット96に参加、本会会報12号「USSモニター」特集号を一般に頒布します。本会ブースは「西こ12a」。詳細は下記の会公式ブログ。ご関心ある方々の来場をお待ちしております。 #nanbokuhttps://t.co/8aTt9Ibdgi
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 6, 2019
印刷所から荷が来た! 全日本南北戦争フォーラム会報VOL.12「USSモニター」特集号と、今さっきその辺のコピー機でガシガシ一人で作った別冊「これがUSSモニターだ!」である。全日本の南北野郎の諸君、明日のコミケ、「西こ12a」でぜひ会おう! #nanboku pic.twitter.com/icjMEr5ySN
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 11, 2019
全日本南北戦争フォーラム会報、今号も全76ページと、そこそこ厚い本になっております。いくら有名艦とはいえ、南北戦争の一軍艦に関してここまで延々と日本語で読めるのは、本当に多分この会報だけ! 会員みんなでがんばりました。 #nanboku pic.twitter.com/FyOzberyrU
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 11, 2019
今回の会報で自分が担当したのは、USSモニターを造った悲運の発明家ジョン・エリクソンの伝記です。書いててかわいそうになるくらい、かわいそうな人。あと、若いころに英国でスティーブンソン親子とSLの競争をしてたとかあまり知らなかった。鉄チャンにそっちでの知名度聞いてみたいほど。 #nanboku pic.twitter.com/kbGGuomOn7
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 11, 2019
それでは東京ビッグサイトの現場から、全日本南北戦争フォーラムの新刊の宣伝をいたしましょう。会報12号、USSモニター特集号は、モニターという名前の、南北戦争最強の装甲軍艦についてのお話です。 pic.twitter.com/V7AGkFgAkC
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
その最強の装甲軍艦モニター、こんな外見で、現代の目でも「えっ、これ何?」と思うのではないでしょうか。その通り! 南北戦争当時の人々も「イカダに乗ったチーズ箱」などと言われ、大抵が「これ、大丈夫か」と思いました。でも、これがべらぼうに強かったのです。 pic.twitter.com/w66shDOCzL
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
南北戦争の時代とは、木製軍艦が金属装甲軍艦に、帆船が蒸気船に切り替わる途中の時代でした。モニターはその時代に、装甲のみならず船体全体を鉄で作り、マストを持たない蒸気船という、当時の常識を吹き飛ばすような先進艦でした。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
モニターの特徴はまず、水面スレスレの上甲板です。実は舷側などを金属装甲でガチガチに固めると重量がかさみ、当時の蒸気機関では進めない恐れがあり、軍も装甲軍艦の採用を渋ってたのですが、「だったら舷側を喫水線下にすれば装甲はいらんだろ」という逆転の発想でした。実際、半潜水艇に近いです。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
当時の大砲の照準とは、陸砲でも艦砲でも直接目視ですので、水面上の構造物がないと、実際に狙って撃つことは至難の業でした。この不可解な「イカダ」は、実は考え抜かれた設計をしていたのです。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
そしてモニターのもう一つの特徴、「チーズ箱」と呼ばれた回転砲塔です。今の軍艦では当たり前ですが、ティンビーという町の発明家が考案した世界初のもので、これで舷側にハリネズミのように大砲を突き出す戦列艦は完全に歴史の遺物と化します。 pic.twitter.com/ElOIdb8dre
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
そしてモニターのもう一つの特徴、「チーズ箱」と呼ばれた回転砲塔です。今の軍艦では当たり前ですが、ティンビーという町の発明家が考案した世界初のもので、これで舷側にハリネズミのように大砲を突き出す戦列艦は完全に歴史の遺物と化します。 pic.twitter.com/ElOIdb8dre
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モニター最大の見せ場は、宮崎駿が漫画化したことでも知られる1862年3月のハンプトンローズ海戦です。南軍の装甲軍艦、CSSバージニアと丸一日、至近距離から撃ち合い続け、どちらも沈まなかったという、当時の金属装甲軍艦の「不沈性」を世に知らしめた伝説的な激闘でした。 pic.twitter.com/Yx90cNfr7Q
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
モニター最大の見せ場は、宮崎駿が漫画化したことでも知られる1862年3月のハンプトンローズ海戦です。南軍の装甲軍艦、CSSバージニアと丸一日、至近距離から撃ち合い続け、どちらも沈まなかったという、当時の金属装甲軍艦の「不沈性」を世に知らしめた伝説的な激闘でした。 pic.twitter.com/Yx90cNfr7Q
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ただし、そんな最強の不沈艦モニターの最期はあまりにあっけないものでした。水面スレスレの上甲板という性質上、荒海を航行する能力にとぼしく、1862年12月、高波にあおられて転覆、沈没します。このあっけない最期もまた、世の南北戦野郎にモニターを強く印象づけるのものとなっているのです。 pic.twitter.com/pPtFfx3UVy
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
この、南北戦争最強の装甲軍艦は、船体を造ったジョン・エリクソン、大砲を造ったジョン・ダールグレン、砲塔を造ったセオドア・ティンビーという、「発明家たちの個人才能」で完成したものでした。個人のひらめきというものが、大戦争を決しうる時代だったのです。 pic.twitter.com/GD6gwbSM02
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
そして改めて今回の全日本南北戦争フォーラム会報の目次を見て分かる通り、この一冊を読むと、このUSSモニターという南北戦争史の、いやアメリカ海軍史に残る殊勲艦の生涯が、日本語でまるっと分かってしまう! 類書はないです。さあ全日本の南北野郎の諸君、コミックマーケット96、西こら12aにゴー! pic.twitter.com/pMC6su3sAW
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) August 12, 2019
小川寛大氏は確か、「気球とかガトリング銃が南北戦争で「画期的な技術」として戦場を席捲したというのは幻想」と、ロマン過剰の評価を戒めていた人だが、その人がこの装甲船を「当時の常識を吹き飛ばす」者として書いているのは、逆に重要。
そういえば南北戦争では「電信で、最前線と後方の意思決定機関が意思疎通できる時代の戦争」の幕開けでもあり(だよね?)、やはりどうにも、最新技術と旧技術の端境期、という意義は大きいようで…前にも書いたけど、そこにある意味で焦点を当てているのが「軍靴のバルツァー」で、気球や機関銃や「元込めライフルvs先込めマスケット」「騎兵の時代は終わりだ」などが描かれている。
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しかし、こんなエピソードもあったんだね。「回転砲塔は町の発明家の考案」か。この技術を特許として、巨万の富を得て幸せな人生を送ったのだろうか。それともこの回転砲塔が結果的に奪った人命を数えて、眠れぬ夜を過ごしたりもしたのだろうか。
「チーズ箱」と呼ばれた回転砲塔です。今の軍艦では当たり前ですが、ティンビーという町の発明家が考案した世界初のもので、これで舷側にハリネズミのように大砲を突き出す戦列艦は完全に歴史の遺物と化します。
この会報、以前いただいた「世界を荒らしまわって孤軍奮闘した南軍の軍艦」の話が面白くて、あとで紹介しようと思ってそのままなんだよな…いつかやらねば。
過去に三回、このいただいた会報の内容を紹介したことがあります
m-dojo.hatenadiary.com
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