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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「いだてん」面白かったから、その勢いで僕が知ってる関連本を紹介するよ

「いだてん」予告番組見たら面白そう、そして本編見たらやっぱり面白かったですね。大河ドラマって、何しろ日曜の夜放送、1年続きなので、できれば面白くなくて見られない方が生活やこういうブログの時間的には有難い、というパラドックスがある(笑)。だから「真田丸」は面白くて毎週見て困った、西郷どんは見ないで済んで有難かった。…という。

「いだてん」は”困った”作品となるような気がする!!


てなことで、予告番組見て思いついた、関連図書紹介。

栄光なき天才たち」シリーズ(アベベ円谷幸吉人見絹枝古橋広之進…)

よく考えたら戦前の日本人スポーツ選手の活躍に関する知識って、ほとんどこのマンガからだったような気がするな。

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栄光なき天才たちアベベ
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栄光なき天才たちアベベと円谷
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栄光なき天才たち、吉岡
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栄光なき天才たち古橋広之進

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このへんの基本的な逸話は、一種の「教養」かもしれん。
円谷の、素朴過ぎて「これ以上の文章を自分は書けない」とある高名な文学者(忘れた)に言わしめた、「おいしゅうございました」の円谷幸吉の遺書も、アベベのはだしの疾走も、日本が参加を拒否されたロンドン五輪に対抗し、タイムで勝敗を競う水泳の特性を利用しほぼ「同日同刻」に、日本で水泳選手権を開催、古橋広之進ロンドン五輪の選手たちを向こうに…いや地球の向こう側に回して世界記録を樹立、存在感をアピールして復帰に貢献した…なんて逸話も、漫画として迫力ある筆致で描かれているのだ。

ただ、もうこの傑作もかなり昔の作品となり、何度か出版社なども変わって、再構成されていくうちにどこにどのエピソードがあるか、わかんなくなっちゃってる(笑)。またものによっては割愛されてたりする。どこのバージョンが一番入手しやすいのかも含めて、各自ご調査ください。



んで、「栄光なき天才たち」は原作者ありで描かれたものやそうでないものがあるらしく…原作者は、専業原作者じゃないらしく(というか、連載当時は大学生だったとのこと)いまは研究職でホログラフィとかをやられている。
というか、id:yayoi_2011 さんだ。
教育・研究職(常勤)、漫画原作・執筆(不定期)
同氏のブログに、古橋広之進のことを書いた時の取材の思い出がある。当時は、ご存命だったよな、たしかに…

d.hatena.ne.jp

……原作を書いたのは1986年、30年前のことである。当時はまだ大学生だった私は、古橋さんに原作を送り、そして、一人で会いにいった。場所は、祖師谷の日本大学である。
 年表によると、当時、古橋さんは58歳で、日本水泳連盟の会長に就任された直後であった。逆に私は、まだ連載が始まる前の、全く無名の若造(24歳)であった。ご多忙の中、緊張気味の大学生相手に、古橋さんは気さくにいろいろな話をして下さった。
 南米遠征でアメーバ赤痢にかかってから、古橋さんは調子を落とした。これはアニメでも紹介されていた。その原因は、ホテルに置いてあったコップの水を飲んでしまったことだったそうだ。そういう体験をいろいろお伺いした。
 原作に関しては満足して頂いたが、一点だけ、修正を指摘された。1948年当時の競泳は9コースで行われ、もっともタイムの速い選手(古橋さん)は4コースではなく、5コースの…(後略)

「日本レスリングの物語」

日本レスリングの物語

日本レスリングの物語

過去記事読んでくれっす(メインのこの2本以外にも、数編の周辺記事がある)
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com

日本が近代スポーツの国際標準に挑戦しようとしたとき、まずは単純素朴な走る、泳ぐなどのところから始まり、そこでやっぱり野育ちのような異能が表れてメダルを狙おうかという位置につく。レスリングも、まずは柔道と同じ組技ではないか、というところからまずは国際挑戦がはじまり、やはり勝手が違うとコテンコテンにやられて、そこから異能異才が生まれる。そして東京五輪の前後では日本の「お家芸」となてメダル量産の力になっていくわけだから…「いだてん」とある種、時を同じくしているのであります。
そして、オリムピックの最初の誘致に尽力し、さらには日本発祥のスポーツ競技を五輪種目にまで押し上げるという空前の快挙を成し遂げた嘉納治五郎も、日本のレスリングの物語には関係なしとしない。そんな部分も楽しめるわけです(柔道黎明期の嘉納治五郎の在り方は、この本の作者、柳澤健氏がもうひとつのライフワークとしている黎明期柔道の物語としても興味深いが…)


筒井康隆の、名前忘れちゃった短編…「走る男」でした。

キーワードで検索してみるか…「筒井康隆 オリンピック すたれた 未来 3人 ゴール」
ああ、ちょっと苦労したけど判明。「走る男」だったと。
その検索作業で分かった紹介文章を孫引きしよう。

mitsuonesu.exblog.jp

…昔、筒井康孝の短編小説でオリンピックを題材にした「走る男」ってのがありました。
近未来、誰も関心を持たなくなったオリンピックの、マラソンに出場する男。
ラソンの総参加者は三人。街を走っても誰も目もくれず、信号では待たされる
その主人公本人も途中で沿道の人と結婚して、自分がオリンピックに参加している事を忘れ
普通の生活を営むわけですが、あるとき、部屋の中を整理していたら自分のゼッケンが出てきて

そうだ私は
オリンピックに参加していたんだ。

と走り始め…(後略)

これ、いい話なんだな。
そして、今回の「いだてん」の主人公のとあるエピソードを、ある種の換骨奪胎をしているのだ。
こはちょっとドラマでも描かれたりするかもしれないが…


ただ、オリンピックが誰にも注目されないなかで、惰性でかろうじて、ひっそりと運営され、競技者もその中でひっそり参加をしている、という光景が、逆にとっても詩的で、そこにまた逆説的にスポーツの存在意義や愉しみも描写されている、という気がするのだ。
筒井康隆の誰でも知っている代表作、とはいえないけど、いぶし銀のような、味わいある作品だったな。


筒井康隆も、自分がなじんだときの作品集は継続して販売はあまりされておらず、テーマ別に再構成されているようだよ、いまは。
この作品は、2015年にこういう本が編まれ、収録されたようだ。

佇むひと―リリカル短篇集 (角川文庫)

佇むひと―リリカル短篇集 (角川文庫)



横田順彌「明治バンカラ快人伝」

明治バンカラ快人伝 (ちくま文庫)

明治バンカラ快人伝 (ちくま文庫)

自転車世界無銭旅行者中村春吉、世界柔道武者修行者前田光世(グレイシー柔術元祖)、虎髯弥次将軍吉岡信敬…日清、日露、第一次世界大戦と、日本が近代国家になるための試練をくぐり抜けなければならなかった激動の時代を、そのバンカラ精神で痛快に生き抜いた明治の“快人”たち。「明治快人列伝」を増補した決定版。

まず、ここに「前田光世」が入っていますが、実をいうとこの本が出た当時はまだUFCもこの世になく、前田光世は世間的には全く無名の存在だったのです。UFCが出たあと、世間が慌てて資料を捜索すると、この本が基本的なことを教えてくれる、そんな存在でした。
天狗倶楽部に関係するのは、虎髯弥次将軍吉岡信敬ですね。

実は、個人的に気になるのは、日本に高等教育、大学(旧制高校)が生まれてたった数十年で、なぜあのような「バンカラ」という気風が生まれたのか、という話で…若くてインテリ(ということは余計なことを考える暇人とイコールである)の男どもを集団で集めりゃ自然とこうなる、ともいえるが、福沢諭吉が学んだ緒方洪庵の「適塾」がその原型じゃないか??みたいなことを考えてるんだけど。

ただ、その考察はひとまずおくとして、ドラマにも言われた「こんなにウザくてチャラい奴らが明治の世にいるか、と思われるでしょうが、残念ながら実在してたんです」という紹介のしかたはまさにその通り。


上の本の「世界旅行を自転車で、しかもほぼ無銭でやろうとした無謀な若者」なんてのが生まれるのは昭和もだいぶ過ぎてからだろうと思いきや、明治にいやがったんです、そういうのが…。

横田氏は、天狗倶楽部に関してはさらに詳しく書いてるらしい(未読)

快絶壮遊 天狗倶楽部―明治バンカラ交遊録 (江戸東京ライブラリー)

快絶壮遊 天狗倶楽部―明治バンカラ交遊録 (江戸東京ライブラリー)

また、天狗倶楽部と押川春浪を主人公に、同時期にあったことになっているH・Gウエルズの「火星人の襲来」がイギリスだけでなく日本にもあったという世界観のもとに、パスティッシュSFも書いておりますね

火星人類の逆襲 (新潮文庫)

火星人類の逆襲 (新潮文庫)


姿三四郎青空文庫に入る筈…)や嘉納治五郎

姿三四郎(上)(新潮文庫)

姿三四郎(上)(新潮文庫)

姿三四郎(中)(新潮文庫)

姿三四郎(中)(新潮文庫)

姿三四郎(下)(新潮文庫)

姿三四郎(下)(新潮文庫)

しかーし

作業中 作家別作品一覧:富田 常雄
3 姿三四郎(59049)
01 明治武魂 新字新仮名   門田裕志
  校正待ち(点検前)
2018-10-13 姿三四郎(上巻)
新潮文庫、新潮社 1986(昭和61)年9月15日11刷
4 姿三四郎(59050)
02 姿三四郎 新字新仮名   門田裕志
  校正待ち(点検前)
2018-10-13 姿三四郎(上巻)
新潮文庫、新潮社 1986(昭和61)年9月15日11刷
5 姿三四郎(59051)
03 続・姿三四郎 新字新仮名   門田裕志
  校正待ち(点検前)
2018-10-13 姿三四郎(中巻)
新潮文庫、新潮社 1986(昭和61)年9月15日11刷
6 姿三四郎(59052)
04 柔 新字新仮名   門田裕志
  校正待ち(点検前)
2018-10-13 姿三四郎(下巻)
新潮文庫、新潮社 1986(昭和61)年9月15日11刷
7 姿三四郎(59053)
05 続・柔 新字新仮名   門田裕志
  校正待ち(点検前)
2018-10-13 姿三四郎(下巻)
新潮文庫、新潮社 1986(昭和61)年9月15日11刷

校正待ち!!滑り込みセーフで、この作品は今やパブリックドメイン!!心してマテ。

んで、あの本宮ひろ志も漫画化していたり。

てか、黒澤明の映画のほうが有名か。

姿三四郎

姿三四郎


これはバロン吉元「柔侠伝」

柔侠伝 上巻

柔侠伝 上巻

昭和柔侠伝 中巻

昭和柔侠伝 中巻

柔侠伝 下巻

柔侠伝 下巻

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バロン吉元「柔侠伝」嘉納治五郎


餓狼伝のスピンオフ「真・餓狼伝」と、修羅の刻にも出てきたっけ。

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修羅の刻14 前田光世西郷四郎に問う

いやまて忘れてた、夢枕獏木村政彦伝を描こうとしたら、その前から遡らねば!と嘉納治五郎の物語になってしまった「東天の獅子」があったよ!!

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さらには、こんな本も…
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