おっと、先週これを紙面で読んだあと結局紹介しなかったか。でもそのおかげでネットに掲載された。
■「傲慢を義務づけられた家」
「おれさへ出れば見物嬉(うれ)しがるといふ心がよし」
「皆々目の下に見くだし、蟲(むし)のやうに思ふがよし」五代目市川団十郎が残した芸談である。つまり団十郎家とは「傲慢(ごうまん)であることを義務づけられた家」だ、と中川さんは言う。だが現代においては、役者である前によき社会人であれ、という声の方が優勢だ。
「本当にそうなのか。これはもう一度問い直した方がいい。これはレトリックではなく、彼らが役者の家に生まれたということは、一市民である前にすでに役者であるのです」
一方で、明治の世で歌舞伎役者の地位を向上させ、「劇聖」と呼ばれたのが九代目団十郎だ。役者も「市民」であることを選んだのも団十郎なのだ。団十郎家の歴史を文献によって初代から・・・(略)
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「お客様は神様です」も一方の真実だが、いい役者、芸能人(あるいはスポーツ選手)は「俺さえ出ればみんな嬉しがる」と心底思いこむ力も必要で、それゆえにカリスマが生まれる、というのも確かに一方の真実なのだろう。山本KID徳郁なんか一時期、本当にそんな感じだった。
自分は歌舞伎にはほとんど興味ないし、現代俳優としてのえびぞーのこともよく知らないが、だからこそ上の五代目の芸談は、それ自体として印象に残った。のでここに紹介している。
ちょっと話は違うが、「マウンドに上がるピッチャー、それも先発エースは、”お山の大将俺一人”というような俺様タイプこそがふさわしいのだ」
「サッカーのフォワードは、おれがおれがというタイプじゃなきゃ駄目。日本代表はそこが皆弱くてね・・・」
なんて話もよく聞くですね。
そういう枠組みを生かしたり、あるいはだからこそ「じゃあエースが、自分に自信のないおどおどタイプだったら?」という逆張りで話を作る作品(ノンフィクション含め)もよくある。
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