
で、あったんですよ。http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03
事実を事実のまま
完全に再現することは
いかに
おもしろおかしい 架空の
物語を生みだすよりも
はるかに困難である ---
(アーネスト・ヘミングウェイ)
これは事実談であり・・・
この男は実在する!!この男の一代記を 読者につたえたい一念やみがたいので
アメリカのノーベル賞作家ヘミングウェイのいう「困難」に
あえて挑戦するしかない・・・
わたしたちは 真剣かつ冷静に この男をみつめ ・・・ そして その
価値を 読者に問いたい ・・・ !!
かこいいね。
とこ
ろが。
こんなのも、ついでに検索でみつけてもうた。
「マンガ作品の第一話として、100点満点の出来」評論家が『空手バカ一代』第一話を大絶賛する理由って? http://originalnews.nico/63985
僕は、『空手バカ一代』の第1話を100点満点の第1話だと思っているんです。では、どんな第1話なのかパネルにしてみましたので、連続して見てみましょう。
これがマガジン連載時の1ページ目なんですが、まず「事実を事実のまま完全に再現することは、いかにおもしろおかしい架空の物語を生みだすよりも、はるかに困難である――(アーネスト・ヘミングウェイ)」という引用から始まります。
僕、この原文をかれこれ30年間探しているんだけども、いまだに見つからないんです(笑)。まさか嘘をついているとは思えないので、どこかで本当にそんなことを言っていたんだろうけども、一体どこでの発言なのか。 スペイン戦争に行ったころの文章かなと思うんですけど、いまだに見つかっていません。
自分も、常識的に考えて
「この重要な言葉が、創作ということはあるまい」と思うのだけど、幼いころのわたしは同じような常識の基準で、「ここまではっきり、大山倍達と李青鵬の試合映像はエド・サリバンショーの古いフィルムのどこかにある…と断言しているんだから、実際にあった話だろう」とかつて思ってしまったからな(笑)
ただ岡田斗志夫は岡田斗志夫で、調べれば本来はわかることを面白おかしく「30年探してるけどいまだに見つからない」と言っててもおかしくない個性だしね(笑)
皆さん方は、この出典をご存知でしょうか?
twitter上では、極真や大山空手のことなら何でも知ってる、的な方にも質問リプを飛ばしてみたのですが―。
<追記>
この記事を書いてからの各種の反応を見る限り、岡田氏の問うたこの謎は、確かに調べればすぐわかるたぐいのものではなく、相当な難問であるらしい……ということは確認できました。
コメント欄より…『河を渡つて木立の中へ』の或る場面を一言に超要約すると、まああり得なくもない???(仮説)
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gryphon
どうも、本当に見つけるの難しい(梶原一騎の創作の可能性もある)言葉らしいですね
6年前 delete
zzz_zzzzはじめまして。𝕏でポストされているかたがいて、源流を辿って来ました。
国立国会図書館デジタルコレクションにて「事実を事実のまま」で検索をかけましたがそのものズバリな文章はなく、表記揺れがあるのかもしれません(漱石『坑夫』の一節がいちばん近いかなという感じ)まったくの創作の可能性ももちろんありますけど、どうやらヘミングウェイの長編ですこし重なるようなことを言ってる登場人物がいるみたいで、「マジでなにか元ネタあるのやも……?」という気分になってきました。なにかご参考になれば幸いです。
"「あなたは本をお書きになるべきよ」と娘は言つた。「本當に、あたしそう思うのよ。こういうことについて、世間の人に知らせてやるといいんだわ」
「それはちがうよ」と大佐は反對した。「わしは書くほうの才能がないし、それに、あまりに事實を知りすぎている。その場に居合わせた人間よりも、どんな噓つきが書いたものでも、そのほうが人を納得させるものだよ」
(略)
「それでも、そういうお話を書こうとはお思いにならないの? あたしをよろこばせるためにでも、書こうとはお思いにならない?」
「思わないね」と大佐は言つた。「敏感で、ピリピリして、はじめて戦さをした日の强烈な第一印象を――それが三日間なり四日間なりつづくとしてだ――すつかり頭の中に殘しているような兵隊󠄁が本を書くのだよ。そういうものはいい本になるが、その場にいた人間には面白くないこともある。それからまた他の連中は、自分の參加しもしなかった戰爭で儲けようと思つて本をかく。大いそぎで引返󠄁してニュースを觸れまわる連中だ。そんなニュースは、たいてい正確ではない。それでも奴らは機敏にやらかすのだ。仕事が忙しくて、實戰に行けなかつた本職の文󠄁士は、わかりもせぬ戰鬪の有樣を、まるで自分がそこにいたように書く。そういうのが、どんな種類の罪惡に屬するか、わしは知らんがね。
「それからまた海軍では、ナイロンみたいにつるつるした艦長なんかが、單檣帆船󠄁(キャットボート)一隻だつて自分では指揮できなかつたくせに、大海戰の裏面史󠄁なんてものを書いている。誰でもみんな遲かれ早かれ自分の本を書くことになるのさ。わしたちだつて、面白い繪くらい、かけるかも知れん。だが、わしは書かんよ、孃や」"
三笠書房刊(1952年7月15日刊行)、ヘミングウェイ(大久保康雄訳)『河を渡つて木立の中へ』p.122~124(略は引用者による)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1659902/1/67
gryphon
貴重な調査と指摘です 2024年、SNSで再度話題になった訳ですが、ご紹介いただいたこの資料をあらたに提示し、さらなる調査と議論を喚起したいと思う次第です。