昭和29年12月22日、力道山対木村政彦による伝説の“プロレス巌流島の決闘”を観るため、およそ1万5千の大観衆が蔵前国技館につめかけていた――。これは、劇画原作者・梶原一騎の遺作である。そして、「巨人の星」「あしたのジョー」「タイガーマスク」「空手バカ一代」をはじめとする代表作の母胎ともよぶべき自伝的コミックである。力道山や大山倍達、アントニオ猪木など様々な男たちが登場し、プロレス界、芸能界の知られざるエピソードが明かされる。これぞ、引退作にして絶筆の一騎人生劇場!
※商品に2バージョンあり。リンクは下参照
関川夏央の推薦文(「知識的大衆諸君、これもマンガだ」より)
<><><><>…5年間を語るのに梶原一騎は1800ページを要している。 彼の生涯はまだ27年分残っている。全部書き尽くすと言っていたから、多ければあと1万ページ、少なくとも5000ページ分は必要だったろう。5000ページなら一週分20ページとして(週刊漫画ゴラクに死の直前まで連載されていた)250回分すなわちまだ5年は続けるこころづもりだった。引退記念と言いつつなかなか引退しないのである。
しかし、この面白さは何だろう。 奇怪な魅力と言ってもいい。1巻を読み終えれば次巻におのずと手が伸び、ついに中断の第9巻に達して、それより先の無いのを惜しむのである。
(略)梶原一騎は、漫画だけに許された主題と方法を守って漫画のために生き、1987年1月21日、五十歳を一期として卒然、世を去った。いくらその物語が面白くても彼は独立峰であり 、受け継ぐ人はいない。梶原の前に多くの梶原があって、梶原の後に1人の梶原もいない…
1-2巻だけでも多士済々。プロレスラー、柔道家、空手家、その師その弟子、父親や街の浮浪者まで・・・・・その彼ら、星と星を結んで描くのが「男の星座」。
不幸なことに9巻で作者は逝去し絶筆となったが、
その結果としてコンパクトに読めることにもなった。
持っている人も、この機会にAmazonキンドルの片隅に資料として置いておくのもいい。
また、このブログ的には近いうちに行う、「ある企画」とも連動すると思うので、ぜひ一読を_________