書評本からの孫引きとなります。坪内祐三の遺作のひとつ
から野末陳平の「老後はキョウイクとキョウヨウ」というのは至言だ。
「キョウイクとキョウヨウ」というのは「教育」と「教養」ではない。「今日行く」ところと「今日の用事」という意味だ。
たしかにこの二つがしっかりあればボケることはないだろう。
これは、世の中の皆さんを見ていると実際に感じるところである(もっとも因果関係が逆で、ボケてないから行く場所も用事もある、のかもしれない。そのへんは一種、要研究かも)
たしかこの本、一度紹介したことがある…
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「一度、死に損なったんでね。笑い一筋で60年生きてきて、俺が死んだら面白い話も全部あの世にいくことになるから」高田さんは2012年4月に心臓疾患で倒れ、生死の境をさまよった。復帰後「芸能への恩返しのつもりで」自分しか知らない貴重な体験を書き残そうと思ったという。
(略)……台本を書きまくる中でも「会いたいと思った人にはどんどん会いに行った」と言う。
喜劇人は意外に人間嫌いが多いが、三木のり平さんや渥美清さんらも、笑いに早熟だった高田青年に心を許し…評判を聞けば、無名の新人でもすぐ会いに行った。中でも不遇時代のビートたけしさんとの出会いは………
そう、高田文夫は芸人の面白い発言や逸話をあまりにも直接見聞きしすぎ、そして病気を経て「自分が死んだら、面白い話も一緒にあの世に行ってしまう」との危機感を感じ、これを書き残したのだそうだ。いかにもありなむ。
「薔薇はシュラバで生まれる」と、ある意味似た本だ。歴史の神が送り込んだ「観察者」、あるいは「人間隠しカメラ」。
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ところで高田文夫は「ここ20年、一切テレビと関わらないように生きていた」らしい。
故坪内氏の評によると、高田氏はこの本の中で、テレビの堕落を嘆く永六輔の言葉を引用し、
おっしゃる通り。堕落のきわみである。私でさえ、この20年は一切テレビと関わらないよう生きてきた
と書いているそうな。
坪内氏も
「たしかに21世紀に入って高田氏の姿をテレビで目にすることはなくなった(ということはいま30歳以下の人にとって高田氏の像を結ぶことはできないのではないか)」と。
そういえば・・・・「タイガー&ドラゴン」にやたらと他人をよいしょする落語家役で出てきたけど、その後テレビでは……。
気づかないものだね。
※これに反響
高田先生、20年テレビと関わりを持たないので、こういう事も起きますね(汗)
— はこし (@hacosi) 2021年6月7日
爆笑問題・太田、森三中・黒沢が『ビバリー昼ズ』を最近聴くようになって高田文夫のことを「凄い人を見つけた」と言っていたことに驚き
https://t.co/PVddpxcv7E
太田光:それをまた高田先生が聞いて、「俺も段々、認められてきたな」って(笑)
田中裕二:はっはっはっ(笑)
太田光:あの人もさ、褒められると伸びるからさ(笑)
田中裕二:ふふ(笑)
太田光:まだ伸びしろあんだよ、あの人(笑)
田中裕二:ふふ(笑)
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