筑摩書房PR誌ちくまにて2017・4 No.553から3ヶ月の間「SH60 study01 我が家のシャーロック・ホームズ狂想曲」掲載されます。
— 小林エリカerika kobayashi (@flowertv) 2017年3月27日
熱烈なシャーロッキアンである一家を描いたコミックエッセイです(実録我が家です)。https://t.co/0eluXir6XR pic.twitter.com/lHgPognewb
ちなみに、シャーロック・ホームズへの愛故、日本シャーロック・ホームズ・クラブを立ち上げ(今年で祝40周年!)日々シャーロック・ホームズ・シリーズの翻訳に情熱を注いでいた我が両親のシャーロック・ホームズ全集全9巻(河出書房新社)絶賛発売中です。そんな両親と三人の姉たちの話です。
— 小林エリカerika kobayashi (@flowertv) 2017年3月27日
確実に個人名を上げていないけど、上の記述と小林エリカというお名前(筆名)から、小林司・東山あかねご夫妻のお子様であることは間違いないだろう。
自分は、たぶんこの本−−−−広大なネットにすら、一切書影がない―――の本によってシャーロキアンの世界を知った。
名探偵ホームズの世界 (日本少年文庫 (17)) 単行本 – 1983/1
- 作者: 小林司,東山あかね
- 出版社/メーカー: 国土社
- 発売日: 1983/01
- メディア: 単行本
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小林 司 (著), 東山 あかね (著)
正確にいえば前史があり、最初に偶然手に取ったホームズは少年向けノベライズで、そりゃあ実に面白かったけど、「なんかこれ、子供っぽいな。翻訳に手を加えてるのか。そういうお子様ランチじゃなくて、原著に忠実なものを!」みたいなナマイキなことを探していたら、このご夫妻が監修してたものは、「子供向けだけど原典に比較的忠実」だったのよ。もう、どこの出版社のなにかって覚えてないし、探しようもないが…地元の図書館の本だから、物持ちがいいところなら残ってるかもな?
そしてその「あとがき解説」にて、上の本にあるようなシャーロキアン四十八手…原典の矛盾指摘、それを逆にきちんと説明する裏設定の考察、書かれていない空白の期間や若い日の冒険談の二次創作(当時この言葉はない!「パロディorパスティッシュ」であった)、作者の伝記研究、「ライバル」との比較、特にルパンDis(笑)などなどを切り分けて紹介していた。みごとに染まった俺。
上の本は子供向けのシャーロキアン研究書の集大成ではあるが、アタマのヨイ子だったぼくは、まず新潮文庫のきちんとした大人向けホームズ訳を軽々と手に取って読むようになった(それを勧めていたのだよ、彼らは)し、それがその後、本を読む(大人向けの本)、ということのハードルをなくすブレイクスルーであったのですよ、あとから思えば。そしておとなむけのシャーロキアン書もたくさん図書館にあり(どうも80年代に一度ブームがあったようだ)、そこでの知識は同時代の南方熊楠、マルクス、夏目漱石、オスカー・ワイルド、インド大反乱、KKK……と、相乗的に広がっていったのでありました。
今でも、それが土台になっている。
これは語り部として証言するが、90年代、ミリオンセラーにまでなったサザエさん研究書「磯野家の謎」や「ウルトラマン研究序説」など、当時”謎本”と呼ばれる本が話題となり、大ブーム、一ジャンルとなったとき、その著者や主催者は「ほら、シャーロック・ホームズをこうやって研究するシャーロキアンってありますよね。あれの〇〇版で……」「あーなるほど」と説明するというようなやり取りは山ほど読んだ。
それほど「フィクションで遊ぶ」ことの開拓者だったのだ、シャーロキアンは。
だから、小林司・東山あかね夫妻は、自分にとっては大きな「学恩」ある人のひとりだ。
その家庭の情景を描いたエッセイコミックの連載が始まると聞けば、期待しないわけにはいきません。ちくまのPR雑誌で3カ月の連載、と、覚えておこう。