上記記事の流れで、大屋教授はコメントしてないかなー、と思ったら、この日はもうひとつの氏のフィールドである「博士号」の問答を小保方氏の件で語っていた(笑)。
https://twitter.com/takehiroohya
そのついでに、過去のツイートを少し遡ったのですが……
https://twitter.com/hartamanga/status/487919529058512896
ハルタ
@hartamanga
講演会の最後に森さんの作品のコスプレをしている人と記念撮影させてもらったんだよ! みてみて! アミルさんとカルルクー! すごい完成度!!
この記事をリツイートしての感想
Takehiro OHYA @takehiroohya · 7月12日
>RT カルルクくんのコスプレがこれでいいならウチの研究室で2セットくらい揃うな。いやそのね、善意でやってるのはわかるんだけどとにかく地元のものを土産に持ってくるウズベクの風習だけは早急に改革したい。「これは結婚とかに使う立派な衣装で」ってどうせえと。
うーん、どうせいといえば、これほしい人たくさんいるよな(笑)。おれもカルクク君という柄ではないが、中央アジアの立派な礼服、民族衣装、それはほしいぞ。
もしほんとに、大屋研究室でその服をもてあましているのなら、気合の入ったコスプレイヤーさんは「その衣装をぜひ適正価格でお譲りください」とコンタクトしてみてはどうか。適材適所というものである。
で、そもそもなんでそういうお礼をおおや先生がもらっているかというと、
http://law.nagoya-u.ac.jp/project/Assist/ohya11.html
冷戦の終結によって市場経済の導入を進めつつある国々(ベトナム・ラオス・ウズベキスタンなど)、内戦を終えて社会の再建を進めている国々(カンボジアなど)では、新しい国家のあり方をデザインするとともに、それを支える法制度を作ることが急務となっています。
これらの体制移行国による、人権保護と経済発展の基礎となる法制度の整備を支援することは先進国の責務であり、各国が積極的に取り組みを進めています。日本も、主にアジアの体制移行国を対象に支援を進めてきました。具体的には、ベトナムにおける民法制定、カンボジアの民法・民事訴訟法制定に対する支援が挙げられます。
また、法案の起草と制定に向けた直接的な支援だけでなく、法制度を運用する人材の養成に関する支援も……
とGHQか、御雇外国人か、という感じで法制度の整備を手伝い、その御礼に礼服を贈られたと(笑)。
大変でも、おもしろくもある仕事だろう。
「乙嫁語り」の描写がどれほどリアリズムなのかは当方知識がないが、見ていて面白いのは、遊牧民と都市が混在する”未開の地”に見えるかもしれないところで、いい悪いは別として確固とした、独特の「法」「制度」が息づいていることだ。いや、江戸や日本を見た西洋人もそう思ったのかもしれないが。
これもこれで、DNAとかなんとかとは別の、ひとつのきちんとした?制度だ。
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そんな場所でも、それでもまぁ近代国家としては困るよね、というさまざまな問題があて、そこに近代的な法制度をつくるアドバイスをする、というのは実に有意義ではないか。金銀レートを都合よく定めて儲けるとかは難しいだろうけど。
適材適所といえば、森薫氏もこんな形で日本と中央アジアの友好に貢献。
岸田外務大臣は、「日本と中央アジア諸国は、2004年に立ち上げられた、この“中央アジア+日本”の対話を通じて、協力関係を深めてまいりました。今年、“中央アジア+日本”対話は創設10周年を迎え、その折に行われる第5回目の外相会合を機に、中央アジアを舞台にしたマンガ『乙嫁語り』の作者である森薫さんに依頼させていただき、日本と中央アジア諸国との対等なパートナーシップを象徴するイメージキャラクターを作成させていただきました。こちらのイメージキャラクターは、今後、“中央アジア+日本”の広報、あるいは文化行事などのイベントに登場することになると思います」と挨拶。
そして、司馬遼太郎が紹介したこんなエピソードを思い出した。
以下紹介する。
モンゴルほどペレストロイカにあざやかに反応し、過敏だった国はない。ここ1年で、モンゴルがモンゴルであることを回復(文化的自立)した。
たとえば仏教(ラマ教)の復興、固有文字の復活…。
ウランバートルでこんな話を聞いた。
「モンゴル文字のワープロを開発してくれないか。製品はむろんぜんぶひきとるが」
と、モンゴルの担当者が、日本の関係者にそう言ったという。
「私どもはそのためのドルを用意している。ただし、十数万ドルだが」
むろんそれっぽちでは、とても足りない。
「あとは、羊でうけとってくれ」この例ひとつをみても、草原の市場経済は、理論的にも実際的にも、ゼロからはじめねばならないということがわかる。話を聞いて私は大笑いしたが、同時にけなげさも感じた。
【司馬遼太郎アラカルト】